イるの文法的説明は?
⇒完了の助動詞「り」の連体形
接続はサ変の未然形・四段の已然形
ら/り/り/る/れ/れ
ここはラ行四段活用動詞「残る」の已然形「残れ」に接続しています。
完了の助動詞「り」は 『e+らりるれ』 を覚えておきましょう
残れる
Ⅰ忍びやかに/人すくなにて/分け入り給ふほどから伺われる中納言の様子は?
ひと目を避けるように少ない人数で山へ入る様子
⇒単語の対応を見極めよう。忍びやかに、人少なにて
Ⅱ惜しげに見え渡さるるにとはどのような景色か?
桜の花が散り残っている梢が、風に吹き散らされるのも惜しい景色
⇒傍線前の「花の梢、今盛りに開け、散り残れイるも、風に知らせむ」に注目し、単語の対応「惜しげに」を見極めよう。
恋しさはおくれざりけりみ吉野の山より深く思ひ入れども
かくておはし着きたれば、山のかた(方)にA堂いとをかしう建てて、我がゐどころ(居所)は、廊だつ物を、いとdかりそめに造りて住ひたるありさま(有様)、鳥の音だに、よのつね(尋常)なるはB聞こゆべうもあらぬ世界に、呉竹(くれたけ)を隔ててぞ人の家はZ見ゆる。C誰(たれ)かはかかる住まひする人のあらむと、見つつ入り給へば、聖思ひもよらず、eあさましげに思ひおどろ(驚)きたる様限りなし。D弟子どもなど立ち騒ぎ、清めし、よき御座など参りて入れたてまつ(奉)りけり。
私の唐后への恋しい想いは遅れずについてくることだ
都よりも遅れて桜が咲くみ吉野の山より深く唐后を思い込んでいるけれども
かくあってお着きになられたところ、山の方に御堂をたいそう趣深く建てて、(聖自身の)住まいは廊下らしきものを一時的に造って暮らしている様子で、鳴く鳥の声さえも、世間にありふれた声は聞こえるはずもない世界に、呉竹を隔てた向こうに聖の住居は見える。
This website uses cookies.