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十訓抄博雅の三位と鬼の笛品詞分解現代語訳敬語助動詞その3

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十訓抄博雅の三位と鬼の笛品詞分解現代語訳敬語助動詞その3です

十訓抄博雅の三位と鬼の笛品詞分解現代語訳敬語助動詞その2はこちら

助動詞は薄緑のマーカー

敬語は緑のマーカー

係り結びはオレンジのマーカーです

原文

そののち、浄蔵といふ、めでたき笛吹きありけり。召して吹か給ふに、かの三位に劣らざりければ、

帝、御感ありて

「この笛の主、朱雀門のあたりにて得たりけるこそ聞け。浄蔵、このところに行きて、吹け。」
と仰せられければ、月の夜、仰せのごとく、かれに行きて、この笛を吹きけるに、かの門の楼上に、高く大きなる音にて、
朱雀門の鬼
「なほ逸物かな。」
と褒めけるを、「かく」と奏しければ、初めて鬼の笛と知ろしめしけり。葉二と名づけて、天下第一の笛なり

現代語訳

その後、浄蔵という素晴らしい笛の名人がいた。(帝が浄蔵を)呼び出して(笛を)お吹かせになると、あの(博雅の)三位に引けを取らなかったので、帝は、(浄蔵の腕前に)感心して、

「この笛の持ち主(博雅の三位)は、朱雀門のあたりで(この笛を)手に入れたと聞いた。浄蔵、(お前は)この場所(朱雀門)に行って、吹け」

とおしゃったので、月の夜に、帝の仰せの通りに(浄蔵は)そこ(朱雀門)に行って、この笛を吹いたところ、その門(朱雀門)の楼の上から、とても大きな声で、

朱雀門の鬼
「(その笛は)やはり最高の優れ物だな」

と嘆声が聞こえてきた。(浄蔵が帝に)こういうこと(朱雀門で笛をふいたら「それは最高の笛だ」と褒められた)がございましたと申し上げたので、(帝は)はじめて(この笛が)朱雀門の鬼の笛だとお分かりになった。(この鬼の笛は)葉二(はふたつ)と呼ばれ、天下第一の笛である。

解説

浄蔵:891-964年。平安時代中期の僧。天文学や管絃などマルチな才能に恵まれていた。

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