年ごろ遊び慣れつる所を、あらはにこほち散らして、

立ち騒ぎて、日の入りぎは、いとすごく霧りわたりたるに、

車に乗るとて、うち見やりたれば、

人まには参りつつ、額をつき薬師仏の立ち給へを、

見捨て奉る、悲しくて、人知れうち泣かれ/ぬ

テストにでそうなところ

  • 敬語の種類を聞かれるかも

給へ

尊敬語

補助動詞

ハ行四段活用動詞「給ふ」已然形

敬意の方向:作者⇒薬師仏

ーなさる

奉る

ラ行四段活用動詞「奉る」連体形

謙譲語

補助動詞

作者⇒薬師仏

ー申し上げる

  • 作者はどんな少女だったと考えられる?

自分で作った薬師仏を残して京に上る際に、悲しみから人知れず涙を流したことから、少女らしい感傷と素直で誠実な様子が伺える。

 

※同格の「の」に注意 いろいろな「の」に線が引かれていて、

なかまはずれの「の」を選ばせられるかも

品詞分解

年ごろ 名詞

「ごろ=頃」はいくつも重なること

日頃=何日も 月頃=何月も

ここでは「何年も」

ゴロゴ371番

遊びなれ ラ行下二段活用動詞「遊びなる」連用形
つる 完了の助動詞「つ」連体形

接続は連用形
て/て/つ/つる/つれ/てよ

名詞
を、 格助詞
あらはに ナリ活用形容動詞「あらはなり」連用形

はっきり見える 丸見えだ 明白だ

隠すものがなくむき出しになっている状態

古文単語315だと233番

ゴロゴだと44番

こぼち散らし サ行四段活用動詞「こぼちちらす」連用形

「こぼつ」は壊す、破壊する

て、 接続助詞
たち騒ぎ 接頭語「たち」+ガ行四段活用動詞「騒ぐ」連用形

「たち」は強意。standingしてギャーギャー騒いでいたのではなく、

引っ越しの荷物の整理などで大わらわしていることを指している

て、 接続助詞
名詞
格助詞
入りぎは 名詞

「日の入り際」 門出の時間帯

旧暦の9月3日は新暦のほぼ9月末。

だいたい申(16-18時)の時間帯

の、 格助詞

同格

いと 副詞
すごく ク活用形「すごし」連用形

物寂しく

ゴロゴ297番

霧りわたり ラ行四段活用動詞「霧りわたる」連用形

「ーわたる」は空間的・時間的に連続・継続することをしめす接尾語

一面にーずうっとー

ーつづける

ゴロゴ552番

たる 完了の助動詞「たり」連体形

接続は連用形
たら/たり/たり/たる/たれ/たれ

に、 格助詞
名詞

旅行用の人間が引っ張る手車

格助詞
乗る ラ行四段活用動詞「乗る」終止形
格助詞
て、 接続助詞
うち見やり 接頭語「うち」ラ行四段活用動詞「みやる」連用形

「見やる」は視線を送ること。

接頭語「うち」は意味を強めたり、語調を整えるが、

ここは語調を整えていると考えられる。

たれ 完了の助動詞「たり」已然形

接続は連用形
たら/たり/たり/たる/たれ/たれ

ば、 接続助詞
人間 名詞 人のいない間
格助詞
係助詞
参り ラ行四段活用動詞「参る」連用形
つつ 接続助詞
名詞
格助詞
つき カ行四段活用動詞「つく」
過去の助動詞「き」連体形

接続は連用形(カ変・サ変は特別)
せ/◯/き/し/しか/◯

薬師仏 名詞
格助詞
立ち タ行四段活用動詞「たつ」連用形
給へ 尊敬語

補助動詞

ハ行四段活用動詞「給ふ」已然形

作者⇒薬師仏

ーなさる

ゴロゴ335番

完了の助動詞「り」連体形

接続はサ変の未然形・四段の已然形
ら/り/り/る/れ/れ

格助詞
見捨て タ行下二段活用動詞「見捨つ」連用形
奉る ラ行四段活用動詞「奉る」連体形

謙譲語

補助動詞

作者⇒薬師仏

ー申し上げる

悲しく シク活用形容詞「悲し」連用形
て、 接続助詞
名詞
知れ ラ行下二段活用動詞「知る」未然形

知られる

打消 の助動詞「ず」連用形

接続は未然形
[な]ず・ざら/[に]ず・ざり/ず/ぬざる/ね・ざれ/ざれ

うち泣か 接頭語「うち」+カ行四段活用動詞「泣く」未然形
自発の助動詞「る」連用形

接続は四段・ナ変・ラ変の未然形
れ/れ/る/るる/るれ/れよ

ぬ。 完了の助動詞「ぬ」終止形

接続は連用形
な/に/ぬ/ぬる/ぬれ/ね

東路~うち泣かれぬまでの助動詞

たる 完了の助動詞「たり」連体形

接続は連用形
たら/たり/たり/たる/たれ/たれ

けむ 過去推量の助動詞「けむ」連体形(「か」結び)

接続は連用形
◯/◯/けむ/けむ/けめ/◯

ける 過去の助動詞「けり」連体形(「いかに」結び)

接続は連用形
けら/◯/けり/ける/けれ/◯

断定の助動詞「なり」連用形

接続は体言連体形など
なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ

なる 伝聞の助動詞「なり」連体形

接続は終止形・ラ変型は連体形
◯/なり/なり/なる/なれ/◯

む。 推量の助動詞「む」連体形(「か」結び)

接続は未然形
◯/◯/む/む/め/◯

なる、 伝聞の助動詞「なり」連体形

接続は終止形・ラ変型は連体形
◯/なり/なり/なる/なれ/◯

意志の助動詞「む」終止形

接続は未然形
◯/◯/む/む/め/◯

つる 完了の助動詞「つ」連体形

接続は連用形
て/て/つ/つる/つれ/てよ

たる 完了の助動詞「たり」連体形

接続は連用形
たら/たり/たり/たる/たれ/たれ

たれ 完了の助動詞「たり」已然形

接続は連用形
たら/たり/たり/たる/たれ/たれ

過去の助動詞「き」連体形

接続は連用形(カ変・サ変は特別)
せ/◯/き/し/しか/◯

完了の助動詞「り」連体形

接続はサ変の未然形・四段の已然形
ら/り/り/る/れ/れ

打消 の助動詞「ず」連用形

接続は未然形
[な]ず・ざら/[に]ず・ざり/ず/ぬざる/ね・ざれ/ざれ

自発の助動詞「る」連用形

接続は四段・ナ変・ラ変の未然形
れ/れ/る/るる/るれ/れよ

ぬ。 完了の助動詞「ぬ」終止形

接続は連用形
な/に/ぬ/ぬる/ぬれ/ね

 

門出したる所は、めぐりなどもなくて、

かりそめの茅屋の、蔀などもなし。
簾かけ、幕など引きたり。

南ははるかに野の方見やらる。

 

品詞分解

門出し サ行変格活用動詞「門出す」連用形
たる 完了の助動詞「たり」連体形

接続は連用形
たら/たり/たり/たる/たれ/たれ

名詞
は、 係助詞
めぐり 名詞
など 副助詞
係助詞
なく ク活用形容詞「なし」連用形
て、 接続助詞
かりそめ 名詞
格助詞
茅屋 名詞
の、 格助詞
名詞
など 副助詞
係助詞
なし。 ク活用形「なし」終止形
名詞
かけ、 カ行下二段活用動詞「かく」連用形
名詞
など 副助詞
ひき カ行四段活用動詞「ひく」連用形
たり。 完了の助動詞「たり」終止形

接続は連用形
たら/たり/たり/たる/たれ/たれ

名詞
係助詞
遥かに ナリ活用形容動詞「遥かなり」連用形
名詞
格助詞
名詞
見やら ラ行四段活用動詞「見やる」未然形
る。 自発助動詞「る」終止形

接続は四段・ナ変・ラ変の未然形
れ/れ/る/るる/るれ/れよ