大納言殿「いまさらに、な大殿籠りおはしましそ。」
とて、寝べきものとも思いたらぬを、うたて、
何しにさ申しつらむと思へど、また人のあらばこそは紛れも臥さめ。
品詞分解
「明け | カ行下二段活用動詞「明く」連用形 | ||||||||||||
はべり | ラ行変格活用動詞「はべり」連用形 | 丁寧語 | 補助動詞 | 作者→中宮帝?(ひとりごと) | です | ||||||||
ぬ | 完了の助動詞「ぬ」終止形 | ||||||||||||
なり。」 | 推定の助動詞「なり」終止形 | ||||||||||||
と | 格助詞 | ||||||||||||
独りごつ | タ行四段活用動詞「独りごつ」連体形 | ||||||||||||
を | 接続助詞 | ||||||||||||
大納言殿 | 名詞 | ||||||||||||
「いまさらに | ナリ活用形容動詞「いまさらなり」連用形 | ||||||||||||
な | 副詞 | ||||||||||||
大殿籠り | ラ行四段活用動詞「大殿籠る」連用形 | 尊敬語 | 本動詞 | 大納言→作者 | ~お休みになる | ||||||||
おはしまし | サ行四段活用動詞「おはします」連用形 | 尊敬語 | 補助動詞 | 大納言殿→作者 | ~なさる | ||||||||
そ。」 | 終助詞 | ||||||||||||
と | 格助詞 | ||||||||||||
て | 接続助詞 | ||||||||||||
寝 | ナ行下二段活用動詞「寝(ぬ)」終止形 | ||||||||||||
べき | 当然の助動詞「べし」連体形 | ||||||||||||
もの | 名詞 | ||||||||||||
と | 格助詞 | ||||||||||||
も | 係助詞 | ||||||||||||
思い | ハ行四段活用動詞「思ふ」連用形「思ひ」イ音便 | ||||||||||||
たら | 存続の助動詞「たり」未然形 | ||||||||||||
ぬ | 打消の助動詞「ず」連体形 | ||||||||||||
を | 格助詞 | ||||||||||||
うたて | ク活用形容詞「うたてし」語幹 | ||||||||||||
何しに | 副詞 | ||||||||||||
さ | 副詞 | ||||||||||||
申し | サ行四段活用動詞「申す」連用形 | 謙譲語 | 本動詞 | 作者→大納言殿 | 申し上げる | ||||||||
つ | 強意の助動詞「つ」終止形 | ||||||||||||
らむ | 現在推量の助動詞「らむ」連体形 | ||||||||||||
と | 格助詞 | ||||||||||||
思へ | ハ行四段活用動詞「思ふ」已然形 | ||||||||||||
ど | 接続助詞 | ||||||||||||
また人 | 名詞 | ||||||||||||
の | 格助詞 | ||||||||||||
あら | ラ行変格活用動詞「あり」未然形 | ||||||||||||
ば | 接続助詞 | ||||||||||||
こそ | 係助詞(係り結び) | ||||||||||||
は | 係助詞 | ||||||||||||
紛れ | ラ行下二段活用動詞「紛る」連用形 | ||||||||||||
も | 係助詞 | ||||||||||||
臥さ | サ行四段活用動詞「臥す」未然形 | ||||||||||||
め。 | 意志の助動詞「む」已然形(「こそ」結び) |
本文
上の御前の、柱によりかからせたまひて、少し眠らせたまふを、
「かれ、見たてまつらせたまへ。今は明けぬるに、