徒然草名利に使はれて38段品詞分解

いみじかりし賢人・聖人、

みづからいやしき位にをり、時にあはずしてやみぬる、また多し。

ひとへに高き官・位を望むも次に愚かなり。

いみじかり シク活用形容詞「いみじ」連用形
過去の助動詞「き」連体形
賢人・ 名詞
聖人 名詞
みづから 副詞
いやしき シク活用形容詞「いやし」連体形
名詞
格助詞
をり ラ行変格活用動詞「をり」連用形
名詞
格助詞
あは ハ行四段活用動詞「あふ」未然形
打消の助動詞「ず」連用形
して 接続助詞
やみ マ行四段活用動詞「やむ」連用形
ぬる 完了の助動詞「ぬ」連体形
また 副詞
多し。 ク活用形容詞「多し」終止形
ひとへに 副詞
高き ク活用形容詞「たかし」連体形
官・ 名詞
名詞
格助詞
望む マ行四段活用動詞「望む」連体形
係助詞
名詞
格助詞
愚かなり。 ナリ活用形容動詞「愚かなり」終止形。

智恵と心とこそ、世にすぐれたるほまれも残さまほしきを、

つらつら思へば、ほまれを愛するは、人の聞きを喜ぶなり。

ほむる人、そしる人、ともに世にとどまらず、伝へ聞かん人、

またまたすみやかに去るべし。

智恵 名詞
格助詞
名詞
格助詞
こそ 係助詞(係り結び)
世に 世に
すぐれ すぐれ
たる 完了の助動詞「たり」連体形
ほまれ 名詞
係助詞
残さ 残さサ行四段活用動詞「残す」未然形
まほしき 希望の助動詞「まほし」連体形(係り結びは流れている)
格助詞
つらつら 副詞
思へ ハ行四段活用動詞「思ふ」已然形
接続助詞
ほまれ 名詞
格助詞
愛する サ行変格活用動詞「「愛す」連体形
係助詞
名詞
格助詞
聞き 名詞
格助詞
喜ぶ バ行四段活用動詞「喜ぶ」連体形
なり。 断定の助動詞「なり」終止形
ほむる マ行下二段活用動詞「ほむ」連体形
名詞
そしる ラ行四段活用動詞「そしる」連体形
名詞
ともに 副詞
名詞
格助詞
とどまら ラ行四段活用動詞「とどまる」未然形
打消の助動詞「ず」連用形
伝へ聞か カ行四段活用動詞「伝へ聞く」未然形
仮定婉曲の助動詞「む」連体形
名詞
またまた 副詞
すみやかに ナリ活用形容動詞「すみやかなり」連用形
去る ラ行四段活用動詞「去る」終止形
べし。 推量の助動詞「べし」」終止形

たれをか恥ぢ、たれにか知られん事を

願はん。ほまれはまたそしりのもとなり。