建礼門院右京大夫集またの年の春品詞分解

ほど経て、人のもとより、「さても、このあはれ、いかばかりか。」

と言ひたれば、なべてのことのやうにおぼえて、

 

かなしともまたあはれとも世の常に言ふべきことにあらばこそあらめ

なべて 副詞
名詞
格助詞
はかなき ク活用形容詞「はかなし」連体形
こと 名詞
格助詞
悲し シク活用形容詞「かなし」終止形
格助詞
係助詞
かかる ラ行変格活用動詞「かかり」連体形
名詞
マ行上一段活用「見る」未然形
打消の助動詞「ず」連体形
名詞
係助詞(係り結び)
言ひ ハ行四段活用動詞「言ふ」連用形
けん 過去推量の助動詞「けむ」連体形(「や」結び)
ほど 名詞
経(へ) ハ行下二段活用動詞「経(ふ)」連用形
接続助詞
名詞
格助詞
もと 名詞
より 格助詞
「さても 感動詞
代名詞
格助詞
あはれ 名詞
いかばかり 副詞
か。」 係助詞
格助詞
言ひ ハ行四段活用動詞「言ふ」連用形
たれ 完了の助動詞「たり」已然形
接続助詞
なべて 副詞
格助詞
こと 名詞
格助詞
やう 名詞
断定の助動詞「なり」連用形
おぼえ ヤ行下二段活用動詞「おぼゆ」連用形
接続助詞
かなし シク活用形容詞「かなし」終止形
格助詞
係助詞
また 接尾語
あはれ ナリ活用形容動詞「あはれなり」語幹
格助詞
係助詞
名詞
格助詞
名詞
格助詞
言ふ ハ行四段活用動詞「言ふ」終止形
べき 可能の助動詞「べし」連用形
こと 名詞
断定の助動詞「なり」連用形
あら 補助動詞ラ行変格活用動詞「あり」未然形
接続助詞
こそ 係助詞(係り結び)
あら ラ行変格活用動詞「あり」未然形
推量の助動詞「む」已然形(「こそ」結び)

さても、げに、ながらふる世の習ひ心憂く、

明けぬ暮れぬとしつつ、さすがに現し心も交じり、