東京都府中市の大学受験プロ家庭教師『逆転合格メーカー』のコシャリです。いつも独学受験.jpにお越しいただきましてありがとうございます。
助動詞:薄緑のマーカーです
敬語:緑のマーカーです
係り結び:オレンジのマーカーです。
原文
人ども
「いかに。」
と人言ひければ、向かひに立ちて、家の焼くるを見て、うちうなづきて、ときどき笑ひけり。
絵仏師良秀
「あはれ、しつるせうとくかな。年ごろはわろく書きけるものかな。」と言ふ時に、
とぶらひに来たる者ども、
人ども
「こはいかに、かくては立ちたまへるぞ。あさましきことかな。もののつきたまへるか。」
と言ひければ、
絵仏師良秀
「なんでふもののつくべきぞ。年ごろ不動尊の火炎をあしく書きけるなり。今見れば、かうこそ燃えけれと、心得つるなり。これこそせうとくよ。この道を立てて世にあらんには、仏だによくかきたてまつらば、百千の家もいできなん。わたうたちこそ、させる能もおはせねば、ものをも惜しみたまへ。」
そののちにや、良秀がよぢり不動とて、今に人々愛で合へり。
現代語訳
人々が
人ども
「どうしたのですか」
良秀は自分の家の向かいに立って、自分の家が焼けるのも見て、ちょっとうなづいて、時々笑った。
絵仏師良秀
「ああ、儲けものをしたものだなあ。長年、(自分は)火焔を下手くそに描いていたものだなあ。」