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木曽の最期品詞分解現代語訳敬語助動詞

原文

今井が行方の覚束なさに振り仰ぎ給へる内甲(かぶと)を、

三浦の石田次郎為久、追つ掛つて、よつ引いて、ひやうふつと射る。

痛手なれば、真甲を馬の頭に当てて俯し給へる処に、

石田が郎等二人落ち合うて、遂に木曽殿の首をば取つてんげり

太刀の先に貫き、高く差し上げ、大音声を挙げて

石田次郎為久
「この日頃日本国に聞こえさせ給ひつる木曽殿を、三浦の石田次郎為久が討ち奉りたるぞや」

と名乗りければ、

現代語訳

(木曽殿が)今井の行方が気がかりで振り返りなさった甲の内側を、

三浦の石田次郎為久が、追いかけて、弓を引きしぼって、ピューと射った。

重症なので、木曽殿が甲の鉢の前面を馬の頭に当ててうつぶせにおなりになるところに、

石田の郎等二人が落ち合って、遂に木曽殿の首を取ってしまった。

(石田次郎為久は)太刀の先に(木曽殿の首を)貫き、高く掲げて、大声を挙げて、

石田次郎為久
「この日頃日本国に名の聞こえなさった木曽殿を、三浦の石田次郎為久が討ち取り申したぞ」

と名乗ったので

ポイント

  • 尊敬語 緑のマーカーです。
  • 謙譲語 緑のマーカーです。いずれも石田次郎為久→木曽殿への敬意です
  • 促音便 イ音便 ウ音便 水色のマーカーです。

品詞分解

今井 名詞
格助詞
行方 名詞
格助詞
覚束なさ 名詞
格助詞
振り仰ぎ ガ行四段活用動詞「振り仰ぐ」連用形
給へ ハ行四段活用動詞「たまふ」已然形尊敬語補助動詞作者→木曽殿なさる
完了の助動詞「り」連体形
内甲(うちかぶと) 名詞
格助詞
三浦 名詞
格助詞
石田次郎為久 名詞
追つ掛つ ラ行四段活用動詞「追ひかかる」連用形「追ひかかり」の促音便
接続助詞
よつ引い カ行四段活用動詞「よく引く」連用形「よくひき」の促音便
接続助詞
ひやうふつと 副詞
射る。 ラ行上一段活用動詞「射る」終止形
痛手 名詞
なれ 断定の助動詞「なり」已然形
接続助詞
真甲 名詞
格助詞
名詞
格助詞
名詞
格助詞
当て タ行下二段活用動詞「当つ」連用形
接続助詞
俯し(うつぶし) サ行四段活用動詞「うつ伏す」連用形
給へ ハ行四段活用動詞「たまふ」已然形尊敬語補助動詞作者→木曽殿なさる
完了の助動詞「り」連体形
名詞
格助詞
石田 名詞
格助詞
郎等二人 名詞
落ち合う ハ行四段活用動詞「落ち合ふ」連用形「落ち合ひ」ウ音便
接続助詞
遂に 副詞
木曽殿 名詞
格助詞
名詞
格助詞
係助詞
取つ ラ行四段活用動詞「取る」連用形「取り」促音便
てん 完了の助動詞「つ」連用形

「て」の強勢表現

げり。 過去の助動詞「けり」終止形
太刀 名詞
格助詞
名詞
格助詞
貫き カ行四段活用動詞「貫く」連用形
高く ク活用形容詞「高し」連用形
差し上げ ガ行下二段活用動詞「差しあぐ」連用形
大音声 名詞
格助詞
挙げ ガ行下二段活用動詞「あぐ」連用形
接続助詞
「こ 代名詞
格助詞
日頃 名詞
日本国 名詞
格助詞
聞こえ ヤ行下二段活用動詞「聞こゆ」未然形
させ 尊敬の助動詞「さす」連用形

石田次郎為久→木曽殿 なさる

給ひ 尊敬語補助動詞

ハ行四段活用動詞「給ふ」連用形

石田次郎為久→木曽殿

なさる

つる 完了の助動詞「つ」連体形
木曽殿 名詞
格助詞
三浦 名詞
格助詞
石田次郎為久 名詞
格助詞
討ち タ行四段活用動詞「討つ」連用形
奉り 謙譲語補助動詞

ラ行四段活用動詞「奉る」連用形

石田次郎為久→木曽殿

~申し上げる

たる 完了の助動詞「たり」連体形
係助詞
や」 間投助詞
格助詞
名乗り ラ行四段活用動詞「名乗る」連用形
けれ 過去の助動詞「けり」已然形
接続助詞

 

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コシャリ

View Comments

  • 学習塾で八年ぶりに、教鞭をとったのですが、とても分かりやすく、感動しました。47歳になるのですが、私の大学受験の時もこんなのがあれば、随分助かったのに、、と思います。
    話が感動極まる作品内容な上に、品詞分解が とても素晴らしく、気持ちがひときわ入り込んでしまい、、頸を切られる所は、感極まり鼻水を垂らして大泣きしてしまい、問題集を涙だらけにしてしまいました。
    有難うございました。

    • そう言っていただけて光栄です!お読みいただきありがとうございます!

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