百人一首1番歌 秋の田のかりほの庵の苫をあらみ わが衣手は露にぬれつつ

仮庵とは、収穫のために建てた仮の小屋のことで、
せっかく収穫した作物を
他人や動物に奪われることがないように、警備していました。

今ならトラクターで一気に刈り取ることもできますが、
1000年以上も前にそんな技術はなかったので、
少しづつ刈り取っては、小屋に運んでいたのでしょうね。

苫をあらみ
「苫の目が粗いので」が訳になる。
受験に必要な知識としては、

Aを~形容詞~み  Aが形容詞なので。

原因や理由を表します。
ゴロゴでは
を~ミーが形容詞なので
というフレーズで暗記するようになっていました。

しかし、10年以上前に覚えたものを今なお覚えている
ゴロの力というのはすごいものですね。

邪道という人もいますが、私自身は覚えられれば、
なおかつ点が取れればなんでもいいという主義なので、まったく気にしないですね。

もちろん私の場合は、再受験で暗記の塗り直しをしたという経験が
あるからというのもありますが、

機械的に暗記していたら、とうの昔に忘れていたことでしょう。

わが  が、は所有格の格助詞~の、の意味ですね。
が、に〇をして、近くに「の」と書いておきましょう。

衣手  和歌だけに使われる「歌語(かご)」で、衣の袖のことです。
ぬれつつ  「つつ」は反復や継続を表す接続助詞ですね。

動詞の活用は大丈夫でしょうか。

「ず」をつけると、ぬれずなので、「ず」の前がエ段で終わっていますね。

未然形がエ段で終わっていたら、
下二段活用か下一段活用、サ行変格活用の可能性があります。

 

 下二段活用 語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
 濡る るる るれ れよ

作者と歌の背景

中大兄皇子。後の天智天皇
第38代天皇で近江京で政治を行った。
在位は10年ですが、中大兄皇子時代に中臣鎌足と協力して
蘇我入鹿を退けたことは有名ですね。

626-671 称制661~667 在位668~671 乙巳の変、大化の改新
近江大津宮に遷都の後即位。庚午年籍作成 近江令制定
天智天皇を祭る近江神宮ではかるた祭り、各種かるた大会が開催されています。

『後撰集』秋中(302)

実際の作者は、天智天皇ではないというのが定説になっている。
万葉集の巻十、読み人知らずの「露を詠む」という題の9首の中の