東京外大の学部授業にナワトル語はありませんが、AA研の言語研修で学べる年があり、2026年度はナワトル語が開講されました。外大生の履修方法、スペイン語から入るべき理由、入学前にできる独学ルートまで解説します。

注意点として、言語研修の開講言語は毎年変わります。2026年度の研修はすでに終わっており、来年度もナワトル語が開かれるとは限りません。興味がある人は、毎年春の募集をAA研のページでチェックしましょう。

古典ナワトル語と現代ナワトル語は分けて考える

ナワトル語を学ぶ前に、自分がどちらに興味があるのかを決めておくと、教材選びで迷いません。

  • 古典ナワトル語:アステカの時代から植民地期にかけて書かれた文献の言語です。先ほどの Andrews や Karttunen はこちら向けで、「史料を読みたい」人のための道です。
  • 現代ナワトル語:今もメキシコで話されている生きた言葉で、地域ごとに変種があります。「話者と話したい」「現地で調査したい」人はこちらです。

2026年度のAA研の研修は、この両方を扱う内容でした。

外大で目指すなら:スペイン語×ラテンアメリカが王道

ナワトル語の話されるメキシコは、スペイン語が共通語の国です。現代語の教材や現地の講座はほぼスペイン語で、古典語の史料もスペイン語の訳や注と並んで残っているものが多くあります。外大でナワトル語に近づきたいなら、スペイン語を軸にするのが自然です。

  • 言語文化学部:スペイン語を専攻し、地域はラテンアメリカを選ぶ
  • 国際社会学部:イベリア/ラテンアメリカ地域を選び、スペイン語を学ぶ

どちらの学部でも、メキシコの先住民文化や言語をテーマにした卒業研究につなげることができます。そのうえでAA研の言語研修が開かれる年を狙えば、学部の4年間で「スペイン語+ナワトル語」という珍しい組み合わせが手に入ります。学部・地域の区分や募集人員は年度で変わることがあるので、最新の募集要項で確認してみてください。

入学前からできる独学ルート

外大に入る前でも、ナワトル語への準備はできます。おすすめの順番は次のとおりです。

  1. スペイン語を始める。旧ソ連圏の言語をロシア語経由で、アフリカの言語を英語やフランス語経由で学ぶのと同じで、ナワトル語も旧宗主国の言語であるスペイン語があると格段に楽になります。現代語の教材はほぼスペイン語で、古典語もスペイン語式の綴りで書き取られています。スペイン語を終えてからでないと始められないわけではなく、並行して進めても大丈夫です。受験生なら、英語の勉強を崩さない範囲で入門書を1冊進めておくだけでも違います。(入ってからで十分ですが)
  2. 古典語が目的なら英語の教材もあります。Andrews の文法書や Karttunen の辞書をはじめ、古典ナワトル語の定番教材は英語圏に厚い蓄積があり、外大の図書館にもあります。高校生のうちは公共図書館の相互貸借で取り寄せられないか、司書さんに相談してみましょう。
  3. 現代語はオンラインレッスンも探してみる。数は少ないものの、italki などのオンラインレッスンサイトでナワトル語を教える講師が見つかることがあります。授業はスペイン語か英語で進むことが多いので、ここでも1の準備が効いてきます。

「ナワトル語に興味がある」は受験の武器になる

珍しい言語への興味は、それだけで外大との相性の良さを示す材料です。推薦入試などで志望理由書や面接がある場合は、次の三つをセットで語れると説得力が増します。

  • なぜナワトル語なのか(アステカの史料を読みたい、先住民の言語の継承に関心がある、など)
  • なぜ外大なのか(スペイン語とラテンアメリカ地域を学べること、AA研の言語研修のような機会があること)
  • すでに何を始めているか(スペイン語の学習、文献を手に取ったこと)

「興味がある」で止めず、入学後の4年間の道筋まで具体的に描けている受験生は、面接官の印象に残ります。