春宮(とうぐう)にいみじうたてまつり/たまへるを、

(源氏が)見たてまつり/たまひても、

(源氏は)まづ、(東宮を)恋しう思ひ出でられ/させたまふに、

忍びがたくて、(内裏に)参り/たまはむとて、

(源氏→葵上)「内裏などにもあまり久しう参り/はべらば、

いぶせさに、今日なむ初立(ういだち)しはべるを、

すこし気近きほどにて聞こえさせばや。あまりおぼつかなき御心の隔てかな」
と、恨みきこえ/たまへれば、

(女房たち)「げに、ただひとへに艶にのみあるべき御仲にもあらを、

いたう衰へたまへと言ひながら、物越にてなどあべきかは」

とて、(葵上が)臥したまへ所に、御座近う参りたれば、(源氏は)入りてものなど(葵上に)聞こえ/たまふ

 

「あべき」はよく聞かれそうですね。

若君 名詞
格助詞
御まみ 接頭語+名詞
格助詞
うつくしさ 名詞
など 副助詞
の、 格助詞、
春宮(とうぐう) 名詞
格助詞
いみじう シク活用形容詞「いみじ」連用形「いみじく」ウ音便
な行上一段活用動詞「似る」連用形
たてまつり 謙譲語補助動詞ラ行四段活用動詞「奉る」連用形
作者→東宮
たまへ 尊敬語補助動詞ハ行四段活用「たまふ」已然形
作者→若君
存続の助動詞「り」連体形
接続はサ変の未然形・四段の已然形
ら/り/り/る/れ/れ
を、 格助詞
マ行上一段活用動詞「見る」連用形
たてまつり 謙譲語補助動詞ラ行四段活用動詞「奉る」
作者→若君
たまひ 尊敬語補助動詞ハ行四段活用「たまふ」連用形
作者→源氏
接続助詞
も、 係助詞
まづ、 副詞
恋しう 恋シク活用形容詞「し」連用形「しく」ウ音便
思ひ出で ダ行下二段活用動詞「思ひ出づ」連用形
られ 自発の助動詞「らる」未然形
接続は四段・ナ変・ラ変以外の未然形
られ/られ/らる/らるる/らるれ/られよ
させ 尊敬の助動詞「さす」連用形
作者→源氏
接続は未然形
させ/させ/さす/さする/さすれ/させよ
たまふ 尊敬語補助動詞ハ行四段動詞「たまふ」連体形
作者→源氏
に、 接続助詞
忍びがたく ク活用形容詞「忍びがたし」連用形
て、 接続助詞
参り 謙譲語本動詞ラ行四段活用動詞「参る」連用形
たまは 尊敬語補助動詞ハ行四段活用「たまふ」未然形
作者→源氏
意志の助動詞「む」終止形
接続は未然形
◯/◯/む/む/め/◯
格助詞
て、 接続助詞
「内裏 名詞
など 副助詞
格助詞
係助詞
あまり 副詞
久しう シク活用形容詞「ひさし」連用形「ひさしく」ウ音便
参り 謙譲語本動詞ラ行四段活用動詞「参る」連用形
源氏→内裏
はべら 丁寧語補助動詞ラ行変格活用「侍り」未然形
源氏→葵上
打消の助動詞「ず」連体形
接続は未然形
[な]ず・ざら/[に]ず・ざり/ず/ぬ・ざる/ね・ざれ/ざれ
ば、 接続助詞
いぶせさ 名詞
に、 格助詞
今日 名詞
なむ 係助詞
初立(ういだち)ち 名詞
サ行変格活用動詞「す」連用形
はべる 丁寧語補助動詞ラ行変格活用「侍り」未然形
源氏→葵上
を、 接続助詞
すこし 副詞
名詞
近き ク活用形容詞「近し」連体形
ほど 名詞
にて 格助詞
聞こえさせ 謙譲語本動詞サ行下二段活用動詞「聞こえさす」未然形
源氏→葵上
ばや。 終助詞
あまり 副詞
おぼつかなき ク活用形容詞「おぼつかなし」連体形
御心 名詞
格助詞
隔て 名詞
かな」 終助詞
と、 格助詞、
恨み マ行上二段活用動詞「恨む」連用形
きこえ 謙譲語補助動詞 ヤ行下二段動詞「きこゆ」連用形 作者→葵上
たまへ 尊敬語補助動詞ハ行四段活用「たまふ」已然形
作者→源氏
完了の助動詞「り」已然形
接続はサ変の未然形・四段の已然形
ら/り/り/る/れ/れ
ば、 接続助詞
「げに、 副詞
ただ 副詞
ひとへに 副詞
艶に ナリ活用形容動詞「艶なり(えんなり)」
のみ 副助詞
ある ラ行変格活用動詞「あり」連体形
べき 当然の助動詞「べし」連体形
接続は終止形、ラ変型は連体形
べく・べから/べく・べかり/べし/べき・べかる/べけれ/◯
御仲 名詞
断定の助動詞「なり」連用形
接続は体言連体形など
なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ
係助詞
あら ラ行四段活用動詞「あり」未然形
打消の助動詞「ず」連体形
接続は未然形
[な]ず・ざら/[に]ず・ざり/ず/ぬ・ざる/ね・ざれ/ざれ
を、 接続助詞
いたう ク活用形容動詞「いたし」連用形「いたく」ウ音便
衰へ ハ行下二段活用動詞「衰ふ」連用形
たまへ 尊敬語補助動詞ハ行四段活用「たまふ」已然形
女房たち→葵上
完了の助動詞「り」終止形
接続はサ変の未然形・四段の已然形
ら/り/り/る/れ/れ
格助詞
言ひ ハ行四段活用動詞「言ふ」連用形
ながら、 接続助詞
物越 物越
にて 格助詞
など 副助詞
ラ行変格活用動詞「あり」連体形「ある」撥音便「あん」の「ん」無表記形
べき 当然の助動詞「べし」連体形
接続は終止形、ラ変型は連体形
べく・べから/べく・べかり/べし/べき・べかる/べけれ/◯
かは」 係助詞
とて、 格助詞
臥し サ行四段活用動詞「臥す」連用形
たまへ 尊敬語補助動詞ハ行四段活用「たまふ」已然形
作者→葵上
存続の助動詞「り」終止形
接続はサ変の未然形・四段の已然形
ら/り/り/る/れ/れ
名詞
に、 格助詞
御座 名詞
近う ク活用形容動詞「近し」連用形「近く」ウ音便
参り 謙譲語本動詞ラ行四段活用動詞「参る」連用形
作者→源氏
ここは「こしらえる」くらいの意味
たれ 完了の助動詞「たり」已然形
接続は連用形
たら/たり/たり/たる/たれ/たれ
ば、 接続助詞
入り ラ行四段活用動詞「入る」連用形
接続助詞
もの 名詞
など 副助詞
聞こえ 謙譲語本動詞ヤ行下二段活用動詞「聞こゆ」連用形
作者→葵上
たまふ。 尊敬語補助動詞ハ行四段動詞「たまふ」連体形。
作者→源氏

御いらへ、時々聞こえたまふも、なほいと弱げなり。~人びとあはれがりきこゆ。

(葵上は源氏に)御いらへ、時々聞こえ/たまふも、なほいと弱げなり。