宇治拾遺絵仏師良秀品詞分解現代語訳敬語助動詞その2

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東京都府中市の大学受験プロ家庭教師『逆転合格メーカー』のコシャリです。いつも独学受験.jpにお越しいただきましてありがとうございます。

宇治拾遺絵仏師良秀品詞分解現代語訳敬語助動詞その1はこちら

助動詞:薄緑のマーカーです

敬語:緑のマーカーです

係り結び:オレンジのマーカーです。

原文

人ども
 「いかに。」 

と人言ひければ、向かひに立ちて、家の焼くるを見て、うちうなづきて、ときどき笑ひけり

絵仏師良秀
「あはれ、しつるせうとくかな。年ごろはわろく書きけるものかな。」と言ふ時に、

とぶらひに来たる者ども、

人ども
「こはいかに、かくては立ちたまへぞ。あさましきことかな。もののつきたまへか。」

と言ひければ、

絵仏師良秀
「なんでふもののつくべきぞ。年ごろ不動尊の火炎をあしく書きけるなり。今見れば、かうこそ燃えけれと、心得つるなり。これこそせうとくよ。この道を立てて世にあらには、仏だによくかきたてまつらば、百千の家もいできなん。わたうたちこそ、させる能もおはせば、ものをも惜しみたまへ。」
と言ひて、あざ笑ひてこそ立てけれ。

そののちや、良秀がよぢり不動とて、今に人々愛で合へ

現代語訳

人々が

人ども
「どうしたのですか」
というと、

良秀は自分の家の向かいに立って、自分の家が焼けるのも見て、ちょっとうなづいて、時々笑った。

絵仏師良秀
「ああ、儲けものをしたものだなあ。長年、(自分は)火焔を下手くそに描いていたものだなあ。」
というと、

火事の見舞いに来た人々は、

人ども
「(自分の家が焼けてしまったのに、儲けものをしたと言っているなんて、)

これはどうして、このように(燃える自分の家の前でただただ炎を眺めて)立っているのだ。

驚き呆れることだなあ。何かの霊が取り付いて(気がおかしく)いらっしゃるのですか」

といったので、

絵仏師良秀
「どうして物の怪がとりつくことがあろうか。

長年(私は)不動尊の火炎を下手くそに書いてきたものだ。

今見ると、(炎は)このように燃えるものだなあと、納得がいったのですよ。

これ(いままで下手くそに描いていた炎の燃え方がわかったということ)こそが儲けものですよ。

この道(仏の絵を描くという仕事)を生業にして、世に生きていくには、

(今住んでいる家や、妻子はともかく、)仏さえすばらしくお描き申し上げれば、百軒でも千軒の家でも建つにちがいありません。

あなた方の方こそ、(生業となるような)これといった才能もお持ちでないので、物惜しみもなさるのです。」

と言って、あざ笑って立っていた

その(自分の家が焼けたのに儲けものだといった)後のことであろうか、良秀のよぢり不動(火焔のよじれ方に迫力のある不動明王)といって、(良秀の描く仏の絵は)今でも人々がもてはやしているのは。

 

品詞分解

「いかに。」 副詞
格助詞
名詞
言ひ ハ行四段活用動詞「言ふ」連用形
けれ 過去の助動詞「けり」已然形
ば、 接続助詞
向かひ 名詞
格助詞
立ち タ行四段活用動詞「立つ」連用形
て、 接続助詞
名詞
格助詞
焼くる カ行下二段活用動詞「焼く」連体形
格助詞
マ行上一段活用動詞「見る」連用形
て、 接続助詞
うちうなづき 接頭語+カ行四段活用動詞「うなづく」連用形
て、 接続助詞
ときどき 名詞
笑ひ ハ行四段活用動詞「笑ふ」連用形
けり。 過去の助動詞「けり」終止形
「あはれ、 感動詞
サ行変格活用動詞「す」連用形
つる 完了の助動詞「つ」連体形
せうとく 名詞
かな。 終助詞
年ごろ 名詞
係助詞
わろく ク活用形容詞「わろし」連用形
かき カ行四段活用動詞「かく」連用形
ける 過去の助動詞「けり」連体形
もの 名詞
かな。」 終助詞
格助詞
言ふ ハ行四段活用動詞「言ふ」連体形
名詞
に、 格助詞
とぶらひ 名詞
格助詞
カ行変格活用動詞「来(く)」連用形
たる 完了の助動詞「たり」連体形
者ども、 名詞
「こ 代名詞
係助詞
いかに、 副詞
かくて 副詞
係助詞
立ち タ行四段活用動詞「立つ」連用形
たまへ 尊敬語補助動詞

ハ行四段活用動詞「給ふ」已然形

存続の助動詞「り」連体形
ぞ。 終助詞
あさましき シク活用形容詞「あさまし」連体形
こと 名詞
かな。 終助詞
もの 名詞
格助詞
つき カ行四段活用動詞「つく」連用形
たまへ 尊敬語補助動詞

ハ行四段活用動詞「給ふ」已然形

存続の助動詞「り」連体形
か。」 係助詞
格助詞
言ひ ハ行四段活用動詞「言ふ」連用形
けれ 過去の助動詞「けり」已然形
ば、 接続助詞
「なんでふ 副詞
もの 名詞
格助詞
つく カ行四段活用動詞「つく」終止形
べき 当然の助動詞「べし」連体形
ぞ。 終助詞
年ごろ 名詞
不動尊 名詞
格助詞
火炎 名詞
格助詞
あしく シク活用動詞「あし」連用形
かき カ行四段活用動詞「かく」連用形
ける 過去の助動詞「けり」連体形
なり。 断定の助動詞「なり」終止形
名詞
見れ マ行上一段活用動詞「見る」已然形
ば、 接続助詞
かう 副詞
こそ 係助詞(係り結び)
燃え ヤ行下二段活用動詞「燃ゆ」連用形
けれ 詠嘆の助動詞「けり」已然形
と、 格助詞
心得 ア行下二段活用動詞「心得(こころう)」連用形
つる 完了の助動詞「つ」連体形
なり。 断定の助動詞「なり」終止形
これ 代名詞
こそ 係助詞
せうとく 名詞
よ。 間投助詞
代名詞
格助詞
名詞
格助詞
立て タ行下二段活用動詞「立つ」連用形
接続助詞
名詞
格助詞
あら ラ行変格活用動詞「あり」未然形
婉曲の助動詞「む」連体形
格助詞
は、 係助詞
名詞
だに 副助詞
よく 副詞
かき カ行四段活用動詞「かく」連用形
たてまつら 謙譲語補助動詞

ラ行四段活用動詞「たてまつる」未然形

良秀⇒仏 ~申し上げる

ば、 接続助詞
百千 名詞
格助詞
名詞
係助詞
いでき カ行変格活用動詞「出で来(いでく)」連用形
強意の助動詞「む」未然形
ん。 推量の助動詞「む」終止形
わたうたち 代名詞
こそ、 係助詞(係り結び)
させる 連体詞
名詞
係助詞
おはせ 尊敬語本動詞

サ行変格活用動詞「おはす」未然形

良秀⇒わたうたち

打消の助動詞「ず」已然形
ば、 接続助詞
もの 名詞
格助詞
係助詞
惜しみ マ行四段活用動詞「惜しむ」連用形
たまへ。」 尊敬語補助動詞

ハ行四段活用動詞「給ふ」已然形(「こそ」結び)

格助詞
言ひ ハ行四段活用動詞「言ふ」連用形
て、 接続助詞
あざ笑ひ ハ行四段活用動詞「あざ笑ふ」連用形
接続助詞
こそ 係助詞(係り結び)
立て タ行四段活用動詞「立つ」命令形
存続の助動詞「り」連用形
けれ。 過去の助動詞「けり」已然形
代名詞
格助詞
のち 名詞
断定の助動詞「なり」連用形
や、 係助詞
良秀 名詞
格助詞
よぢり不動 名詞
格助詞
て、 接続助詞(※「とて」で格助詞とする説あり)
今に 副詞
人々 名詞
愛で合へ ハ行四段活用動詞「愛で合ふ」已然形
り。 存続の助動詞「り」終止形

 

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