大鏡雲林院の菩提講品詞分解全訳序ノ一序ノ七

大鏡 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)

 一ヶ月でセンター英語で40点上げて9割とった方法

あはれに同じやうなるもののさまかなと見侍りしに、

これらうち笑ひ見かはしていふやう

「年頃昔の人に対面して、いかで世の中の見聞く事をも聞こえ合はせむ、

このただ今の入道殿下の御有様をも申し合はせばやと思ふに、

あはれに嬉しくもあひ申したるかな。

 

現代語訳

ほんとにまあ、(三人ともそろって)同じような老人たちだなあ
と(思って)見ておりましたところ、

この老人たちは、笑いながら、たがいに顔を見かわして、

(そのうちの一人=大宅の世継が)言うことには、

「年来、わたくしは昔なじみの人にお目にかかって、

何とかして世の中の(今まで)見聞きした事について、

互いに話し合い申したい、

(また)現在の入道殿下(=藤原道長公)のごようすをも

互いに話し合い申したいと思っていましたところ、

ほんとにうれしいことにも、 (このように)

お会い申したことですよ。

品詞分解

あはれに ナリ活用形容動詞「あはれなり」連用形
同じ シク活用形容詞「同じ」連体形
やう 名詞
なる 断定の助動詞「なり」連体形
もののさま 名詞
かな 終助詞
と 格助詞
見 マ行上一段活用動詞「見る」連用形
侍り 丁寧の補助動詞「侍り」連用形 丁寧語 補助動詞 作者⇒読者 ~ます
し 過去の助動詞「き」連体形
に 接続助詞、
これら 代名詞+接尾語
うち笑ひ ハ行四段活用動詞「うち笑ふ」連用形
見かはし サ行四段活用動詞「見かはす」連用形
て 接続助詞
いふ ハ行四段活用動詞「いふ」連体形
やう、 名詞
「年頃 名詞
昔 名詞
の 格助詞
人 名詞
に 格助詞
対面し サ行変格活用動詞「対面す」連用形「たいめ」と読む
て、 接続助詞
いかで 副詞
世 名詞
の 格助詞
中 名詞
の 格助詞
見聞く カ行四段活用動詞「見聞く」連体形
事 名詞
を 格助詞
も 係助詞
聞こえ合はせ 謙譲語サ行下二段活用動詞「聞こえ合はす」未然形 謙譲語 本動詞 爺さんの一人=大宅世継⇒もう一人の爺さん=夏山繁樹 (言ひ合はす)互いに心の隔てなくお話し申し上げる
む、 意志の助動詞「む」終止形
こ 代名詞
の 格助詞
ただ今 名詞
の 格助詞
入道殿下 名詞
の 格助詞
御有様 名詞
を 格助詞
も 係助詞
申し合はせ サ行下二段活用動詞「申し合はす」未然形 謙譲語 本動詞 爺さんの一人=大宅世継⇒もう一人の爺さん=夏山繁樹 (言ひ合はす)相談申し上げる。お話申し上げる上の「聞こえ合はす 」と同じ
ばや 希望の終助詞
と 格助詞
思ふ ハ行四段活用動詞「思ふ」連体形
に、 接続助詞
あはれに ナリ活用形容動詞「あはれなり」連用形
嬉しく シク活用形容詞「嬉し」連用形
も 係助詞
あひ ハ行四段活用動詞「あふ」連用形
申し サ行四段活用動詞「申す」連用形 謙譲語 補助動詞 翁の一人=大宅世継⇒王ひとりの翁=夏山繁樹 ~申し上げる
たる 完了の助動詞「たり」連体形
かな。 終助詞

語の解説

あはれに しみじみと感動する様子をあらわす。「あはれに~~かな」で「ほんとにまあ~~だなあ」
もののさま 全体で一語として扱う。様子。「もの」は漠然とした対象で、「もののあはれ」のものとおなじ。
いふやう 「やう」は形式名詞。いうことには
年頃 長年。ずっと前から。月ごろ、日ごろなどが類語。
昔の人 1古人2昔馴染みの人ここは2後出の「昔の人」は1
対面して お目にかかって。「たいめ」とよむ。「うりんいん」と同じで「ん」は省く
いかで 「どうして」と疑問・反語をあらわす「む・まし・ばや・がな」などが来るときは、「何とかして・ぜひ」の意味。ここは「~聞こえ合はせむ」「~申し合はせばや」と呼応※「む」は連体形!
聞こえ合はせばや 「聞こゆ」は「申し上げる」という意味の謙譲語「ばや」は自己の希望をあらわす。
入道殿下 藤原道長。966-1027年。「入道」は、仏門に入った人。「殿下」は本来は皇族の敬称だが、摂政・関白にも使われるようになった。道長は実際上の関白および摂政の地位を経たので「殿下」、寛仁3年1019年に出家しているので「入道」という。
申し合はせばや 「申す」は「言ふ」の謙譲語。ここは動詞
嬉しくもあひ申したるかな 逢えてうれしい。nice to meet you!ということですね。ここの「申す」は上に動詞「あふ」があるので謙譲補助動詞「~申し上げる」

今ぞ心やすく黄泉路もまかるべき。

おぼしき事いはぬは、げにぞ腹ふくるるここちしける。

 

現代語訳

もうこれで安心して、

あの世にも行くことができそうでございます。

心に思っていることを言わないのは、

(ことわざにもあるように)ほんとうに腹がはっているような

(いやな)気持ちがするものですなあ。

品詞分解

今 名詞
ぞ 係助詞(係り結び)
心やすく ク活用形容詞「心やすし」連用形
よみぢ 名詞
も 係助詞
まかる ラ行四段活用動詞「まかる」終止形 謙譲語 本動詞 大宅世継⇒夏山繁樹 (行く)参る
べき。 可能の助動詞「べし」連体形(「ぞ」結び)
おぼしき シク活用形容詞「おぼし」連体形
事 名詞
いは ハ行四段活用動詞「いふ」未然形
ぬ 打消 の助動詞「ず」連体形
は、 係助詞
げに 副詞
ぞ 係助詞(係り結び)
腹 名詞
ふくるる ラ行下二段活用動詞「ふくる」連体形
ここち 名詞
し サ行変格活用動詞「す」連用形
ける。 詠嘆の助動詞「けり」連体形(「ぞ」結び)

語の解説

よみぢ 黄泉路。あの世(冥土)へ行く道。「黄泉」は死者の国。「へ」を補って考える。
まかる 「行く」の謙譲語
おぼしきこと 「おぼし」は「こうありたいと思われる」。こうあってほしいと思うこと。
げに ほんとうに。なるほどそのほんとうに。なるほどそのとおり。前に出ている人のことばや引用文などを受けて、これを肯定する意を表わす。ここは「おぼしき事……わざなり」を肯定したもので、
このことばは、「徒然草」(29段)にもあって、当時のことわざだったようですね。
心地しける  「ける」は、そのことに気づいて詠嘆する意。「思えば~である(であった)」。「げにぞ~ける」は係り結び!

コメント

誰かに話してスッキリしたい!というのと、

トイレに行って我慢していたアレをだしてスッキリしたい!

というのは同じ感覚なんですね!?

最近、教えている小学生が色気づいてきていて、

やたら好きな人の話や下の話をしてきたがりますが、

彼らの方が大宅世継の感覚に近そうですね。