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源氏物語御法紫上の死秋待ちつけて品詞分解全訳敬語助動詞

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源氏物語御法紫上の死秋待ちつけて品詞分解全訳敬語助動詞

の2です!

中宮は、参りたまひなむとするを、今しばしは御覧ぜよとも、

聞こえまほしう思せども、さかしきやうにもあり、

内裏の御使の隙なきもわづらはしければ、

さも聞こえたまはぬに、

あなたにもえ渡りたまはねば、宮ぞ渡 りたまひける。

現代語訳

(紫の上がかつて育て、帝の許から二条院に里下がりに来ていた明石の)中宮が、(帝のいる宮中へ)参内なさろうとするのを、

紫の上は、(自分はもうまもなく死んでしまうので)

「もう少し(私を)ご覧ください」(もう少し滞在なさってくださいstay with me)

と(明石の中宮に)申し上げたいとお思いになるけれど、

僭越な(出過ぎた)ようでもあり、

(早く帝の許に帰ってくるようにと催促する宮中からの)御使いの者が

(中宮のところに)ひっきしなしにくるのも気兼ねするので、

紫の上は、中宮にそう(stay with me)と申し上げなさらないが、

あちら(=中宮がいる二条院の東の対に)にも(体力的に)参上することがおできにならないので、

(身分のより高い)中宮が、(紫の上いる西の対に)おいでになった。

 

コメント

偉い人がやってくるのは、異例の事態なんですね。

中宮ですからね。

とはいっても、紫の上は中宮の育ての親ですけどね。

品詞分解

中宮 名詞
係助詞
参り ラ行四段活用動詞「参る」連用形 謙譲語 本動詞 作者⇒帝 ~参上する
たまひ ハ行四段活用動詞「給ふ」連用形 尊敬語 補助動詞 作者⇒中宮 ~なさる
 強意の助動詞「ぬ」未然形
意志の助動詞「む」終止形
格助詞
する サ行変格活用動詞「す」連体形
を、 接続助詞
副詞
しばし 副詞
係助詞
御覧ぜよ サ行変格活用動詞「御覧ず」命令形 尊敬語 本動詞 紫の上→中宮 御覧になる
格助詞
係助詞
聞こえ 謙譲語ヤ行下二段活用動詞「きこゆ」未然形 謙譲語 本動詞 作者⇒中宮 申し上げる
まほしう 願望の助動詞「まほし」連用形「まほしく」ウ音便
思せ サ行四段活用動詞「思す」已然形 尊敬語 本動詞 作者⇒紫の上 お思いになる
ども、 接続助詞
さかしき シク活用形容詞「さかし」連体形
やう 名詞
断定の助動詞「なり」連用形
係助詞
あり、 補助動詞ラ行変格活用補助動詞「あり」連用形
内裏(うち) 名詞
格助詞
御使 接頭語+名詞 作者⇒内裏=帝
格助詞
隙なき ク活用形容詞「隙なし」連体形
係助詞
わづらはしけれ シク活用形容詞「わづらはし」已然形
接続助詞
副詞
係助詞
聞こえ ヤ行下二段活用動詞「きこゆ」連用形 謙譲語 本動詞 作者⇒中宮 申し上げる
たまは ハ行四段活用動詞「給ふ」未然形 尊敬語 補助動詞 作者⇒紫の上 ~なさる
打消 の助動詞「ず」連体形
に、 接続助詞
あなた 代名詞
格助詞
係助詞
副詞
渡り ラ行四段活用動詞「渡る」連用形
たまは 尊敬語補助動詞ハ行四段活用動詞「給ふ」未然形  尊敬語 補助動詞 作者⇒紫の上 ~なさる
打消 の助動詞「ず」連体形
ば、 接続助詞
名詞
係助詞(係り結び)
渡り ラ行四段活用動詞「渡る」連用形
たまひ ハ行四段活用動詞「給ふ」連用形  尊敬語 補助動詞 作者⇒中宮 ~なさる
ける。 過去の助動詞「けり」連体形(「ぞ」結び)

 

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