源氏物語夕顔宵過ぐるほど夕顔の死なにがしの院品詞分解現代語訳2はこちら

「渡殿なる宿直人起こして、 『紙燭さして参れ』と言へ」

とのたまへば、 「いかでかまからむ。暗うて」と言へば、 「あな、若々し」と、うち笑ひたまひて、手をたたきたまへば、山彦の答ふる声、いとうとまし。人え聞きつけで参らぬに、この女君、いみじくわななきまどひて、いかさまにせむと思へり。汗もしとどになりて、我かの気色なり。

現代語訳

源氏が「渡殿にいる宿直人を起こして『紙燭をつけて来い』と言え。」

とおっしゃると、(右近は)「どうして参れましょうか。暗くて(とてもいけません)というので、

「なんだ、子供っぽいな」と(源氏は)お笑いになって、手をたたきなさると、

やまびこのように反響する音が、たいそう気味が悪い。

(外の)人は誰も聞きつけることができないので、

参上しないでいると、この女君=夕顔は、

ひどくふるえあがって、わなわなとふるえあがって、

どうしたら良いかと思うほど怯えている。

汗もびっしょりになって、正気を失った様子である。

「渡殿 名詞
なる 断定の助動詞「なり」連体形
宿直人 名詞
起こし サ行四段活用動詞「起こす」連用形
て 接続助詞
『紙燭 名詞
さし サ行四段活用動詞「さす」連用形
て 接続助詞
参れ』 ラ行四段活用動詞「参る」命令形 謙譲語 本動詞 作者→源氏 (来)参上する
と 格助詞
言へ」 ハ行四段活用動詞「言ふ」命令形
と 格助詞
のたまへ ハ行四段活用動詞「のたまふ」已然形
ば 接続助詞
「いかで 副詞
か 係助詞(係結び)(反語)
まから ラ行四段活用動詞「まかる」 謙譲語 本動詞 作者→源氏 (行く)参る
む。 推量の助動詞「む」連体形(「か」結び)
暗う ク活用形容詞「暗し」連用形「暗く」ウ音便
て」 接続助詞
と 格助詞
言へ ハ行四段活用動詞「言ふ」已然形
ば 接続助詞
「あな 感動詞
若々し」 シク活用形容詞「若若し」終止形
と 格助詞
うち笑ひ ハ行四段活用動詞「うち笑ふ」連用形
たまひ ハ行四段活用動詞「たまふ」連用形 尊敬語 補助動詞 作者→源氏 ~なさる
て 接続助詞
手 名詞
を 格助詞
たたき カ行四段活用動詞「たたく」連用形
たまへ ハ行四段活用動詞「たまふ」已然形 尊敬語 補助動詞 作者→源氏 ~なさる
ば 接続助詞
山彦 名詞
の 格助詞
答ふる ハ行下二段活用動詞「答ふ」連体形
声 名詞
いと 副詞
うとまし。 シク活用形容詞「うとまし」終止形
人 名詞
は 係助詞
え 副詞
聞きつけ カ行下二段活用動詞「ききつく」連用形
で 接続助詞
参ら ラ行四段活用動詞「参る」未然形 謙譲語 本動詞 作者→源氏 参上する
ぬ 打消の助動詞「ず」連体形
に 接続助詞
こ 代名詞
の 格助詞
女君 名詞
いみじく シク活用形容詞「いみじ」連用形
わななき カ行四段活用動詞「わななく」連用形
まどひ ハ行四段活用動詞「まどふ」連用形
て 接続助詞
いかさまに ナリ活用形容動詞「いかさまなり」連用形
せ サ行変格活用動詞「す」未然形
む 意志の助動詞「む」連体形
と 格助詞
思へ ハ行四段活用動詞「思ふ」已然形
り。 完了の助動詞「り」終止形
汗 名詞
も 係助詞
しとどに ナリ活用形容動詞「しとどなり」連用形
なり ラ行四段活用動詞「なる」連用形
て 接続助詞
我 代名詞
か 係助詞
の 格助詞
気色 名詞
なり。 断定の助動詞「なり」終止形

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