ゆく川の流れ

これをまことかと尋ぬれば、昔ありし家はまれなり。

あるいは、去年焼けて、今年作れり。

現代語訳

玉を敷き詰めたように美しい都の中で、軒を並べて、屋根の高さを競い合っている、身分の高い人の、身分の低い人の住居は、何世代も経てもなくならないものであるかのようだが、

これ(これらの家家が昔のままの状態で残っているのは)本当かと思って、調べてみると、昔のままの家は珍しい。

 

ある家は去年火事でやけて、今年新たに建てている。

品詞分解

たましき 名詞
の 格助詞
都 名詞
の 格助詞
内 名詞
に 格助詞
棟 名詞
を 格助詞
並べ バ行下二段活用動詞「並ぶ」連用形
甍 名詞
を 格助詞
争へ ハ行四段活用動詞「争ふ」已然形
る、 存続の助動詞「り」連体形
高き ク活用形容詞「高し」連体形
賤しき シク活用形容詞「賤し」連体形
人 名詞
の 格助詞
住まひ 名詞
は 係助詞
世々 名詞
を 格助詞
経(へ) ハ行下二段活用動詞「経(ふ)」連用形
て 接続助詞
尽きせ サ行変格活用動詞「尽きす」未然形
ぬ 打消 の助動詞「ず」連体形
もの 名詞
なれ 断定の助動詞「なり」已然形
ど、 接続助詞
これ 代名詞
を 格助詞
まこと 名詞
か 係助詞
と 格助詞
尋ぬれ ナ行下二段活用動詞「尋ぬ」已然形
ば、 接続助詞
昔 名詞
あり ラ行変格活用動詞「あり」連用形
し 過去の助動詞「き」連体形
家 名詞
は 係助詞
まれなり。 ナリ活用形容動詞「まれなり」終止形
あるいは、 連語
去年 名詞
焼け カ行下二段活用動詞「焼く」連用形
て、 接続助詞
今年 名詞
作れ ラ行四段活用動詞「作る」已然形
り。 存続の助動詞「り」終止形

あるいは、大家滅びて、小家となる。

住む人もこれに同じ。所も変はらず、人も多かれど、