今回は夏目漱石の『こころ』の第三部でテストに出そうな部分をまとめてみました。
また見つかったら更新する予定です。
一応解答例を出しておきますが、ご自身のノートで似た記述がある場合には、そちらを優先してください。
「魔法棒のために一度に化石された」という表現はどんな効果を上げている?
「魔法棒」・・・意外なことで驚いた様子を強調
「化石」・・・文字通り固まってしまった様子を強調
Kからお嬢さんに対する恋心を打ち明けられたときに、これまでのKの様子からは予想していなかったことに一瞬身体が硬直するほどの衝撃を隠せなかったということを表現している。
「相手は自分よりつよいのだ~始めたのです。」は、どんな気持ち?
Kのお嬢さんへの思いを聞いて圧倒されてしまい、もう自力ではKの(お嬢さんへの)気持ちを簡単には動かすことができないであろうと気づいたことで、恐ろしさを感じている気持ち。
「彼の平生と異なる点」は、どんな点?
ふだんなら他人の意見には影響されずに、自分の信念を貫くKが、今回は私に対して批評を求める点
「彼の保管している~眺める」は、どういうこと?
Kに対してライバル心、敵対意識を持つ私に、それを知らずに自分の気持ちや弱みなどをさらけ出してきたために、Kの状況のすべてを把握できたということ
私=先生が、お嬢さんへの気持ちを打ち明けたKに対して、Kに勝ち、お嬢さんを自分のものにするために立てた作戦を端的に表す決定打となった表現を抜き出すと?
「精神的に向上心のないものはばかだ」
「僕はばかだ。」とは、どのような気持ちから発せられたのか?
お嬢さんへの恋に進むことは、自分のこれまでの主張と矛盾することを自覚していたが、私にそれを明確に指摘されて、認めざるを得ない打ちのめされた気持ちから。
「比較的安静」だったのはなぜ?
Kを誘導して、彼の様子を観察した限りでは、これまでの生き方と照らして、Kはお嬢さんへの恋を諦めるだろうと考え、自分に有利な立場を確保することができたと思って安心したため。
覚悟・・・恋に進む覚悟、 道を進む覚悟、
「鉛のような飯を食いました。」とはどんな気持ちか?
Kやお嬢さんなど、周囲の人間を欺いていることに良心の呵責を覚え、申し訳なく思う気もち。
「倫理的な弱点」とはどういうこと?
Kの恋の苦しみには忠告をしながらも、自分はKを出し抜いて婚約を決めてしまった裏切りの負い目があること
「つい足を滑らした」とはどういうこと?
お嬢さんを自分のものにするために、Kの自分への信頼を裏切り、つけこむようなかたちで出し抜く行為をしてしまったこと。
「策略で勝っても人間としては負けた」と感じた理由は?
策略で勝った・・・Kを出し抜いて、お嬢さんとの結婚を奥さんに申し込んで承諾を得たことで、お嬢さんを巡るKとの恋の戦いには勝利した。
人間としては負けた・・・しかし、(自分が恋い慕っていた)お嬢さんと私との結婚の話を奥さんから聞いても、超然とした態度で私が裏切ったことを責めることもしないKと比べると、人間としての(器の大きさでは)敗北を認めざるを得ないため。
「もう取り返しが~ものすごく照らしました。」はどんな心の状態?
これから先、自分が死ぬまで、Kを自殺に追いやってしまったという暗い事実を背負いながら生きなければならないと感じている状態
「私」の「予期」とはどんなもの?
Kが自分の裏切りを責めるような内容の遺書をのこしたと予期した。
「平生」の読み方と意味は?
読みは「へいぜい」
意味は通常、普段など 特別でないときはいつもという意味。
Kが自殺に至った直接の原因は?
信頼していた友人である先生に裏切られ、尚且つお嬢さんへの恋という「道のためにはすべてを犠牲にするべきものだ」という自分の道からも外れた想念を持ってしまったことへの葛藤
Kの自殺とその背景にはどのようなことが考えられるか?
「精神」を重視し、「肉体」を軽視することで、他者と適切な関係を結ぶことが難しかったKは、「道のためにはすべてを犠牲にするべきものだ」という「自らの信条」を貫徹するのには「肉体」から解放されなくてはいけないと考えて自殺に至ったのではないかと考えられる。
「もし自分が先生の立場だったらKが自殺した後どういった行動を取るか?また、その行動の理由も合わせて書きなさい。」
※正解はありません。ので、よほどの危険思想でもない限り点数はもらえると予想されます。
「自分がしてしまったことへの罪悪感に耐えることは難しいため、お嬢さんと奥さんにすべてを話して詫びる。」など。