いみじう人なれつつ、かたはらにうち臥したり。
品詞分解
いづく | 代名詞 |
より | 格助詞 |
来(き) | カ行変格活用動詞「来」連用形 |
つる | 完了の助動詞「つ」連体形 |
猫 | 名詞 |
ぞ | 係助詞終助詞 |
と | 格助詞 |
見る | マ行上一段活用動詞「見る」連体形 |
に | 接続助詞 |
姉 | 名詞 |
なる | 断定の助動詞「なり」連体形 |
人 | 名詞 |
「あなかま | 感動詞 |
人 | 名詞 |
に | 格助詞 |
聞か | カ行四段活用動詞「聞く」未然形 |
す | 使役の助動詞「す」終止形 |
な。 | 終助詞(禁止) |
いと | 副詞 |
をかしげなる | ナリ活用形容動詞「をかしげなり」連体形 |
猫 | 名詞 |
なり | 断定の助動詞「なり」終止形 |
飼は | ハ行四段活用動詞「飼ふ」未然形 |
む。」 | 意志の助動詞「む」終止形 |
と | 格助詞 |
ある | ラ行変格活用動詞「あり」連体形 |
に | 接続助詞 |
いみじう | シク活用形容詞「いみじ」連用形「いみじく」ウ音便 |
人なれ | ラ行下二段活用動詞「人なる」連用形 |
つつ | 接続助詞 |
かたはら | 名詞 |
に | 格助詞 |
うち臥し | 接頭語+サ行四段活用動詞「臥す」連用形 |
たり。 | 完了の助動詞「たり」終止形 |
尋ぬる人やあると、これを隠して飼ふに、
すべて下衆のあたりにも寄らず、つと前にのみありて、
ものも汚げなるは他ざまに顔を向けて食はず。
姉、おととの中につとまとはれて、をかしがりらうたがるほどに、
姉のなやむことあるに、ものさわがしくて、
この猫を北面にのみあらせて呼ばねば、
かしがましく鳴きののしれども、なほさるにてこそはと思ひてあるに、
品詞分解
尋ぬる | ナ行下二段活用動詞「尋ぬ」連体形 |
人 | 名詞 |
や | 係助詞(係り結び) |
ある | ラ行変格活用動詞「あり」連体形(「や」結び) |
と | 格助詞 |
これ | 代名詞 |
を | 格助詞 |
隠し | サ行四段活用動詞「隠す」連用形 |
て | 接続助詞 |
飼ふ | ハ行四段活用動詞「飼ふ」連体形 |
に | 接続助詞 |
すべて | 副詞 |
下衆 | 名詞 |
の | 格助詞 |
あたり | 名詞 |
に | 格助詞 |
も | 係助詞 |
寄ら | ラ行四段活用動詞「寄る」未然形 |
ず | 打消の助動詞「ず」連用形 |
つと | 副詞 |
前 | 名詞 |
に | 格助詞 |
のみ | 副助詞 |
あり | ラ行変格活用動詞「あり」連用形 |
て | 接続助詞 |
もの | 名詞 |
も | 係助詞 |
汚げなる | ナリ活用形容動詞「きたなげなり」連体形 |
は | 係助詞 |
他ざま | 名詞 |
に | 格助詞 |
顔 | 名詞 |
を | 格助詞 |
向け | カ行下二段活用動詞「向く」連用形 |
て | 接続助詞 |
食は | ハ行四段活用動詞「食ふ」未然形 |
ず。 | 打消の助動詞「ず」終止形 |
姉 | 名詞 |
おとと | 名詞 |
の | 格助詞 |
中 | 名詞 |
に | 格助詞 |
つと | 副詞 |
まとはれ | ラ行下二段活用動詞「まとはる」連用形 |
て | 接続助詞 |
をかしがり | ラ行四段活用動詞「をかしがる」連用形 |
らうたがる | ラ行四段活用動詞「らうたがる」連体形 |
ほど | 名詞 |
に | 格助詞 |
姉 | 名詞 |
の | 格助詞 |
なやむ | マ行四段活用動詞「なやむ」連体形 |
こと | 名詞 |
ある | ラ行変格活用動詞「あり」連体形 |
に | 接続助詞 |
ものさわがしく | 接頭語+シク活用形容詞「さわがし」連用形 |
て | 接続助詞 |
こ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
猫 | 名詞 |
を | 格助詞 |
北面 | 名詞 |
に | 格助詞 |
のみ | 副助詞 |
あら | ラ行変格活用動詞「あり」未然形 |
せ | 使役の助動詞「す」連用形 |
て | 接続助詞 |
呼ば | バ行四段活用動詞「呼ぶ」未然形 |
ね | 打消の助動詞「ず」已然形 |
ば | 接続助詞 |
かしがましく | シク活用形容詞「かしがまし」連用形 |
鳴きののしれ | ラ行四段活用動詞「鳴きののしる」已然形 |
ども | 接続助詞 |
なほ | 副詞 |
さる | ラ行変格活用動詞「さり」連体形 |
に | 断定の助動詞「なり」連用形 |
て | 接続助詞 |
こそ | 係助詞(係り結びは省略されている) |
は | 係助詞 |
と | 格助詞 |
思ひ | ハ行四段活用動詞「思ふ」連用形 |
て | 接続助詞 |
ある | ラ行変格活用動詞「あり」連体形 |
に | 接続助詞 |
わづらふ姉おどろきて、「いづら、猫は。こちゐて来。」とあるを、
「など。」と問へば、「夢にこの猫のかたはらに来て、