帝の御掟、きはめてあやにくにおはしませば、この御子どもを、
同じ方につかはさざり/けり。方々にいとかなしく思し召して、
御前の梅の花を御覧じて、
東風吹かば にほひおこせよ梅の花 あるじなしとて春な忘れそ
また、亭子の帝に聞こえさせ給ふ、
流れゆくわれは水屑となり果てぬ 君しがらみとなりてとどめよ
帝 | 名詞 |
の | 格助詞 |
御掟、 | 名詞 |
きはめて | 副詞 |
あやにくに | ナリ活用形容動詞「あやにくなり」連用形 |
おはしませ | 尊敬語 補助動詞 サ行四段活用動詞「おはします」已然形 作者⇒御掟 いらっしゃる |
ば | 接続助詞、 |
こ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
御子ども | 名詞 |
を | 格助詞、 |
同じ | シク活用形容詞「同じ」連体形 |
方 | 名詞 |
に | 格助詞 |
つかはさ | サ行四段活用動詞「つかはす」未然形 |
ざり | 打消の助動詞「ず」連用形 接続は未然形 [な]ず・ざら/[に]ず・ざり/ず/ぬざる/ね・ざれ/ざれ |
けり | 過去の助動詞「けり」終止形 接続は連用形 けら/◯/けり/ける/けれ/◯ |
方々に | 副詞 |
いと | 副詞の |
かなしく | シク活用形容詞「かなし」連用形 |
思し召し | 尊敬語 本動詞 サ行四段活用動詞「おぼしめす」未然形 作者⇒右大臣=道真公 お思いになる |
て | 接続助詞、 |
御前 | |
の | 格助詞 |
梅 | |
の | 格助詞 |
花 | |
を | 格助詞 |
御覧じ | 尊敬語 本動詞 サ行変格活用動詞「ご覧ず」連用形 作者⇒右大臣=道真公 ご覧になる←見る |
て | 接続助詞、 |
東風 | 名詞 |
吹か | カ行四段活用動詞「吹く」未然形 |
ば | 接続助詞 |
にほひ | |
おこせよ | サ行下二段活用「おこす」命令形 |
梅 | |
の | 格助詞 |
花 | |
あるじ | |
なし | ク活用形容詞「なし」終止形 |
とて | 格助詞 |
春 | |
を | 格助詞 |
忘る | ラ行下二段活用「忘る」終止形 |
な | 終助詞 |
また | 接続詞、 |
亭子の帝 | 名詞 |
に | 格助詞 |
聞こえさせ | 謙譲語 本動詞 サ行下二段活用動詞「聞こえさす」未然形 作者⇒亭子の帝 申し上げる←言ふ |
給ふ | 尊敬語 補助動詞 ハ行四段活用動詞「給ふ」連体形 作者⇒右大臣=道真公 「なさる」 |
流れゆく | カ行四段活用動詞「流れゆく」連体形 |
われ | 代名詞 |
は | 係助詞 |
水屑 | 名詞 |
と | 格助詞 |
なり果て | タ行下二段活用「なり果つ」連用形 |
ぬ | 完了の助動詞「ぬ」終止形。 接続は連用形 な/に/ぬ/ぬる/ぬれ/ね |
君 | 名詞 |
しがらみ | 名詞 |
と | 格助詞 |
なり | ラ行四段活用動詞「なる」連用形 |
て | 接続助詞 |
とどめよ | マ行下二段活用「とどむ」命令形 |
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