これが本はいかでかつくべからむと思ひわづらひぬ。
少し | 副詞 |
春 | 名詞 |
ある | ラ行変格活用動詞「あり」連体形 |
心地 | 名詞 |
こそ | 係助詞(係り結び) |
すれ | サ行変格活用動詞「す」已然形(「こそ」結び) |
と | 格助詞 |
ある | ラ行変格活用動詞「あり」連体形 |
は | 係助詞 |
げに | 副詞 |
今日 | 名詞 |
の | 格助詞 |
けしき | 名詞 |
に | 格助詞 |
いと | 副詞 |
よう | ク活用形容詞「よし」連用形「よく」ウ音便 |
合ひ | ハ行四段活用動詞「合ふ」連用形 |
たる | 存続の助動詞「たり」連体形 |
これ | 代名詞 |
が | 格助詞 |
本 | 名詞 |
は | 係助詞 |
いかで | 副詞 |
か | 係助詞(係り結び) |
つく | カ行下二段活用動詞「つく」終止形 |
べから | 適当の助動詞「べし」未然形 |
む | 推量の助動詞「む」連体形(「か」結び) |
と | 格助詞 |
思ひわづらひ | ハ行四段活用動詞「思ひわづらふ」連用形 |
ぬ。 | 完了の助動詞「ぬ」終止形 |
皆いと恥づかしき中に、宰相の御いらへを、いかでかことなしびに
言ひ出でむと、心ひとつに苦しきを、
御前に御覧ぜさせむとすれど、上のおはしまして、大殿籠りたり。
「誰々 | 名詞 | ||||
か。」 | 終助詞 | ||||
と | 格助詞 | ||||
問へ | ハ行四段活用動詞「問ふ」已然形 | ||||
ば、 | 接続助詞 | ||||
「それ | 代名詞 | ||||
それ。」 | 代名詞 | ||||
と | 格助詞 | ||||
言ふ。 | ハ行四段活用動詞「言ふ」終止形 | ||||
皆 | 名詞 | ||||
いと | 副詞 | ||||
恥づかしき | シク活用形容詞「恥づかし」連体形 | ||||
中 | 名詞 | ||||
に | 格助詞 | ||||
宰相 | 名詞 | ||||
の | 格助詞 | ||||
御いらへ | 接頭語+名詞 | ||||
を、 | 格助詞 | ||||
いかで | 副詞 | ||||
か | 係助詞(係り結び) | ||||
ことなしび | 名詞 | ||||
に | 格助詞 | ||||
言ひ出で | ダ行下二段活用動詞「言ひ出づ」未然形 | ||||
む | 推量の助動詞「む」連体形(「か」結び) | ||||
と、 | 格助詞 | ||||
心 | 名詞 | ||||
一つ | 名詞 | ||||
に | 格助詞 | ||||
苦しき | シク活用形容詞「苦し」連体形 | ||||
を | 接続助詞 | ||||
御前 | 名詞 | ||||
に | 格助詞 | ||||
御覧ぜ | サ行変格活用動詞「御覧ず」未然形 | 尊敬語 | 本動詞 | 作者⇒中宮 | 御覧になる |
させ | 使役の助動詞「さす」未然形 | ||||
む | 意志の助動詞「む」終止形 | ||||
と | 格助詞 | ||||
すれ | サ行変格活用動詞「す」已然形 | ||||
ど | 接続助詞 | ||||
上 | 名詞 | ||||
の | 格助詞 | ||||
おはしまし | サ行四段活用動詞「おはします」連用形 | 尊敬語 | 本動詞 | 作者⇒上=一条天皇 | いらっしゃる |
て、 | 接続助詞 | ||||
大殿籠り | ラ行四段活用動詞「大殿籠る」連用形 | 尊敬語 | 本動詞 | 作者⇒上=一条天皇 | お休みになる |
たり。 | 存続の助動詞「たり」終止形 |
げに、遅うさへあらむは、いと取どころなければ、さはれとれ、
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