『無名草子』紫式部について品詞分解現代語訳定期テスト対策

『無名草子』紫式部のこと品詞分解現代語訳助動詞定期テスト対策

『無名草子』紫式部について、清少納言と紫式部の品詞分解と現代語訳です。定期テスト対策にご利用ください。助動詞、敬語、指示語が指しているものに注意して、受験にも役立てていただけると幸いです。

『無名草子』紫式部について清少納言と紫式部の現代語訳のみはこちら

『無名草子』紫式部のこと品詞分解と現代語訳解説

薄緑色のマーカーが助動詞です。

黄色のマーカーは受験に向けて覚えておきたい=古文単語集に載っていそうな単語です。

オレンジのマーカーは係り結びです。助動詞と重なっている場合があります。

緑色のマーカーは敬語です

水色のマーカーは音便です

315は『読んでみて覚える重要古文単語315』をゴロゴは『古文単語集ゴロ565』の対応する番号を指しています

 

『無名草子』紫式部のこと本文=黒字 現代語訳=青字、品詞分解と解説

「繰り言のやうに侍れど、

くどくどと同じことを繰り返して言うようですが、

尽つきもせ、うらやましくめでたく侍るは、

いくらいっても尽きることもなく、うらやましくすばらしうございますのは(次のお話です)、

繰り言 名詞
格助詞
やうに 比況の助動詞「やうなり」の連用形
接続は連体形助詞「の」「が」
なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ
名詞「やう(様)」に断定の助動詞「なり」が付いて一語化したもの。
係助詞
侍れ 丁寧語
補助動詞
ラ行変格活用動詞「侍り」已然形
ど、 接続助詞 逆接
尽き カ行上二段活用動詞「尽く」連用形
係助詞
サ行変格活用「す」未然形
補助動詞
ず、 打消の助動詞「ず」連用形。
接続は未然形
[な]ず・ざら/[に]ず・ざり/ず/ぬざる/ねざれ/ざれ
うらやましく シク活用形容詞「うらやまし」連用形
めでたく ク活用形容詞「めでたし」連用形
素晴らしい、
侍る 丁寧語
補助動詞
ラ行変格活用動詞「侍り」連体形
は、 係助詞、

 

 

 

大斎院だいさいいんより上東門院、

大斎院(=選子内親王)から上東門院(=一条天皇中宮彰子)に、

つれづれ慰みぬ/べき物語や/候ふ。

『退屈を紛らわすことのできる物語はございますか。』

と尋ね参らせさせ給へり/けるに、

とお尋ね申し上げなさったところ、

大斎院

(だいさいいん)

名詞

選子内親王 村上天皇第十の皇女 母は中宮安子。円融院、12歳で賀茂斎院になり69歳まで5代の間斎院として神に奉仕、時の人は大斎院と呼んだ。72歳で薨(こう)ぜられた

参考 富倉徳次郎『無名草子』評解P314

より 格助詞
上東門院、 名詞

一条天皇中宮彰子

つれづれ 名詞

手持ち無沙汰なこと 退屈

慰み マ行四段活用動詞「慰む」連用形
強意の助動詞「ぬ」終止形。
接続は連用形
な/に/ぬ/ぬる/ぬれ/ね◎強意 完了※つべし、ぬべしは強意
べき 可能の助動詞「べし」連体形
接続は終止形、ラ変型は連体形
べく・べから/べく・べかり/べし/べき・べかる/べけれ/◯推量 意志 ◎可能 当然 命令 ◯適当適当で訳すなら(退屈を紛らわすのに)「ちょうどいい」(物語)
物語 名詞
係助詞 疑問 係り結び
候ふ。」 丁寧語 「あり・居り」の丁寧語
ハ行四段動詞「さぶらふ」連体形「や」の結び
大斎院→上東門院への敬意
ございます
係助詞
尋ね ナ行下二段活用動詞「尋ぬ」連用形
参らせ 謙譲語
補助動詞
サ行下二段活用動詞「参らす」未然形
話し手→上東門院=彰子への敬意
させ 尊敬の助動詞「さす」連用形
話し手⇒大斎院=選子内親王への敬意
接続は未然形
させ/させ/さす/さする/さすれ/させよ「給ふ」と合わせて二重敬語
給へ 尊敬語
補助動詞
ハ行四段活用動詞「給ふ」已然形
話し手⇒大斎院=選子内親王への敬意
「なさる」
完了の助動詞「り」連用形
接続はサ変の未然形・四段の已然形
ら/り/り/る/れ/れ
ける 過去の助動詞「けり」連体形
接続は連用形
けら/◯/けり/ける/けれ/◯
に、 接続助詞

 

 

 

紫式部を召して、

(上東門院は)紫式部をお呼びになって、

『何をか参らすべき。』と仰せられ/ければ、

(上東門院→紫式部)『何を差し上げたらよいかしら。』とおっしゃったので、

紫式部 名詞
格助詞
召し 尊敬語 「呼ぶ」の尊敬語
サ行四段活用動詞「召す」連用形
作者→上東門院=彰子への敬意
◎およびになる お招きになる お取り寄せになる 召し上がる お飲みになる お召しになる お乗りになる
て、 接続助詞
『何 代名詞
格助詞
係助詞 疑問 係り結び
参らす 謙譲語 「与ふ」の謙譲語
サ行下二段活用動詞「参らす」終止形
上東門院=彰子→大斎院への敬意
べき。』 適当の助動詞「べし」連体形
接続は終止形、ラ変型は連体形
べく・べから/べく・べかり/べし/べき・べかる/べけれ/◯
格助詞
仰せ 尊敬語 「言ふ」の尊敬語
本動詞
サ行下二段活用動詞「仰(おほ)す」未然形
話し手⇒上東門院への敬意
(「おほせらる」や「おほせたまふ」全体で)おっしゃる 二重敬語
られ 尊敬の助動詞「らる」連用形
接続は四段・ナ変・ラ変以外の未然形
られ/られ/らる/らるる/らるれ/られよ
話し手→上東門院への敬意
けれ 過去の助動詞「けり」已然形
接続は連用形
けら/◯/けり/ける/けれ/◯
ば、 接続助詞 順接 確定条件

 

 

 

めづらしきものは、何侍るべき。新しく作りて参らせ給へかし。』

(紫式部→上東門院)『珍しいものは、何かございましょうか。(いいえ、ございません。)新しく作って差し上げなさいませ。』

申しければ、

と(紫式部が上東門院に)申し上げたところ、

『めづらしき シク活用形容詞「めづらし」連体形

315-16番 すばらしい

もの 名詞
は、 係助詞 提示
代名詞
係助詞 反語
係り結び
侍る 丁寧語 「あり・居り」の丁寧語
本動詞
ラ行変格活用動詞「侍り」連体形
紫式部→上東門院=彰子への敬意
べき。 推量の助動詞「べし」連体形
接続は終止形、ラ変型は連体形
べく・べから/べく・べかり/べし/べき・べかる/べけれ/◯
「か」と係り結び◎推量 意志 可能 当然 命令 適当
新しく シク活用形容詞「新し」連用形
作り ラ行四段活用動詞「作る」連用形
接続助詞
参らせ 謙譲語
サ行下二段活用動詞「参らす」連用形
紫式部→大斎院への敬意
給へ 尊敬語
補助動詞
ハ行四段活用動詞「給ふ」已然形
作者⇒上東門院への敬意
「なさる」
かし。』 終助詞 念押し
格助詞 引用
申し 謙譲語
本動詞
言うの謙譲語
サ行四段活用動詞「申す」連用形
申し上げる
けれ 過去の助動詞「けり」已然形
接続は連用形
けら/◯/けり/ける/けれ/◯
ば、 接続助詞 順接確定条件

 

 

『作れ。』と仰せられ/ける承りて、

(上東門院が紫式部に)『(では、お前が)お作りなさい。』とおっしゃったのを(紫式部が)お受けして、

『作れ。』 ラ行四段活用動詞「作る」命令形
格助詞 引用
仰せ 尊敬語
本動詞
「言ふ」の尊敬語
話し手→上東門院=彰子への敬意おほせらるで二重敬語
おっしゃる
られ 尊敬の助動詞「らる」連用形
接続は四段・ナ変・ラ変以外の未然形
られ/られ/らる/らるる/らるれ/られよ受身 可能 自発 ◎尊敬
ける 過去の助動詞「けり」連体形
接続は連用形
けら/◯/けり/ける/けれ/◯
格助詞 対象
承り 謙譲語
本動詞「受く・聞く」の謙譲語 「承諾する」「引き受ける」の意の謙譲語
ラ行四段活用動詞「承る」連用形
お受けする お引き受け申し上げる
て、 接続助詞

『源氏』を作りたり/けるこそいみじく/めでたく侍れ。」

『源氏(物語)』を作ったことは、たいそうすばらしいことでございます。」

と言ふ人侍れば、また、

と言う人がございますところ、一方で(もう一人がいうに)は、

『源氏』 名詞
格助詞 対象
作り ラ行四段活用動詞「作る」連用形
たり 完了の助動詞「たり」連用形
接続は連用形
たら/たり/たり/たる/たれ/たれ
ける 過去の助動詞「けり」連体形
接続は連用形
けら/◯/けり/ける/けれ/◯
こそ、 係助詞 強意 係り結び
いみじく シク活用形容詞「いみじ」連用形

すばらしい ひどい とても 315-75番

めでたく ク活用形容詞「めでたし」連用形

すばらしい 315-44番

侍れ。」 丁寧語
補助動詞
ラ行変格活用動詞「侍り」已然形
係り結び 「こそ」結び
係助詞 引用
言ふ ハ行四段活用動詞「言ふ」連体形
名詞
侍れ 丁寧語
本動詞 「あり・居り」の丁寧語
ラ行変格活用動詞「侍り」已然形
作者→読み手への敬意
ば、 接続助詞 順接確定条件
また、 接続詞

 

「いまだ宮仕へもせで里に侍りける折、

「(紫式部が)まだ宮仕えもしないで実家におりました時、

「いまだ 副詞
宮仕へ 名詞
係助詞 強意
サ行変格活用「す」未然形
接続助詞 打消 接続は未然形
名詞
格助詞 場所
侍り 丁寧語
補助動詞「あり・居り」の丁寧語
ラ行変格活用動詞「侍り」連用形
話し手→聞き手への敬意
ける 過去の助動詞「けり」連体形
接続は連用形
けら/◯/けり/ける/けれ/◯
折、 名詞

かかるもの作り出でたり/けるによりて、召し出でられて、

このようなもの(=『源氏物語』)を作り出したことによって、(評判になり宮中に)お呼びよせられて、

かかる ラ行変格活用動詞「かかり」連体形
副詞「かく」+ラ変動詞「あり」からなる「かくあり」の変化した語。
もの 名詞
作り出で ダ行下二段活用動詞「作り出づ」連用形
たり 完了の助動詞「たり」連用形
接続は連用形
たら/たり/たり/たる/たれ/たれ
ける 過去の助動詞「けり」連体形
接続は連用形
けら/◯/けり/ける/けれ/◯
格助詞 原因・理由※
より ラ行四段活用動詞「よる」連用形
て、 接続助詞
召し出で 尊敬語
本動詞
ダ行下二段活用動詞「召し出づ」未然形
作者→紫式部を呼び出した偉い人への敬意お呼び出しになる お呼び寄せになる
られ 受身の助動詞「らる」連用形
接続は四段・ナ変・ラ変以外の未然形
られ/られ/らる/らるる/らるれ/られよ
て、 接続助詞

 

それゆゑ紫式部といふ名は付けたり

そ(物語の登場人物の名)のため紫式部という名をつけた、

 

それゆゑ 接続詞
紫式部 名詞
係助詞
いふ ハ行四段活用動詞「言ふ」連体形
名詞
係助詞
付け カ行下二段活用動詞「付く」連用形
たり、 完了の助動詞「たり」連用形
接続は連用形
たら/たり/たり/たる/たれ/たれ

とも申すは、いづれまこと侍ら

とも申すのは、どちらが本当なのでありましょうか。

格助詞 引用
係助詞
申す 謙譲語
本動詞 「言ふ」の謙譲語
サ行四段活用動詞「申す」連体形
作者→読み手への敬意
は、 係助詞
いづれ 代名詞
係助詞 疑問 係り結び
まこと 名詞
断定の助動詞「なり」連用形
接続は体言連体形など
なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ
接続助詞 補助動詞に続ける
侍ら 丁寧語
補助動詞
ラ行変格活用動詞「侍り」未然形
作者→読み手への敬意
む。 推量の助動詞「む」連体形
接続は未然形
◯/◯/む/む/め/◯
係助詞「か」結び
◎推量・意志・勧誘・仮定・婉曲・適当

 

 

その人の日記といふもの侍りにも、

その人(紫式部)の日記(=『紫式部日記』)というものがございましたが、

代名詞
格助詞 連体修飾用法
名詞
格助詞  連体修飾用法
日記 名詞
係助詞
いふ ハ行四段動詞「言ふ」連体形
もの 名詞
侍り 丁寧語
補助動詞
ラ行変格活用動詞「侍り」連用形
「あり・居り」の丁寧語
作者→読み手への敬意
過去の助動詞「き」連体形
接続は連用形(カ変・サ変は特別)
せ/◯/き/し/しか/◯
格助詞 場所
も、 係助詞 添加

 

参りける初めばかり、恥づかしうも、

(その紫式部の日記にも、)「(私が宮仕えに)参内したはじめの頃は、(源氏物語を書くような評判の人なので、あっても)気恥ずかしくもあり、

心にくくも、また添ひ苦しうもあらむず/らむと、

奥ゆかしくも、またつき合いにくくもあるだろうと、

おのおの思へり/けるほどに、

(他の女房たちが)各自(私=紫式部に対して)思っていたところ、

『参り 謙譲語「行く」の謙譲語
ラ行四段活用動詞「参る」連用形
紫式部→上東門院=彰子への敬意
参上する
ける 過去の助動詞「けり」連体形
接続は連用形
けら/◯/けり/ける/けれ/◯
初め 名詞
ばかり、 副助詞 範囲・程度
体言、副詞、活用語の終止形・連体形などに付く。◯範囲・程度ほど、ぐらい・限定だけ
恥づかしう シク活用形容詞「恥づかし」連用形「恥かしく」ウ音便
気後れする 気後れするほど立派だ 打ち解けられない
も、 係助詞、並列
心にくく ク活用形容詞「心にくし」連用形
心惹かれる 奥ゆかしい 上品だ
も、 係助詞、並列
また 接続詞
添ひ苦しう シク活用形容詞「添ひ苦し」連用形「添ひ苦しく」ウ音便
係助詞 並列
あら ラ行変格活用動詞「あり」未然形
むず 推量の助動詞「むず(んず)」終止形
接続は未然形
◯/◯/むず/むずる/むずれ/◯
らむ 現在推量の助動詞「らむ」終止形
接続は終止形(ラ変型は連体形)
◯/◯/らむ/らむ/らめ/◯
と、 格助詞 引用
おのおの 名詞
思へ ハ行四段活用動詞「思ふ」已然形
存続の助動詞「り」連用形
接続はサ変の未然形・四段の已然形
ら/り/り/る/れ/れ
ける 過去の助動詞「けり」連体形
接続は連用形
けら/◯/けり/ける/けれ/◯
ほど 名詞
に、 格助詞 時

 

 

いと思はずにほけづき、かたほにて、

大変意外にもぼんやりしていて、未熟者で、

一文字をだに引かさまなり/ければ、

(人前では)「一」という文字さえ書き記さない様子であったので、

いと 副詞
思はずに ナリ活用形容動詞「思はずなり」連用形

意外だ

ほけづき、 カ行四段活用動詞「ほけづく」連用形
かたほに ナリ活用形容動詞「片秀・偏なり(かたほなり)」連用形
315-232番 不完全だ 未熟だ不器量だ
て、 接続助詞
一文字 名詞
格助詞 対象
だに 副助詞 類推
引か カ行四段活用動詞「引く」未然形
打消の助動詞「ず」連体形
接続は未然形
[な]ず・ざら/[に]ず・ざり/ず/ぬ・ざる/ね・ざれ/ざれ
さま 名詞
なり 断定の助動詞「なり」連用形
接続は体言連体形など
なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ
けれ 過去の助動詞「けり」已然形
接続は連用形
けら/◯/けり/ける/けれ/◯
ば、 接続助詞 順接確定条件

 

かく思はと、友達ども思は。』などこそ見えて侍れ

こう(大変意外にもぼんやりしていて、未熟者で「一」という文字もかかないこと)とは思わなかったと、仲間の女房達はお思いになる。』などと見えております。

かく 副詞
思は ハ行四段活用動詞「思ふ」未然形
打消の助動詞「ず」連用形。
接続は未然形
[な]ず・ざら/[に]ず・ざり/ず/ぬざる/ねざれ/ざれ
と、 格助詞 引用
友達ども 名詞+接尾語
思は ハ行四段活用動詞「思ふ」未然形
る。』 尊敬の助動詞「る」終止形
接続は四段・ナ変・ラ変の未然形紫式部→友達どもへの敬意
れ/れ/る/るる/るれ/れよ
など 副助詞 引用
こそ 係助詞 強意
係り結び
見え ヤ行下二段活用動詞「見ゆ」連用形
接続助詞 補助動詞に続ける
侍れ。 丁寧語 「あり・居り」の丁寧語
補助動詞
ラ行変格活用動詞「侍り」已然形
係助詞「こそ」結び
作者→読み手への敬意

 

君の御ありさまなどをば、いみじく/めでたく思ひ聞こえながら、

主君(=藤原道長)のご様子などを、たいそうすばらしく思い申し上げながら、

つゆばかりも、かけかけしく馴ならし顔に聞こえ出でほども、いみじく、

ほんのわずかでも、好色めいて馴れ馴れしい(態度で、道長公を)お書き申し上げないのも、すばらしく、

名詞
格助詞
御ありさま 接頭語+名詞
など 副助詞 例示
をば、 連語
格助詞「を」+係助詞「は」からなる「をは」が濁音化した形。
いみじく シク活用形容詞「いみじ」連用形

すばらしい ひどい とても

315-75番

めでたく ク活用形容詞「めでたし」連用形
素晴らしい、315-44番
思ひ ハ行四段活用動詞「思ふ」連用形
聞こえ 謙譲語
補助動詞
作者→君=藤原道長への敬意
ながら、 接続助詞 並行
つゆ 副詞
下に打消の語を伴って 少しも~ない まったく~ない
下の「ぬ」とむすぶ
ばかり 副助詞 程度
体言、副詞、活用語の終止形・連体形などに付く。範囲・程度ほど、ぐらい・限定だけ
も、 係助詞、※
かけかけしく シク活用形容詞「かけかけし」連用形
馴ならし顔に ナリ活用形容動詞「馴らし顔なり」連用形
聞こえ出で 謙譲語「言ひ出づ」の謙譲語

ダ行下二段活用動詞「聞こえ出づ」未然形
作者→君=藤原道長への敬意

打消の助動詞「ず」連体形
接続は未然形
[な]ず・ざら/[に]ず・ざり/ず/ぬ・ざる/ね・ざれ/ざれ
ほど 名詞
も、 係助詞、
いみじく、 シク活用形容詞「いみじ」連用形

すばらしい ひどい とても

315-75番

 

 

また、皇太后宮の御事を、限りなくめでたく聞こゆるにつけても、

また、皇太后宮(=彰子)の御事を、この上なくすばらしくお書き申し上げるにつけても、(その中に自分が皇太后の宮に対して)

愛敬づきなつかしく候ひけるほどのことも、君の御ありさまも、なつかしくいみじくおはしましし、

愛らしく親しくお仕えした時のことも、主君(=藤原道長)のご様子も、(彼女=紫式部に対して)親しみやすくすばらしくていらっしゃった、

また、 接続詞
皇太后宮 名詞
格助詞 連体修飾用法
御事おんこと 接頭語+名詞
を、 格助詞、対象
限りなく ク活用形容詞「限りなし」連用形

この上なく 315-265番

めでたく ク活用形容詞「めでたし」連用形

すばらしい 315-44番

聞こゆる 謙譲語 「言ふ」謙譲語
本動詞
ヤ行下二段活用動詞「聞こゆ」連体形
作者→皇太后宮=上東門院=彰子への敬意
接続助詞
つけ カ行下二段活用動詞「つく」連用形
接続助詞
も、 係助詞、添加
愛敬づき カ行四段活用動詞「愛敬づく」連用形
魅力がある 愛らしさがある
なつかしく シク活用形容詞「なつかし」連用形

315-49番 親しみ深い 心惹かれる 好ましい

候ひ 謙譲語 お仕えする
ハ行四段活用動詞「候ふ」連用形
作者→皇太后宮=上東門院=彰子への敬意
ける 過去の助動詞「けり」連体形
接続は連用形
けら/◯/けり/ける/けれ/◯
ほど 名詞
格助詞
こと 名詞
も、 係助詞 添加
名詞
格助詞
御ありさま 接頭語 名詞
も、 係助詞、添加
なつかしく シク活用形容詞「なつかし」連用形

315-49番 親しみ深い 心惹かれる 好ましい

いみじく シク活用形容詞「いみじ」連用形

すばらしい ひどい とても

315-75番

おはしまし 尊敬語
補助動詞
サ行四段カ行四段活用動詞「おはします」連用形
作者→君=藤原道長への敬意
し、 過去の助動詞「き」連体形
接続は連用形(カ変・サ変は特別)
せ/◯/き/し/しか/◯

 

など聞こえ表したるも、心に似てあめる。

などとお書き表し申し上げているのも、(紫式部の内気な、控えめな)性格に似つかわしくない様子であるようだ。

 

など 副助詞 引用
体言、副詞、活用語の終止形・連体形などに付く。範囲・程度ほど、ぐらい・限定だけ
聞こえ表し 謙譲語 「言ひ表す」の謙譲語
本動詞
サ行四段活用動詞「聞こえ表す」連用形
作者→皇太后宮=上東門院=彰子や君=藤原道長への敬意
たる 存続の助動詞「たり」連体形
接続は連用形
たら/たり/たり/たる/たれ/たれ
も、 係助詞、添加
名詞
格助詞 対象
ナ行上一段活用動詞「似る」未然形
打消の助動詞「ず」連体形
接続は未然形
[な]ず・ざら/[に]ず・ざり/ず/ぬ・ざる/ね・ざれ/ざれ
名詞
断定の助動詞「なり」連用形
接続は体言連体形など
なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ
接続助詞
ラ行変格活用動詞「あり」連体形「ある」の撥音便「あん」の「ん」無表記形
読む時は「あん」
める。 推定の助動詞「めり」連体形
接続は終止形・ラ変型は連体形
◯/めり/めり/める/めれ/◯
◎推定ようにみえる ようだ 婉曲ようだ ように思われる

かつはまた、御心柄がらなる/べし。」

(しかし)一方でこれはまた、(彰子と道長の)ご性格(の表れ)でありましょう。」

 

かつ 副詞
係助詞 強調
また、 接続詞
御心柄 接頭語+名詞
なる 断定の助動詞「なり」連体形
接続は体言連体形など
なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ
◎断定 所在
べし。」 推量の助動詞「べし」終止形
接続は終止形、ラ変型は連体形
べく・べから/べく・べかり/べし/べき・べかる/べけれ/◯
◎推量 意志 可能 当然 命令 適当

参考文献

以下の文献と各種ネット記事を参照しましたが、もし誤りがありましたら、私の責任です。コメントでご指摘いただけると幸いです。

『詳説古語辞典』 三省堂

富倉徳次郎 『無名草子評解』 有精堂出版

富倉徳次郎校訂『無名草子』岩波文庫

『松浦宮物語 無名草子』新編日本古典文学全集40 小学館

『無名草子』新潮日本古典集成 新装版

『読んで見て覚える重要古文単語315三訂版』桐原書店