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十訓抄行成と実方品詞分解

居直りて、「いかなることさうらふ

たちまちにかほどの乱罰にあづかるべきことこそ

おぼえはべらね。

そのゆゑを承りて後のことはべるべからん

と事うるはしく言はれけり。実方はしらけて、逃げにけり

品詞分解

行成 名詞
少しも 副詞
騒が ガ行四段活用動詞「騒ぐ」未然形
打消 の助動詞「ず」連用形
して 接続助詞
主殿寮 名詞
格助詞
召し サ行四段活用動詞「召す」連用形
接続助詞
「冠 名詞
取り ラ行四段活用動詞「取る」連用形
接続助詞
参れ。」 ラ行四段活用動詞「参る」命令形 謙譲語 本動詞 行成⇒行成 (来)参る
格助詞
接続助詞
冠し サ行変格活用動詞「冠す」連用形
接続助詞
守り刀 名詞
より 格助詞
名詞
抜き出だし サ行四段活用動詞「抜き出だす」連用形
て、 接続助詞
名詞
かいつくろひ ハ行四段活用動詞「かいつくろふ」連用形「かきつくろふ」のイ音便
接続助詞
居直り ラ行四段活用動詞「居直る」連用形
て、 接続助詞
「いかなる ナリ活用形容動詞「いかなり」連体形
こと 名詞
断定の助動詞「なり」連用形
接続助詞
さうらふ ハ行四段活用動詞「さうらふ」連体形 丁寧語 補助動詞 行成⇒実方 (あり)ございます
係助詞(係り結び)
ラ行変格活用動詞「あり」未然形「あら」省略形
ん。 推量の助動詞「む(ん)」連体形(「や」結び)
たちまちに 副詞
かほど 副詞
格助詞
乱罰 名詞
格助詞
あづかる ラ行四段活用動詞「あづかる」終止形
べき 当然の助動詞「べし」連体形
こと 名詞
こそ 係助詞(係り結び)
おぼえ ヤ行下二段活用動詞「おぼゆ」連用形
はべら ラ行変格活用動詞「はべり」未然形 丁寧語 補助動詞 行成⇒実方 (あり)ございます
ね。 打消 の助動詞「ず」已然形(「こそ」結び)
代名詞
格助詞
ゆゑ 名詞
格助詞
承り ラ行四段活用動詞「承る」連用形 謙譲語 本動詞 行成⇒実方 (聞く)うかがう
接続助詞
名詞
格助詞
こと 名詞
断定の助動詞「なり」連用形
係助詞(係り結び)
はべる 丁寧語補助動詞ラ行変格活用「はべり」連体形
べから 当然の助動詞「べし」未然形
ん。」 推量の助動詞「ん」連体形(「や」結び)
格助詞
事うるはしく シク活用形容詞「事うるはし」連用形
言は ハ行四段活用動詞「言ふ」未然形
尊敬の助動詞「る」連用形
けり。 過去の助動詞「けり」終止形
実方 名詞
係助詞
しらけ カ行下二段活用動詞「しらく」連用形
接続助詞
逃げ ガ行下二段活用動詞「逃ぐ」連用形
完了の助動詞「ぬ」連用形
けり。 過去の助動詞「けり」終止形

本文

折しも、小蔀より、主上御覧じて、「行成はいみじき者なり。

かくおとなしき心あらこそ思はざりしか。

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