目次
東京都府中市の大学受験プロ家庭教師『逆転合格メーカー』のコシャリです。
いつも独学受験.jpにお越しいただきましてありがとうございます。
助動詞:薄緑のマーカーです
敬語:緑のマーカーです
係り結び:オレンジのマーカーです。
この作品のこんな話が欲しいというのがあったら、
ぜひ教えてくださいね!
今回は、突然無礼なことをされても、
冷静でいられる男性って素晴らしいよね!というお話です。
本文
大納言行成卿、いまだ殿上人にておはしましける時、
実方の中将、いかなる憤りかありけん、
殿上に参り合ひて言ふこともなく。行成の冠を打ち落として、
小庭に投げ捨ててけり。
品詞分解
大納言行成卿 | 名詞 | ||||
いまだ | 副詞 | ||||
殿上人 | 名詞 | ||||
に | 断定の助動詞「なり」連用形 | ||||
て、 | 接続助詞 | ||||
おはし | サ行変格活用補助動詞「おはす」連用形 | 尊敬語 | 補助動詞 | 作者⇒行成 | いらっしゃる |
ける | 過去の助動詞「けり」連体形 | ||||
時 | 名詞 | ||||
実方の中将 | 名詞 | ||||
いかなる | ナリ活用形容動詞「いかなり」連体形 | ||||
憤り | 名詞 | ||||
か | 係助詞(係り結び) | ||||
あり | ラ行変格活用動詞「あり」連用形 | ||||
けん | 過去推量の助動詞「けむ(ん)」連体形(「か」結び) | ||||
殿上 | 名詞 | ||||
に | 格助詞 | ||||
参り合ひ | ハ行四段活用動詞「参り合ふ」連用形 | 謙譲語 | 本動詞 | 作者⇒殿上(帝) | (行き合ふ、来合う)参上して出会う |
て | 接続助詞 | ||||
言ふ | ハ行四段活用動詞「言ふ」連体形 | ||||
こと | 名詞 | ||||
も | 係助詞 | ||||
なく | ク活用形容詞「なし」連用形 | ||||
行成 | 名詞 | ||||
の | 格助詞 | ||||
冠 | 名詞 | ||||
を | 格助詞 | ||||
打ち落とし | サ行四段活用動詞「打ち落とす」連用形 | ||||
て | 接続助詞 | ||||
小庭 | 名詞 | ||||
に | 格助詞 | ||||
投げ捨て | タ行下二段活用動詞「投げ捨つ」連用形 | ||||
て | 完了の助動詞「つ」連用形 | ||||
けり。 | 過去の助動詞「けり」終止形 |
本文
行成、少しも騒がずして、主殿寮を召して、「冠取りて参れ。」
とて、冠して、守り刀より笄抜き出だして、鬢かいつくろひて、
居直りて、「いかなることにてさうらふやらん。
たちまちにかほどの乱罰にあづかるべきことこそ
おぼえはべらね。
そのゆゑを承りて後のことにやはべるべからん」
と事うるはしく言はれけり。実方はしらけて、逃げにけり。
品詞分解
行成 | 名詞 | ||||
少しも | 副詞 | ||||
騒が | ガ行四段活用動詞「騒ぐ」未然形 | ||||
ず | 打消 の助動詞「ず」連用形 | ||||
して | 接続助詞 | ||||
主殿寮 | 名詞 | ||||
を | 格助詞 | ||||
召し | サ行四段活用動詞「召す」連用形 | ||||
て | 接続助詞 | ||||
「冠 | 名詞 | ||||
取り | ラ行四段活用動詞「取る」連用形 | ||||
て | 接続助詞 | ||||
参れ。」 | ラ行四段活用動詞「参る」命令形 | 謙譲語 | 本動詞 | 行成⇒行成 | (来)参る |
と | 格助詞 | ||||
て | 接続助詞 | ||||
冠し | サ行変格活用動詞「冠す」連用形 | ||||
て | 接続助詞 | ||||
守り刀 | 名詞 | ||||
より | 格助詞 | ||||
笄 | 名詞 | ||||
抜き出だし | サ行四段活用動詞「抜き出だす」連用形 | ||||
て、 | 接続助詞 | ||||
鬢 | 名詞 | ||||
かいつくろひ | ハ行四段活用動詞「かいつくろふ」連用形「かきつくろふ」のイ音便 | ||||
て | 接続助詞 | ||||
居直り | ラ行四段活用動詞「居直る」連用形 | ||||
て、 | 接続助詞 | ||||
「いかなる | ナリ活用形容動詞「いかなり」連体形 | ||||
こと | 名詞 | ||||
に | 断定の助動詞「なり」連用形 | ||||
て | 接続助詞 | ||||
さうらふ | ハ行四段活用動詞「さうらふ」連体形 | 丁寧語 | 補助動詞 | 行成⇒実方 | (あり)ございます |
や | 係助詞(係り結び) | ||||
ら | ラ行変格活用動詞「あり」未然形「あら」省略形 | ||||
ん。 | 推量の助動詞「む(ん)」連体形(「や」結び) | ||||
たちまちに | 副詞 | ||||
かほど | 副詞 | ||||
の | 格助詞 | ||||
乱罰 | 名詞 | ||||
に | 格助詞 | ||||
あづかる | ラ行四段活用動詞「あづかる」終止形 | ||||
べき | 当然の助動詞「べし」連体形 | ||||
こと | 名詞 | ||||
こそ | 係助詞(係り結び) | ||||
おぼえ | ヤ行下二段活用動詞「おぼゆ」連用形 | ||||
はべら | ラ行変格活用動詞「はべり」未然形 | 丁寧語 | 補助動詞 | 行成⇒実方 | (あり)ございます |
ね。 | 打消 の助動詞「ず」已然形(「こそ」結び) | ||||
そ | 代名詞 | ||||
の | 格助詞 | ||||
ゆゑ | 名詞 | ||||
を | 格助詞 | ||||
承り | ラ行四段活用動詞「承る」連用形 | 謙譲語 | 本動詞 | 行成⇒実方 | (聞く)うかがう |
て | 接続助詞 | ||||
後 | 名詞 | ||||
の | 格助詞 | ||||
こと | 名詞 | ||||
に | 断定の助動詞「なり」連用形 | ||||
や | 係助詞(係り結び) | ||||
はべる | 丁寧語補助動詞ラ行変格活用「はべり」連体形 | ||||
べから | 当然の助動詞「べし」未然形 | ||||
ん。」 | 推量の助動詞「ん」連体形(「や」結び) | ||||
と | 格助詞 | ||||
事うるはしく | シク活用形容詞「事うるはし」連用形 | ||||
言は | ハ行四段活用動詞「言ふ」未然形 | ||||
れ | 尊敬の助動詞「る」連用形 | ||||
けり。 | 過去の助動詞「けり」終止形 | ||||
実方 | 名詞 | ||||
は | 係助詞 | ||||
しらけ | カ行下二段活用動詞「しらく」連用形 | ||||
て | 接続助詞 | ||||
逃げ | ガ行下二段活用動詞「逃ぐ」連用形 | ||||
に | 完了の助動詞「ぬ」連用形 | ||||
けり。 | 過去の助動詞「けり」終止形 |
本文
折しも、小蔀より、主上御覧じて、「行成はいみじき者なり。
かくおとなしき心あらんとこそ思はざりしか。」
とて、そのたび、蔵人の頭空きけるに、
多くの人を越えてなされにけり。
品詞分解
折りしも | 副詞 | ||||
小蔀 | 名詞 | ||||
より | 格助詞 | ||||
主上 | 名詞 | ||||
御覧じ | サ行変格活用動詞「御覧ず」連用形 | 尊敬語 | 本動詞 | 作者⇒主上 | (見る)御覧になる |
て | 接続助詞 | ||||
「行成 | 名詞 | ||||
は | 係助詞 | ||||
いみじき | シク活用形容詞「いみじ」連体形 | ||||
者 | 名詞 | ||||
なり。 | 断定の助動詞「なり」終止形 | ||||
かく | 副詞 | ||||
おとなしき | シク活用形容詞「おとなし」連体形 | ||||
心 | 名詞 | ||||
あら | ラ行変格活用動詞「あり」未然形 | ||||
ん | 推量の助動詞「む」終止形 | ||||
と | 格助詞 | ||||
こそ | 係助詞(係り結び) | ||||
思は | ハ行四段活用動詞「思ふ」未然形 | ||||
ざり | 打消 の助動詞「ず」連用形 | ||||
しか。」 | 過去の助動詞「き」已然形(「こそ」結び) | ||||
と | 格助詞 | ||||
て | 接続助詞 | ||||
そ | 代名詞 | ||||
の | 格助詞 | ||||
たび | 名詞 | ||||
蔵人の頭 | 名詞 | ||||
空き | カ行四段活用動詞「空く」連用形 | ||||
ける | 過去の助動詞「けり」連体形 | ||||
に | 接続助詞 | ||||
多く | ク活用形容詞「多し」連用形 | ||||
の | 格助詞 | ||||
人 | 名詞 | ||||
を | 格助詞 | ||||
越え | ヤ行下二段活用動詞「越ゆ」連用形 | ||||
て | 接続助詞 | ||||
なさ | サ行四段活用動詞「なす」未然形 | ||||
れ | 尊敬の助動詞「る」連用形 | 尊敬語 | 助動詞 | 作者⇒主上 | ~なさる |
に | 完了の助動詞「ぬ」連用形 | ||||
けり。 | 過去の助動詞「けり」終止形 |
本文
実方をば、中将を召して、「歌枕見て参れ。」とて、
陸奥の守になして流し遣はされける。
やがて、かしこにて失せにけり。
品詞分解
実方 | 名詞 | ||||
を | 格助詞 | ||||
ば、 | 係助詞 | ||||
中将 | 名詞 | ||||
を | 格助詞 | ||||
召し | サ行四段活用動詞「召す」連用形 | 尊敬語 | 本動詞 | 作者⇒主上 | (差し出させる)お取り上げになる |
て、 | 接続助詞 | ||||
「歌枕 | 名詞 | ||||
見 | マ行上一段活用動詞「見る」連用形 | ||||
て | 接続助詞 | ||||
参れ。」 | ラ行四段活用動詞「参る」命令形 | 謙譲語 | 本動詞 | 主上→主上 | (行く)参る |
と | 格助詞 | ||||
て | 接続助詞 | ||||
陸奥の守 | 名詞 | ||||
に | 格助詞 | ||||
なし | サ行四段活用動詞「なす」連用形 | ||||
て | 接続助詞 | ||||
流し | サ行四段活用動詞「流す」連用形 | ||||
遣はさ | サ行四段活用動詞「遣はす」未然形 | 尊敬語 | 本動詞 | 作者⇒主上 | (遣る)お遣わしになる |
れ | 尊敬の助動詞「る」連用形 | 尊敬語 | 助動詞 | 作者⇒主上 | ~なさる |
ける。 | 過去の助動詞「けり」連体形 | ||||
やがて | ふくし | ||||
かしこ | 代名詞 | ||||
にて | 格助詞 | ||||
失せ | サ行下二段活用動詞「失す」連用形 | ||||
に | 完了の助動詞「ぬ」連用形 | ||||
けり。 | 過去の助動詞「けり」終止形 |
本文
実方、蔵人の頭にならでやみにけるを恨みて、
執とまりて、雀になりて、殿上の小台盤に居て、
台盤を食ひけるよし、人言ひけり。
品詞分解
実方 | 名詞 |
蔵人の頭 | 名詞 |
に | 格助詞 |
なら | ラ行四段活用動詞「なる」未然形 |
で | 接続助詞 |
やみ | マ行四段活用動詞「やむ」連用形 |
に | 完了の助動詞「ぬ」連用形 |
ける | 過去の助動詞「けり」連体形 |
を | 格助詞 |
恨み | マ行上二段活用動詞「恨む」連用形 |
て、 | 接続助詞 |
執 | 名詞 |
とまり | ラ行四段活用動詞「とまる」連用形 |
て | 接続助詞 |
雀 | 名詞 |
に | 格助詞 |
なり | ラ行四段活用動詞「なる」連用形 |
て | 接続助詞 |
殿上 | 名詞 |
の | 格助詞 |
小台盤 | 名詞 |
に | 格助詞 |
居 | ワ行上一段活用動詞「居る」連用形 |
て | 接続助詞 |
台盤 | 名詞 |
を | 格助詞 |
食ひ | ハ行四段活用動詞「食ふ」連用形 |
ける | 過去の助動詞「けり」連体形 |
よし、 | 名詞 |
人 | 名詞 |
言ひ | ハ行四段活用動詞「言ふ」連用形 |
けり。 | 過去の助動詞「けり」終止形 |
本文
一人は、忍に耐へざるによりて前途を失ひ、
一人は、忍を信ずるによりて褒美にあへるたとひなり。
品詞分解
一人 | 名詞 |
は | 係助詞 |
忍 | 名詞 |
に | 格助詞 |
耐へ | ハ行下二段活用動詞「耐ふ」未然形 |
ざる | 打消 の助動詞「ず」連体形 |
に | 格助詞 |
より | ラ行四段活用動詞「よる」連用形 |
て | 接続助詞 |
前途 | 名詞 |
を | 格助詞 |
失ひ、 | ハ行四段活用動詞「失ふ」連用形 |
一人 | 名詞 |
は | 係助詞 |
忍 | 名詞 |
を | 格助詞 |
信ずる | サ行変格活用動詞「信ず」連体形 |
に | 格助詞 |
より | ラ行四段活用動詞「よる」連用形 |
て | 接続助詞 |
褒美 | 名詞 |
に | 格助詞 |
あへ | ハ行四段活用動詞「あふ」已然形 |
る | 完了の助動詞「り」連体形 |
たとひ | 名詞 |
なり。 | 断定の助動詞「なり」終止形 |
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