大鏡 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)

 一ヶ月でセンター英語で40点上げて9割とった方法

あはれに同じやうなるもののさまかなと見侍りしに、

これらうち笑ひ見かはしていふやう

「年頃昔の人に対面して、いかで世の中の見聞く事をも聞こえ合はせむ、

このただ今の入道殿下の御有様をも申し合はせばやと思ふに、

あはれに嬉しくもあひ申したるかな。

 

現代語訳

ほんとにまあ、(三人ともそろって)同じような老人たちだなあ
と(思って)見ておりましたところ、

この老人たちは、笑いながら、たがいに顔を見かわして、

(そのうちの一人=大宅の世継が)言うことには、

「年来、わたくしは昔なじみの人にお目にかかって、

何とかして世の中の(今まで)見聞きした事について、

互いに話し合い申したい、

(また)現在の入道殿下(=藤原道長公)のごようすをも

互いに話し合い申したいと思っていましたところ、

ほんとにうれしいことにも、 (このように)

お会い申したことですよ。

品詞分解

あはれに ナリ活用形容動詞「あはれなり」連用形
同じ シク活用形容詞「同じ」連体形
やう 名詞
なる 断定の助動詞「なり」連体形
もののさま 名詞
かな 終助詞
格助詞
マ行上一段活用動詞「見る」連用形
侍り 丁寧の補助動詞「侍り」連用形 丁寧語 補助動詞 作者⇒読者 ~ます
過去の助動詞「き」連体形
接続助詞、
これら 代名詞+接尾語
うち笑ひ ハ行四段活用動詞「うち笑ふ」連用形
見かはし サ行四段活用動詞「見かはす」連用形
接続助詞
いふ ハ行四段活用動詞「いふ」連体形
やう、 名詞
「年頃 名詞
名詞
格助詞
名詞
格助詞
対面し サ行変格活用動詞「対面す」連用形「たいめ」と読む
て、 接続助詞
いかで 副詞
名詞
格助詞
名詞
格助詞
見聞く カ行四段活用動詞「見聞く」連体形
名詞
格助詞
係助詞
聞こえ合はせ 謙譲語サ行下二段活用動詞「聞こえ合はす」未然形 謙譲語 本動詞 爺さんの一人=大宅世継⇒もう一人の爺さん=夏山繁樹 (言ひ合はす)互いに心の隔てなくお話し申し上げる
む、 意志の助動詞「む」終止形
代名詞
格助詞
ただ今 名詞
格助詞
入道殿下 名詞
格助詞
御有様 名詞
格助詞
係助詞
申し合はせ サ行下二段活用動詞「申し合はす」未然形 謙譲語 本動詞 爺さんの一人=大宅世継⇒もう一人の爺さん=夏山繁樹 (言ひ合はす)相談申し上げる。お話申し上げる上の「聞こえ合はす 」と同じ
ばや 希望の終助詞
格助詞
思ふ ハ行四段活用動詞「思ふ」連体形
に、 接続助詞
あはれに ナリ活用形容動詞「あはれなり」連用形
嬉しく シク活用形容詞「嬉し」連用形
係助詞
あひ ハ行四段活用動詞「あふ」連用形
申し サ行四段活用動詞「申す」連用形 謙譲語 補助動詞 翁の一人=大宅世継⇒王ひとりの翁=夏山繁樹 ~申し上げる
たる 完了の助動詞「たり」連体形
かな。 終助詞

語の解説

あはれに しみじみと感動する様子をあらわす。「あはれに~~かな」で「ほんとにまあ~~だなあ」
もののさま 全体で一語として扱う。様子。「もの」は漠然とした対象で、「もののあはれ」のものとおなじ。
いふやう 「やう」は形式名詞。いうことには
年頃 長年。ずっと前から。月ごろ、日ごろなどが類語。
昔の人 1古人2昔馴染みの人ここは2後出の「昔の人」は1
対面して お目にかかって。「たいめ」とよむ。「うりんいん」と同じで「ん」は省く
いかで 「どうして」と疑問・反語をあらわす「む・まし・ばや・がな」などが来るときは、「何とかして・ぜひ」の意味。ここは「~聞こえ合はせ」「~申し合はせばや」と呼応※「む」は連体形!
聞こえ合はせばや 「聞こゆ」は「申し上げる」という意味の謙譲語「ばや」は自己の希望をあらわす。
入道殿下 藤原道長。966-1027年。「入道」は、仏門に入った人。「殿下」は本来は皇族の敬称だが、摂政・関白にも使われるようになった。道長は実際上の関白および摂政の地位を経たので「殿下」、寛仁3年1019年に出家しているので「入道」という。
申し合はせばや 「申す」は「言ふ」の謙譲語。ここは動詞
嬉しくもあひ申したるかな 逢えてうれしい。nice to meet you!ということですね。ここの「申す」は上に動詞「あふ」があるので謙譲補助動詞「~申し上げる」

今ぞ心やすく黄泉路もまかるべき。

おぼしき事いはぬは、げにぞ腹ふくるるここちしける。

 

現代語訳

もうこれで安心して、

あの世にも行くことができそうでございます。

心に思っていることを言わないのは、

(ことわざにもあるように)ほんとうに腹がはっているような

(いやな)気持ちがするものですなあ。

品詞分解

名詞
係助詞(係り結び)
心やすく ク活用形容詞「心やすし」連用形
よみぢ 名詞
係助詞
まかる ラ行四段活用動詞「まかる」終止形 謙譲語 本動詞 大宅世継⇒夏山繁樹 (行く)参る
べき。 可能の助動詞「べし」連体形(「ぞ」結び)
おぼしき シク活用形容詞「おぼし」連体形
名詞
いは ハ行四段活用動詞「いふ」未然形
打消 の助動詞「ず」連体形
は、 係助詞
げに 副詞
係助詞(係り結び)
名詞
ふくるる ラ行下二段活用動詞「ふくる」連体形
ここち 名詞
サ行変格活用動詞「す」連用形
ける。 詠嘆の助動詞「けり」連体形(「ぞ」結び)

語の解説

よみぢ 黄泉路。あの世(冥土)へ行く道。「黄泉」は死者の国。「へ」を補って考える。
まかる 「行く」の謙譲語
おぼしきこと 「おぼし」は「こうありたいと思われる」。こうあってほしいと思うこと。
げに ほんとうに。なるほどそのほんとうに。なるほどそのとおり。前に出ている人のことばや引用文などを受けて、これを肯定する意を表わす。ここは「おぼしき事……わざなり」を肯定したもので、
このことばは、「徒然草」(29段)にもあって、当時のことわざだったようですね。
心地しける  「ける」は、そのことに気づいて詠嘆する意。「思えば~である(であった)」。「げにける」は係り結び!

コメント

誰かに話してスッキリしたい!というのと、

トイレに行って我慢していたアレをだしてスッキリしたい!

というのは同じ感覚なんですね!?

最近、教えている小学生が色気づいてきていて、

やたら好きな人の話や下の話をしてきたがりますが、

彼らの方が大宅世継の感覚に近そうですね。