源氏物語葵車争ひ車争い大殿には日たけゆきて品詞分解助動詞敬語全訳

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源氏物語葵車争ひ車争い大殿には日たけゆきて品詞分解助動詞敬語全訳

の7です!

 

車争い7

つひに、御車ども立て続けつれば、

ひとだまひの奥におしやられて、

物も見えず。

現代語訳

とうとう、葵上方はお車の何台かを(強引に)立て並べてしまったので、

御息所のお車は、お供車の後ろに押しやられて、何も見えない。

品詞分解

つひに 副詞
御車ども 名詞+接尾語
立てつづけ カ行下二段活用動詞「立てつづく」連用形
つれ 完了の助動詞「つ」已然形
ば、 接続助詞
人だまひ 名詞
格助詞
名詞
格助詞
押しやら ラ行四段活用動詞「押しやる」未然形
受身の助動詞「る」連用形
接続助詞
もの 名詞
係助詞
見え ヤ行下二段活用動詞「見ゆ」未然形
ず。 打消 の助動詞「ず」終止形

心やましきをばさるものにて、かかるやつれをそれと知られぬるが、

いみじうねたきこと、限りなし。榻などもみな押し折られて、すず

ろなる車の筒にうちかけたれば、またなう人悪ろく、くやしう、

「何に、来つらむ」と思ふにかひなし。

現代語訳

御息所の御不満はもちろんのこと、

このようなお忍び姿をはっぎりと知られてしまったことが、

すごく悔しくてたまらない。

車上めの台なども完全にへし折られて、

(その辺の)つまらぬ車の心棒に

(御息所の車の轅を)寄せかててあるので、

この上なく不体裁で、残念で、

どうしてここに来てしまっているのだろう、と思うが、もはやかいもない。

品詞分解

心やましき シク活用形容詞「心やまし」連体形
格助詞
係助詞
さる ラ行変格活用動詞「さり」連体形
もの 名詞
断定の助動詞「なり」連用形
て、 接続助詞
かかる ラ行変格活用動詞「かかり」連体形
やつれ 名詞
格助詞
それ 代名詞
格助詞
知ら ラ行四段活用動詞「知る」未然形
受身の助動詞「る」連用形
ぬる 完了の助動詞「ぬ」連体形
が、 格助詞
いみじう シク活用形容詞「いみじ」連用形「いみじく」ウ音便
ねたき ク活用形容詞「ねたし」連体形
こと 名詞
限り 名詞
なし。 ク活用形容詞「なし」終止形
名詞
など 副助詞
係助詞
みな 副詞
押しおら ラ行四段活用動詞「「押し折る」未然形
受身の助動詞「る」連用形
て、 接続助詞
すずろなる ナリ活用形容動詞「すずろなり」連体形
名詞
格助詞
名詞
格助詞
うちかけ カ行下二段活用動詞「うちかく」連用形
たれ 完了の助動詞「たり」已然形
ば、 接続助詞
またなう ク活用形容詞「またなし」連用形「またなく」ウ音便
人わろく、 ク活用形容詞「人わろし」連用形
くやしう、 シク活用形容詞「くやし」連用形「くやしく」ウ音便
代名詞
格助詞
カ行変格活用動詞「来」連用形
完了の助動詞「つ」終止形
らむ 推量の助動詞「らむ」終止形
格助詞
思ふ ハ行四段活用動詞「思ふ」連体形
接続助詞
かひなし。 ク活用形容詞「かひなし」終止形