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源氏物語葵若君のいとゆゆしきまで品詞分解

あるかなきかのけしきて臥したまへるさま(は)、

いとらうたげに心苦しげなり。

御髪の乱れたる筋もなく、はらはらとかかれる枕のほど、

ありがたきまで(美しく)見ゆれば、

(源氏)「年ごろ、何ごとを飽かことありて思ひつら/む」と、

あやしきまでうちまもらたまふ

(源氏→葵上)「院などに参りて、いととうまかでな/む

かやうにて、おぼつかなからたてまつらば、うれしかるべきを、

宮(葵上の母の大宮)のつとおはするに、心地なくと、

つつみて過ぐしつるも苦しきを、

なほやうやう心強く思しなして、例の御座所にこそ

 

(葵上の母の大宮が葵上を)あまり若く※もてなしたまへば、

かたへは、かくもものしたまふぞ」など、

(源氏が葵上に)聞こえおき/たまひて、

いときよげにうち装束きて出でたまふを、

(葵上は)常よりは目とどめて、見出だして臥したまへ

 

※「もてなす」を「扱う」ととると大宮が葵上を扱う、待遇する、世話するという意味に

「もてなす」を「ふるまう」「身を処する」ととると葵上が幼くいらっしゃる、子供っぽくいらっしゃる

という意味になる。ここでは前者で書いてます

 

いと 副詞
をかしげなる ナリ活用形容動詞「をかしげなり」連体形
名詞
の、 格助詞、
いたう ク活用形容詞「いたし」連用形「いたく」ウ音便
弱り ラ行四段活用動詞「弱る」連用形
そこなはれ ラ行下二段活用動詞「そこなはる」連用形
て、 接続助詞
ある ラ行変格活用動詞「あり」連体形
係助詞
なき ク活用形容詞「なし」連体形
係助詞
格助詞
けしき 名詞
断定の助動詞「なり」連用形
接続は体言連体形など
なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ
接続助詞
臥し サ行四段活用動詞「臥す」連用形
たまへ 尊敬語補助動詞ハ行四段活用「たまふ」已然形
作者→葵上
完了の助動詞「り」連体形
接続はサ変の未然形・四段の已然形
ら/り/り/る/れ/れ
さま、 名詞
いと 副詞
らうたげに ナリ活用形容動詞「らうたげなり」連用形
心苦しげなり。 ナリ活用形容動詞「心苦しげなり」終止形
御髪 名詞
格助詞
乱れ ラ行下二段活用動詞「乱る」連用形
たる 完了の助動詞「たり」連体形 接続は連用形 たら/たり/たり/たる/たれ/たれ
名詞
係助詞
なく、 ク活用形容詞「なし」連用形
はらはらと 副詞
かかれ ラ行四段活用動詞「かかる」已然形
完了の助動詞「り」連体形
接続はサ変の未然形・四段の已然形
ら/り/り/る/れ/れ
名詞
格助詞
ほど、 名詞
ありがたき ク活用形容詞「ありがたし」連体形
まで 副詞
見ゆれ ヤ行下二段活用動詞「見ゆ」已然形
ば、 接続助詞
「年ごろ、 名詞
何ごと 名詞
格助詞
飽か カ行四段活用動詞「飽く」未然形
打消の助動詞「ず」連体形
接続は未然形
[な]ず・ざら/[に]ず・ざり/ず/ぬ・ざる/ね・ざれ/ざれ
こと 名詞
あり ラ行変格活用動詞「あり」連用形
接続助詞
思ひ ハ行四段活用動詞「思ふ」連用形
完了の助動詞「つ」終止形
接続は連用形
て/て/つ/つる/つれ/てよ
らむ」 現在推量の助動詞「らむ」終止形
接続は終止形(ラ変型は連体形)
◯/◯/らむ/らむ/らめ/◯
と、 格助詞
あやしき シク活用形容詞「あやし」連体形
まで 副詞
うちまもら ラ行四段活用動詞「うちまもる」未然形
自発の助動詞「る」連用形
接続は四段・ナ変・ラ変の未然形
れ/れ/る/るる/るれ/れよ
たまふ。 尊敬語補助動詞ハ行四段動詞「たまふ」終止形。
作者→源氏
「院 名詞
など 副助詞
格助詞
参り 謙譲語本動詞ラ行四段活用「参る」連用形
源氏→院
て、 接続助詞
いと 副詞
とう ク活用形容詞「とし」連用形「とく」ウ音便
まかで 謙譲語本動詞ダ行下二段活用動詞「まかづ」連用形 源氏→院
強意の助動詞「ぬ」未然形。
接続は連用形
な/に/ぬ/ぬる/ぬれ/ね
む。 意志の助動詞「む」終止形
接続は未然形
◯/◯/む/む/め/◯
かやうに ナリ活用形容動詞「かやうなり」連用形
て、 接続助詞
おぼつかなから ク活用形容詞「おぼつかなし」未然形
打消の助動詞「ず」終止形。

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