一ヶ月で40点あげてセンター英語で9割達成、 たとえ学校の先生からお前なんかMARCHにも受からないと言われても、 残り4ヶ月で上智大学合格に導いた『逆転合格メーカー』のコシャリです。 いつも独学受験.jpにお越しいただきましてありがとうございます。
那須の黒羽と云所に知人あれば、是より野越にかかりて、直道をゆかんとす。
那須 | 名詞 |
の | 格助詞 |
黒羽 | 名詞 |
と | 格助詞 |
いふ | ハ行四段活用動詞「いふ」連体形 |
所 | 名詞 |
に | 格助詞 |
知る | ラ行四段活用動詞「知る」連体形 |
人 | 名詞
ここの知る人は、黒羽の館代(領主がいないときの留守番役)浄坊寺図書高勝 江戸での芭蕉の俳諧の教え子。 |
あれ | ラ行変格活用動詞「あり」已然形 |
ば | 接続助詞 |
これ | 代名詞 |
より | 格助詞 |
野越え | 名詞 |
に | 格助詞 |
かかり | ラ行四段活用動詞「かかる」連用形 |
て | 接続助詞、 |
直道 | 名詞
まっすぐな道。近道のこと。 |
を | 格助詞 |
行か | カ行四段活用動詞「行く」未然形 |
ん | 意志の助動詞「む」終止形
接続は未然形 ◯/◯/む/む/め/◯ |
と | 格助詞 |
す | サ行変格活用動詞「す」終止形。 |
遥に一村を見かけて行くに、雨降日暮るる。
はるかに | ナリ活用形容動詞「はるかなり」連用形 |
一村 | 名詞 |
を | 格助詞 |
見かけ | カ行下二段活用動詞「見かく」連用形 |
て | 接続助詞 |
行く | カ行四段活用動詞「行く」連体形 |
に | 接続助詞 |
雨 | 名詞 |
降り | ラ行四段活用動詞「降る」連用形 |
日 | 名詞 |
暮るる。 | ラ行下二段活用動詞「暮る」連体形
日が暮れる。 連体形になっていますが、係り結びとは関係ありません。 室町時代から江戸時代にかけて、文末を連体形で結ぶ表現がだんだんと増えていく 狂言などでは特に多い。 井原西鶴の文にもよく出る。 |
農夫の家に一夜をかりて、明ればまた野中を行く。
農夫 | 名詞 |
の | 格助詞 |
家 | 名詞 |
に | 格助詞 |
一夜 | 名詞 |
を | 格助詞 |
かり | ラ行四段活用動詞「借る」連用形
芭蕉はわりとノリで旅していたので、予定外のハプニングは多かったよう。 曽良はしっかり者だったようで、 弟子の同行はハプニングをできるだけ防ぎたいという弟子の配慮だった。 |
て | 接続助詞、 |
明くれ | カ行下二段活用動詞「明くる」已然形 |
ば | 接続助詞 |
また | 副詞 |
野中 | 名詞 |
を | 格助詞 |
行く。 | カ行四段活用動詞「行く」終止形 |
そこに野飼いの馬あり。草刈るをのこになげきよれば、野夫といへどもさすがに情しらぬには非ず。
そこ | 代名詞 |
に | 格助詞 |
野飼ひ | 名詞 |
の | 格助詞 |
馬 | 名詞 |
あり | ラ行変格活用動詞「あり」終止形。 |
草 | 名詞 |
刈る | ラ行四段活用動詞「刈る」連体形 |
男(おのこ) | 名詞
同じ男性ですが、「をとこ」というと、結婚の対象にもなり、尊敬の意味合いがありますが、 「おのこ」はそういう対象になりません。 ここでは「草刈る野夫」なので、対象外なのです。 この記事を読んでいる男子のみんなは、 クラスのかわいいあの娘から「をとこ」と呼ぼれるように精進しましょう。 |
に | 格助詞 |
なげきよれ | ラ行四段活用動詞「なげきよる」已然形
何のために嘆きよるのでしょうか? ⇒野道を徒歩で行く苦しさを訴えて、馬を借りたかったからですね。 ここでの嘆くは切望するの意味ですね。 草刈る男のところにいって、「まじエグいから、馬貸してくんない?」と頼んだわけです。 |
ば | 接続助詞、 |
野夫 | 名詞 |
と | 格助詞 |
いへ | ハ行四段活用動詞「言ふ」已然形 |
ども | 接続助詞 |
さすがに | 副詞 |
情け | 名詞 |
知ら | ラ行四段活用動詞「知る」未然形 |
ぬ | 打消の助動詞「ず」連体形
接続は未然形 [な]ず・ざら/[に]ず・ざり/ず/ぬ・ざる/ね・ざれ/ざれ |
に | 断定の助動詞「なり」連用形
接続は体言連体形など なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ |
は | 係助詞 |
あら | ラ行変格活用動詞「あり」未然形 |
ず | 打消の助動詞「ず」終止形。
接続は未然形 [な]ずざら/[に]ずざり/ず/ぬざる/ねざれ/ざれ |
「いかがすべきや。されどもこの野は縦横にわかれて、うひうひしき旅人の道ふみたがえん、あやしう侍れば、此馬のとどまる所にて馬を返し給へ」
と、かしはべりぬ。
「いかが | 副詞 |
す | サ行変格活用動詞「す」終止形 |
べき | 適当の助動詞「べし」連体形
接続は終止形、ラ変型は連体形 べく・べから/べく・べかり/べし/べき・べかる/べけれ/◯ |
や | 終助詞。 |
されども | 接続詞 |
こ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
野 | 名詞 |
は | 係助詞 |
縦横 | 名詞 |
に | 格助詞 |
わかれ | ラ行下二段活用動詞「わかる」連用形 |
て | 接続助詞、 |
うひうひしき | シク活用形容詞「」「うひうひし」連体形 |
旅人 | 名詞 |
の | 格助詞
ここは主語。 主格の「の」ですね。 「の」の横に「は」か「が」と書いておいてください。 |
道 | 名詞 |
ふみたがへ | ハ行下二段活用動詞「ふみたがふ」未然形 |
ん | 推量の助動詞「む」終止形。
接続は未然形 ◯/◯/む/む/め/◯ 「だろう」 |
あやしう | シク活用形容詞「あやし」連用形「あやしく」のウ音便 |
侍れ | 丁寧語
補助動詞 ラ行変格活用動詞「侍り」已然形 草刈る男⇒作者への敬意 ございます |
ば | 接続助詞、 |
こ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
馬 | 名詞 |
の | 格助詞
ここも主格「が」 |
とどまる | ラ行四段活用動詞「とどまる」連体形 |
所 | 名詞 |
にて | 格助詞 |
馬 | 名詞 |
を | 格助詞 |
返し | サ行四段活用動詞「返す」連用形 |
給へ | 尊敬語
補助動詞 ハ行四段活用動詞「給ふ」命令形 草刈る男⇒作者への敬意 「~なさる」 |
と | 格助詞、 |
貸し | サ行四段活用動詞「貸す」連用形 |
侍り | 丁寧語
補助動詞 ラ行変格活用動詞「侍り」連用形 作者⇒読者への敬意 ございます |
ぬ | 完了の助動詞「ぬ」終止形。
接続は連用形 な/に/ぬ/ぬる/ぬれ/ね |
ちひさき者ふたり、馬の跡したひて走る。
ひとりは小姫にて、名をかさねといふ。
ちひさき | ク活用形容詞「ちひさし」連体形 |
者 | 名詞 |
ふたり、 | 名詞 |
馬 | 名詞 |
の | 格助詞 |
跡 | 名詞 |
したひ | ハ行四段活用動詞「したふ」連用形 |
て | 接続助詞 |
走る | ラ行四段活用動詞「走る」終止形。 |
一人 | 名詞 |
は | 係助詞 |
小姫 | 名詞 |
に | 断定の助動詞「なり」連用形
接続は体言連体形など なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ |
て | 接続助詞、 |
名 | 名詞 |
を | 格助詞 |
「かさね」 名詞 | |
と | 格助詞 |
いふ。 | ハ行四段活用動詞「いふ」終止形。 |
聞きなれぬ名のやさしかりければ、
聞きなれ | ラ行下二段活用動詞「ききなる」未然形
芭蕉は「俗中の雅」を大切にしていて、俳諧には進んで採用していた。 田舎では聞き慣れない「かさね」という娘の名前に、 「襲」に通じる雅を見出した。 |
ぬ | 打消の助動詞「ず」連体形
接続は未然形 [な]ず・ざら/[に]ず・ざり/ず/ぬ・ざる/ね・ざれ/ざれ |
名 | 名詞 |
の | 格助詞 |
やさしかり | シク活用形容詞「やさし」連用形 |
けれ | 過去の助動詞「けり」已然形
接続は連用形 けら/○/けり/ける/けれ/◯ |
ば | 接続助詞、 |
かさね | 名詞 |
と | 格助詞 |
は | 係助詞 |
八重撫子 | 名詞 |
の | 格助詞 |
名 | 名詞 |
なる | 断定の助動詞「なり」連体形
接続は体言連体形など なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ |
べし | 推量の助動詞「べし」終止形
接続は終止形、ラ変型は連体形 べく・べから/べく・べかり/べし/べき・べかる/べけれ/◯ |
曽良 | 名詞 |
やがて人里に至れば、あたひを鞍つぼに結びつけて馬を返しぬ。
やがて | 副詞 |
人里 | 名詞 |
に | 格助詞 |
至れ | ラ行四段活用動詞「至る」已然形 |
ば | 接続助詞、 |
あたひ | 名詞 |
を | 格助詞 |
鞍つぼ | 名詞 |
に | 格助詞 |
結びつけ | カ行下二段活用「結びつく」連用形 |
て | 接続助詞 |
馬 | 名詞 |
を | 格助詞 |
返し | サ行四段活用動詞「返す」連用形 |
ぬ | 完了の助動詞「ぬ」終止形。
接続は連用形 な/に/ぬ/ぬる/ぬれ/ね |
練習問題1
「野夫といへどもさすがに情しらぬには非ず。」とあるが、「野夫」のどんなとことにそれが現れている?
答え
「この野は縦横にわかれて、うひうひしき旅人の道ふみたがえん、あやしう侍れば、」
という言葉に、地理に疎く、しかも老身の旅人である作者たちに同情し、心配する気持ちが伺える。
練習問題2
「かさね」という名を聞いて、なぜ曽良は「八重撫子の名」と詠んだのか?
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