源氏物語夕顔夕顔の死宵過ぐるほど品詞分解現代語訳11はこちら

南殿の鬼の、なにがしの大臣脅やかしけるたとひを思し出でて、

心強く、 「さりとも、いたづらになり果てたまはじ。夜の声はおどろおどろし。あなかま」と諌めたまひて、いとあわたたしきに、あきれたる心地したまふ。  この男を召して、

現代語訳

源氏は、南殿の鬼が、なんとかの大臣を脅かした例

(藤原忠平889-949が若いころに、夜南殿紫宸殿で鬼に太刀を掴まれたが、一括して追い払ったエピソード『大鏡』太政大臣 忠平)

をお思い出しになって、心強くお思いなって、

「そう(夕顔が冷たくなってしまったと)はいっても、

このままお亡くなりにはならないだろう。

夜の泣き声は、仰々しく響く。静かに。」と(泣きじゃくる右近を)

お諌めになる(一方で)、源氏ご自身も、

あまりに突然の慌ただしい事態なので、

呆然とするお気持ちになる。

この(紙燭を持ってきた滝口の武士を)お呼びになって、

南殿 名詞
格助詞
名詞
格助詞
なにがし 代名詞
格助詞
大臣 名詞
脅やかし サ行四段活用動詞「脅かす」連用形
ける 過去の助動詞「けり」連体形
たとひ 名詞
格助詞
思し出で ダ行下二段活用動詞「思し出づ」連用形 尊敬語 本動詞 作者→源氏 お思い出しになる
接続助詞
心強く ク活用形容詞「心強し」連用形
「さりとも 接続詞
いたづらに ナリ活用形容動詞「いたづらなり」連用形
なり果て タ行下二段活用動詞「なり果つ」連用形
たまは ハ行四段活用動詞「たまふ」未然形 尊敬語 補助動詞 源氏→夕顔 ~なさる
じ。 打消推量の助動詞「じ」終止形
名詞
格助詞
名詞
係助詞
おどろおどろし。 シク活用形容詞「おどろおどろし」終止形
あな 感動詞
かま」 シク活用形容詞「かまし」語幹
格助詞
諌め マ行下二段活用動詞「いさむ」連用形
たまひ ハ行四段活用動詞「たまふ」連用形 尊敬語 補助動詞 作者→源氏 ~なさる
接続助詞
いと 副詞
あわたたしき シク活用形容詞「あわただし」連体形
接続助詞
あきれ ラ行下二段活用動詞「あきる」連用形
たる 完了の助動詞「たり」連体形
心地 名詞
サ行変格活用動詞「す」連用形
たまふ。 ハ行四段活用動詞「たまふ」終止形 尊敬語 補助動詞 作者→終止形 ~なさる
代名詞
格助詞
名詞
格助詞
召し サ行四段活用動詞「召す」連用形 尊敬語 本動詞 作者→源氏 お呼びになる
接続助詞

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