論語の書き下し文~為政~政を為すに徳を以てす

子曰く、政(まつりごと)を為すに徳を以てするは、
譬えば北辰の其の所に居て、衆星の之れに共するが如し、と。

孔子がおっしゃった、政治をするに際して、道徳をもって行うと、
天下の人々の心がその為政者に帰服するということは、

たとえてみると、北極星がいつも同じ場所にいるのに、
他の多くの星が北極星を中心として、
それを仰ぎ抱くようにして運行しているようなものだ。

北極星は君主を、他の星が、臣下のものや人民を表していますね。
もちろん、わざわざ道徳をもって政治をするべきだと
言わなくてはならない政治状況だったということです。

春秋戦国時代は、周の権威が衰え、諸侯が各自富国強兵し、
主君をないがしろにする時代でもありました。

富国強兵には、金がかかります。民衆には重税が課されるわけですね。
また当然軍備の増強は戦争のために行うのですから、
戦争に次ぐ戦争で民衆はさらに疲弊します。

こうした状況を憂えた孔子は、君主の道徳性で何とか
民衆が君主を信頼する政治ができないものか考えたわけです。

参考になれば、幸いです。