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東洋大学入試対策古文源氏物語2018年2月8日九条に、昔知れりける人

助動詞:薄緑のマーカーです
敬語:緑のマーカーです
係り結び:オレンジのマーカーです。
音便:水色マーカーです

 

東洋大学で出た本文

九条に、昔知れりける人の残りたりけるを訪らひ出でて、その宿りを占め置きて、都のうちといへど、はかばかしき人の住みたるわたりにもあらず、あやしき市女、商人のなかにて、いぶせく世の中を思ひつつ、秋にもなりゆくままに、来し方行く先、悲しきこと多かり。

豊後介といふ頼もし人も、ただ水鳥の陸にまどへる心地して、つれづれにならはありさまのたづきなきを思ふに、帰らむにもはしたなく、心幼く出で立ちけるを思ふに、従ひ来たりし者どもも、類に触れて逃げ去り、本の国に帰り散りぬ。

分析済み本文

九条に、昔知れり/ける人の残りたり/けるを訪らひ出でて、その宿りを占め置きて、都のうちといへど、はかばかしきしっかりしている住みたるわたりにもあら、あやしき市女、商人のなかにて、いぶせく心が晴れない世の中を思ひつつ、秋にもなりゆくままに、来し方行く先、悲しきこと多かり。

豊後介といふ頼もし人も、ただ水鳥陸にまどへハ行四段活用「惑ふ」已然形完了り連体心地して、つれづれにならは慣れている打消ず連体ありさまのたづきなきを思ふに、(筑紫に←前文)帰らむにもはしたなく具合が悪い、心幼く(筑紫から京都に←前文)出で立ち完了ぬ連用 なにぬぬるぬれねける過去けり連体を思ふに、従ひたり完了たり連用過去き連体者どもも、類に触れて逃げ去り、本の国に帰り散り完了ぬ終止形

 

東洋大学ではこう聞かれた

「はかばかしき」の意味は?

「まどへ」の動詞の活用の種類は?

「いぶせく」の意味は?

「ぬ」の文法的な説明は?

「かえらむにもはしたなく」の解釈は?

「に」の文法的な説明は?完了の助動詞「ぬ」

品詞分解して確かめよう

 

九条 名詞
に、 格助詞
名詞
知れ ら行四段活用動詞「知る」已然形
完了の助動詞「り」連用形
接続はサ変の未然形・四段の已然形
ら/り/り/る/れ/れ
ける 過去の助動詞「けり」連体形
接続は連用形
けら/◯/けり/ける/けれ/◯
名詞
完了の助動詞「り」連用形
残り 接続はサ変の未然形・四段の已然形
たり 完了の助動詞「たり」連用形
接続は連用形
たら/たり/たり/たる/たれ/たれ
ける 過去の助動詞「けり」連体形
接続は連用形
けら/◯/けり/ける/けれ/◯
格助詞
訪らひ出で ダ行下二段活用動詞「訪ひ出づ」連用形
て、 接続助詞
代名詞
格助詞
宿り 名詞
格助詞
占め置き カ行四段活用動詞「占め置く」連用形
て、 接続助詞
名詞
格助詞
うち 名詞
格助詞
いへ ハ行四段活用動詞「言ふ」已然形
ど、 接続助詞
はかばかしき シク活用形容詞「はかばかし」連体形
名詞
格助詞
住み マ行四段活用動詞「住む」連用形
たる 完了の助動詞「たり」連体形
接続は連用形
たら/たり/たり/たる/たれ/たれ
わたり 名詞
格助詞
係助詞
あら 補助動詞 ラ行変格活用「あり」未然形
ず、 打消の助動詞「ず」連用形
接続は未然形
[な]ず・ざら/[に]ず・ざり/ず/ぬざる/ね・ざれ/ざれ
あやしき シク活用形容詞「あやし」連体形
市女、 名詞
商人 名詞
格助詞
なか 名詞
にて、 格助詞
いぶせく ク活用形容詞「いぶせし」連用形
世の中 名詞
格助詞
思ひ ハ行四段活用動詞「思ふ」連用形
つつ、 接続助詞
名詞
格助詞
係助詞
なりゆく カ行四段活用動詞「なりゆく」連体形
まま 名詞
に、 格助詞
来し方 名詞
行く先、 名詞
悲しき 悲しき
こと 名詞
多かり。 ク活用形容詞「多し」終止形

形容詞の補助活用のうち、「多し」に限って他の形容詞にはない終止形と已然形(多かれ)も存在した。特に、中古の和文系の文章では、終止形には「多かり」のみが用いられ、「多し」は見られない。

豊後介 名詞
格助詞
いふ ハ行四段動詞「言ふ」連体形
頼もし人 名詞
も、 係助詞
ただ 副詞
水鳥 名詞
格助詞
名詞
格助詞
惑へ ハ行四段活用動詞「惑ふ」已然形
完了の助動詞「り」連体形
接続はサ変の未然形・四段の已然形
ら/り/り/る/れ/れ
心地 名詞
サ行変格活用動詞「す」連用形
て、 接続助詞
つれづれに ナリ活用形容動詞「つれづれなり」連用形
ならは ハ行四段活用動詞「ならふ」未然形
打消の助動詞「ず」連体形
接続は未然形
[な]ず・ざら/[に]ず・ざり/ず/ぬざる/ね・ざれ/ざれ
ありさま 名詞
格助詞
たづきなき ク活用形容詞「たづきなし」連体形
格助詞
思ふ ハ行四段活用動詞「思ふ」連体形
に、 接続助詞
帰ら ら行四段活用動詞「帰る」未然形
仮定婉曲の助動詞「む」連体形
格助詞
係助詞
はしたなく、 ク活用形容詞「はしたなし」連用形
心幼く ク活用形容詞「心幼し」連用形
出で立ち タ行四段活用動詞「出でたつ」連用形
完了の助動詞「ぬ」連用形
接続は連用形
な/に/ぬ/ぬる/ぬれ/ね
ける 過去の助動詞「けり」連体形
接続は連用形
けら/◯/けり/ける/けれ/◯
格助詞
思ふ ハ行四段活用動詞「思ふ」連体形
に、 格助詞
従ひ来 カ行変格活用「従ひ来」連用形
たり 完了の助動詞「たり」連用形
接続は連用形
たら/たり/たり/たる/たれ/たれ
過去の助動詞「き」連体形
接続は連用形(カ変・サ変は特別)
せ/◯/き/し/しか/◯
者ども 名詞
も、 係助詞
名詞
格助詞
触れ ラ行下二段活用動詞「触る」連用形
接続助詞
逃げ去り、 ラ行四段活用動詞「逃げ去る」連用形 中止法
名詞
格助詞
名詞
格助詞
帰り散り ラ行四段活用動詞「帰り散る」連用形
ぬ。 完了の助動詞「ぬ」終止形。
接続は連用形
な/に/ぬ/ぬる/ぬれ/ね

東洋大学で出た本文

住みつくべきやうもなきを、母おとど、明け暮れ嘆きいとほしがれば、
「何か。 この身はいとやすくはべり。人一人の御身に代へたてまつりて、 いづちもいづちもまかり失せなむに咎あるまじ。我らいみじき勢ひになりても、若君をさるものの中にはふらしたてまつりては、何心地かせまし」

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コシャリ

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