昔恐ろしかりけることどもなどに申しなり給へるに、
花山帝は手持ち無沙汰にお思いになられたのでしょうか、(清涼殿の)殿上の間にお出ましになられて、殿上人とお遊びになって(心を慰めて)いらっしゃったときに、人々が(帝の御心を慰めようと)いろいろとお話を申し上げなさったりして、(話題が)昔の恐ろしかったことなどに及ばれてまいりましたところ、
帝 | 名詞 |
さうざうし | シク活用形容詞「さるざうし」終止形 |
と | 格助詞 |
や | 係助詞(係り結び) |
思しめし | 尊敬語本動詞サ行四段活用動詞「おぼしめす」連用形 |
けむ | 過去推量の助動詞「けむ」連体形 |
殿上 | 名詞 |
に | 格助詞 |
出で | ダ行下二段活用「出づ」連用形 |
させ | 尊敬の助動詞「さす」未然形 |
おはしまし | 尊敬語補助動詞「おはします」連用形 |
て | 接続助詞 |
遊び | バ行四段活用動詞「遊ぶ」連用形 |
おはしまし | 尊敬語補助動詞「おはします」連用形 |
ける | 過去の助動詞「けり」連体形 |
に | 接続助詞 |
人々 | 名詞 |
物語 | 名詞 |
申し | 謙譲語本動詞サ行四段活用動詞「申す」連用形 |
など | 副助詞 |
し | サ行変格活用動詞「す」連用形 |
給う | 尊敬語補助動詞ハ行四段活用動詞「給ふ」連用形「給ひ」ウ音便 |
て | 接続助詞 |
昔 | 名詞 |
恐ろしかり | シク活用形容詞「おそろし」連用形 |
ける | 過去の助動詞「けり」連体形 |
ことども | 名詞+接尾語 |
など | 副助詞 |
に | 格助詞 |
申しなり | 謙譲語本動詞ラ行四段活用動詞「申しなる」連用形 |
給へ | 尊敬語補助動詞ハ行四段活用動詞「給ふ」已然形 |
る | 完了の助動詞「り」連体形 |
に | 格助詞 |
けしきおぼゆ。まして、もの離れたると所など、いかならむ。
さあらむ所に一人いなむや。」と仰せられけるに、
花山帝は「今夜はとりわけ、気味の悪い夜であるようだ。
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