徒然草ある人弓射ること習ふに92段品詞分解

GREEN_HO20140125500

 

ある人、弓射る事を習ふに、諸矢をたばさみて的にむかふ。

師のいはく、「初心の人、二つの矢を持つことなかれ。

後の矢を頼みて、始めの矢になほざりの心あり。

毎度ただ得失なく、この一矢に定べしと思へ」言ふ。

 

 

ある 連体詞
名詞
名詞
射る ヤ行上一段活用動詞「射る」連体形
名詞
習ふ ハ行四段活用動詞「習ふ」連体形
格助詞
諸矢 名詞
格助詞
たばさみ 接頭語+マ行四段活用動詞「はさむ」連用形
接続助詞
名詞
格助詞
むかふ。 ハ行四段活用動詞「むかふ」終止形
名詞
格助詞
いはく 名詞
「初心 名詞
格助詞
名詞
二つ 名詞
格助詞
名詞
格助詞
持つ タ行四段活用動詞「持つ」連体形
名詞
なかれ。 ク活用形容詞「なし」命令形
名詞
格助詞
名詞
格助詞
頼み マ行四段活用動詞「頼む」連用形
て、 接続助詞
始め 名詞
格助詞
名詞
格助詞
なほざり 名詞
格助詞
名詞
あり。 ラ行変格活用動詞「あり」終止形
毎度 名詞
ただ 副詞
得失 名詞
なく ク活用形容詞「なし」連用形 中止用法
代名詞
格助詞
一矢 名詞
格助詞
定む マ行下二段活用動詞「定む」終止形
べし 意志の助動詞「べし」終止形
格助詞
思へ」 ハ行四段活用動詞「思ふ」命令形
格助詞
言ふ ハ行四段活用動詞「言ふ」終止形

わづかに二つの矢、師の前にて、一つをおろかにせんと思はんや。

懈怠の心、みづから知らずと言へども、師これを知る。