方丈記麓に一つの庵あり駒澤大学入試対策古文20162月

 

駒澤大学ではこう聞かれた

(3)いはむや、深く思ひ、深く知らむ人のためには、これにしも限るべからず。の意味内容は?

山には四季折々の風情があるが、深いものの見方をする人にとっては、他にも味わい深いものがあるだろう

「いはむや」は「いうまでもなく、まして」

ラ行四段活用動詞「知る」未然形+婉曲の助動詞「む」連体形で「物事を深く知るような人」

本文

おほかた、この所に住み始めし時は、(4)あからさまと思ひしかども、今すでに五年いつとせを経たり。仮の庵も、ややふるさとと①なりて、軒に朽葉くちば深く、土居つちゐこけむせり。おのづからことの頼りに都を聞けば、この山に籠りゐ(居)て後、(5)やむごとなき人の隠れたまへるも、あまた聞ゆ。まして、その数②ならぬたぐひ、尽くしてこれを知るべからず。たびたびの炎上に滅びたる家またいくばくぞ。ただ仮の庵のみのどけくして恐れなし。ほど狭しといへども、夜ゆかあり、昼居る座あり。一身を宿すに不足なし。寄居(かむな)は小さき貝を好む。これ、こと知れるによりて③なり。みさごは荒磯にる。すなはち、人を恐るるがゆゑ④なり。我またかくのごとし。

ことを知り世を知れれば、願はず、わしらず。ただ静か⑤なるを望みとし、憂へ無きを楽しみとす。

 

駒澤大学ではこう聞かれた

(4)あからさまと思ひしかどもの意味は?

短い間だと思ったが

「あからさま」急な様子、一時的な様子を表す。

ゴロゴだと「あからさまではついちょっと」で覚えておこう

 

 

①から⑤の「なり」のうち同じ品詞はどれとどれ?

③と④(と②。実際の問題は選択肢の組み合わせのため②は入っていません)

①動詞ラ行四段活用動詞「なる」の連用形become

②断定の助動詞「なり」の未然形

③断定の助動詞「なり」の終止形

④断定の助動詞「なり」の終止形

⑤ナリ活用形容動詞「静かなり」の連体形活用語尾

(5)やむごとなき人の隠れたまへるを現代語訳すると?

高貴なお方がお亡くなりになったこと

「やむごとなし」は「やむを得ない、並々でない、高貴である、尊い」

「隠る」は「亡くなる」

「る」は完了の助動詞「り」の已然形

「たまへ」の尊敬表現を忘れないようにしよう。

 

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