論語の書き下し文~為政~思い邪なし

子曰く、詩三百、一言以て之れを蔽(おお)う。
曰く、思い邪(よこしま)無し、と。

孔子がおっしゃった、『詩経』三百篇の詩は様々であるが、
もし一言で、『詩経』をカバーすることばがあるとすればそれは、
詩の作者の思うところに、邪念がないということだ。

『詩経』とは、中国最古の詩集で三百五篇ある。

民謡、宮廷音楽、祭祀の歌の三つのカテゴリーがあるが、
そのうち、風と呼ばれる民謡には、
自然をうたい、恋愛の情、人生の苦悩など偽りのない民の声が収められていた。