助動詞:薄緑のマーカーです
敬語:緑のマーカーです
係り結び:オレンジのマーカーです。
音便:水色マーカーです
いみじく心もとなく、ゆかしくおぼゆるままに、
「この『源氏の物語』、一の巻よりして、皆見せたまへ。」
と、心の内に祈る。
現代語訳
たいそうもどかしく、(源氏物語を)読みたくて仕方なかったので、
「この『源氏物語』を第一巻から全部お見せください」と心のなかで(仏様に)祈る
品詞分解
いみじく | シク活用形容詞「いみじ」連用形 |
心もとなく | ク活用形容詞「心もとなし」連用形 |
ゆかしく | シク活用形容詞「ゆかし」連用形 |
おぼゆる | ヤ行下二段活用動詞「おぼゆ」連体形 |
まま | 名詞 |
に、 | 格助詞 |
「こ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
『源氏の物語』 | 名詞 |
一の巻 | 名詞 |
より | 格助詞 |
し | サ行変格活用動詞「す」連用形 |
て、 | 接続助詞 |
皆 | 名詞 |
見せ | サ行下二段活用動詞「見す」連用形 |
たまへ。」 | 尊敬語
補助動詞 作者⇒仏様 ハ行四段活用動詞「たまふ」 |
と | 格助詞 |
心 | 名詞 |
の | 格助詞 |
内 | 名詞 |
に | 格助詞 |
祈る。 | ラ行四段活用動詞「祈る」終止形 |
親の太秦に籠りたまへるにも、異ごとなくこのことを申して、
出でむままにこの物語見果てむと思へど、見えず。
現代語訳
親が太秦(の広隆寺)に参籠なさる時にも、(ついていって)他のことは一切願わずこの(=源氏物語を読みたいという)ことを(仏様に)申し上げて、太秦(の広隆寺)から下がるとすぐにこの物語=源氏物語を全部読破しようと思ったが、源氏物語を読むことはできなかった。
コメント
読みたい本が読めない時って、本当に気持ちが募っていきますよね。
品詞分解
親 | 名詞 |
の | 格助詞 |
太秦 | 名詞 |
に | 格助詞 |
籠り | ラ行四段活用動詞「籠る」連用形 |
たまへ | 尊敬語
補助動詞 作者→親 なさる ハ行四段活用動詞「たまふ」已然形 |
る | 存続の助動詞「り」連体形 |
に | 格助詞 |
も、 | 係助詞 |
異ごと | 名詞 |
なく | ク活用形容詞「なし」連用形 |
こ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
こと | 名詞 |
を | 格助詞 |
申し | 謙譲語
本動詞 作者⇒仏様 申し上げる サ行四段活用動詞「申す」連用形 |
て | 接続助詞 |
出で | ダ行下二段活用動詞「出づ」未然形 |
む | 仮定の助動詞「む」連体形
接続は未然形 |
まま | 名詞 |
に | 格助詞 |
こ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
物語 | 名詞 |
見果て | タ行下二段活用動詞「見果つ」未然形 |
む | 意志の助動詞「む」終止形
接続は未然形 |
と | 格助詞 |
思へ | ハ行四段活用動詞「思ふ」已然形 |
ど、 | 接続助詞 |
見え | ヤ行下二段活用動詞「見ゆ」未然形 |
ず。 | 打消の助動詞「ず」終止形。 接続は未然形 [な]ず・ざら/[に]ず・ざり/ず/ぬざる/ねざれ/ざれ |