博雅の三位 品詞分解

不思議に思って、近寄ってみたところ、今までに見たことがない人だった。

自分(博雅の三位)も声をかけることがなく、かれ(自分と同じ直衣姿の男)も声をかけてこなかった。

このようにして、月の明るい夜には、(博雅の三位も直衣姿の男も)必ず(朱雀門に)行きあって、(笛を)吹くことが、数夜続いた。

解説

源博雅は918-980年平安時代中期の貴族で、管絃の名手。

父は醍醐天皇皇子の克明親王。従三位非参議。琵琶や和琴いに優れ、音楽にまつわるエピソードが多い。

 

直衣:男性貴族の日常服。

直衣
参考:http://dictionary.goo.ne.jp/jn/171329/meaning/m0u/

 

朱雀門:平安京大内裏南側の中央にある正門で朱雀大路に面する。

朱雀門
参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E5%AE%89%E4%BA%AC

品詞分解

博雅 名詞
格助詞
三位、 名詞
名詞
格助詞
明かかり ク活用形容詞「明かし」連用形
ける 過去の助動詞「けり」連体形
夜、 名詞
直衣 名詞
にて、 格助詞
朱雀門 名詞
格助詞
名詞
格助詞
遊び バ行四段活用動詞「遊ぶ」連用形
て、 接続助詞
夜もすがら 副詞
名詞
格助詞
吹か カ行四段活用「吹く」未然形
尊敬の助動詞「る」連用形

作者⇒博雅の三位

ける 過去の助動詞「けり」連体形
に、 格助詞
同じ シク活用形容詞「同じ」連体形
さま 名詞
に、 格助詞
直衣 名詞
カ行上一段活用「着る」連用形
たる 存続の助動詞「たり」連体形
名詞
の、 格助詞
名詞
吹き カ行四段活用「吹く」連用形
けれ 過去の助動詞「けり」已然形
ば、 接続助詞
「誰 名詞
なら 断定の助動詞「なり」未然形
む」 推量の助動詞「む」終止形
格助詞
思ふ ハ行四段活用動詞「思ふ」連体形
ほど 名詞
に、 接続助詞
代名詞
格助詞
名詞
格助詞
音、 名詞
この世 名詞
格助詞
たぐひなく ク活用形容詞「たぐひなし」連用形
めでたく ク活用形容詞「めでたし」連用形
聞こえ ヤ行下二段活用動詞「聞こゆ」連用形
けれ 過去の助動詞「けり」已然形
ば、 接続助詞
あやしく シク活用形容詞「あやし」連用形
て、 接続助詞
近寄り ラ行四段活用動詞「近寄る」連用形
接続助詞
マ行上一段活用動詞「見る」未然形
けれ 過去の助動詞「けり」已然形
ば、 接続助詞
いまだ 副詞
マ行上一段活用動詞「見る」未然形
打消しの助動詞「ず」連体形
名詞
なり 断定の助動詞「なり」連用形
けり。 過去の助動詞「けり」終止形
代名詞
係助詞
もの 名詞
格助詞
係助詞
言は ハ行四段活用動詞「言ふ」未然形
ず、 打消の助動詞「ず」連用形
かれ 代名詞
係助詞
言ふ ハ行四段活用動詞「言ふ」連体形
こと 名詞
なし。 ク活用形容詞「なし」終止形
かく 副詞
格助詞
ごとく、 比況の助動詞「ごとし」連用形
名詞
格助詞
夜ごと 名詞+接尾語
格助詞
行きあひ ハ行四段活用動詞「行きあふ」連用形
接続助詞
吹く カ行四段活用動詞「吹く」連体形
こと、 名詞
夜ごろ 名詞
格助詞
なり ラ行四段活用動詞「なる」連用形
ぬ。 完了の助動詞「ぬ」終止形

この記事を読んだ人は下の記事も読んでいます

十訓抄博雅の三位と鬼の笛品詞分解現代語訳敬語助動詞その2