源氏物語紅葉賀品詞分解

「片手もけしうはあらずこそ見えつれ。舞のさま、手づかひなむ、

家の子は殊なる。この世に名を得たる舞の男どもも、

げにいとかしこけれど、ここしうなまめいたる筋を、えなむ見せぬ。

試みの日、かく尽くしつれば、紅葉の蔭やさうざうしくと思へど、

見せたてまつらむの心にて、用意せさせつる」など聞こえたまふ。

「片手 名詞
係助詞
けしう シク活用形容詞「けし」連用形「けしく」ウ音便
係助詞
あら ラ行変格活用動詞「あり」未然形
打消の助動詞「ず」終止形
格助詞
こそ 係助詞(係り結び)
見え ヤ行下二段活用動詞「見ゆ」連用形
つれ。 完了の助動詞「つ」已然形(「こそ」結び)
名詞
格助詞
さま 名詞
手づかひ 名詞
なむ 係助詞(係り結び)
名詞
格助詞
名詞
係助詞
殊なる。 ナリ活用形容動詞「ことなり」連体形(「なん」結び)
代名詞
格助詞
名詞
格助詞
名詞
格助詞
得(え) ア行下二段活用動詞「得」連体形
たる 完了の助動詞「たり」連体形
名詞
格助詞
男ども 名詞+接尾語
係助詞
げに 副詞
いと 副詞
かしこけれ ク活用形容詞「かしこし」已然形
接続助詞
ここしう シク活用形容詞「ここし」連用形「ここしく」ウ音便
なまめい カ行四段活用動詞「なまめく」連用形「なまめき」イ音便
たる 完了の助動詞「たり」連体形
名詞
格助詞
副詞
なむ 係助詞(係り結び)
見せ サ行下二段活用動詞「見す」未然形
ぬ。 打消の助動詞「ず」連体形。
試み 名詞
格助詞
名詞
かく 副詞
尽くし サ行四段活用動詞「尽くす」連用形
つれ 完了の助動詞「つ」已然形
接続助詞
紅葉 名詞
格助詞
名詞
さうざうしく シク活用形容詞「さうざうし」連用形
格助詞
思へ ハ行四段活用動詞「思ふ」已然形
接続助詞
見せ サ行下二段活用動詞「見す」連用形
たてまつら ラ行四段活用動詞「奉る」未然形 謙譲語 補助動詞 帝⇒藤壺 ~申し上げる
意志の助動詞「む」連体形
格助詞
名詞
にて 格助詞
用意せ サ行変格活用動詞「用意す」未然形
させ 使役の助動詞「さす」
つる」 完了の助動詞「つ」連体形
など 副助詞
聞こえ ヤ行下二段活用動詞「聞こゆ」連用形 謙譲語 本動詞 作者→藤壺 申し上げる
たまふ。 ハ行四段活用動詞「給ふ」終止形 尊敬語 補助動詞 作者→帝 ~なさる

つとめて、中将君、 「いかに御覧じけむ。

世に知らぬ乱り心地ながらこそ。