宇治拾遺物語袴垂と保昌品詞分解現代語訳敬語助動詞その1

いづこぞと思へば、摂津の前司保昌といふ人なりけり。

家の内に呼び入れて、綿厚き衣一つを賜はりて、

「衣の用あらん時は、参りて申せ。心も知らざらん人に

取り掛かりて、汝、過ちすな。」とありしこそ、

あさましく、むくつけく、恐ろしかりしか。

いづこ 名詞
終助詞
格助詞
思へ ハ行四段活用動詞「思ふ」已然形
接続助詞
摂津の前司保昌 名詞
格助詞
いふ ハ行四段活用動詞「いふ」連体形
名詞
なり 断定の助動詞「なり」連用形
けり。 過去の助動詞「けり」終止形。
名詞
格助詞
名詞
格助詞
呼び入れ ラ行下二段活用動詞「呼び入る」連用形
て、 接続助詞、
綿 名詞
厚き ク活用形容詞「厚し」連体形
名詞
一つ 名詞
格助詞
賜はり ラ行四段活用動詞「賜はる」連用形
て、 接続助詞、
「衣 名詞
格助詞
名詞
あら ラ行変格活用動詞「あり」未然形
婉曲の助動詞「む」連体形
名詞
は、 係助詞
参り ラ行四段活用動詞「参る」連用形
接続助詞
申せ。 サ行四段活用動詞「申す」命令形
名詞
係助詞
知ら ラ行四段活用動詞「知る」未然形
ざら 打消の助動詞「ず」未然形
婉曲の助動詞「む」連体形
名詞
格助詞
取り掛かり ラ行四段活用動詞「取りかかる」連用形
接続助詞
汝、 代名詞
過ち 名詞
サ行変格活用動詞「す」終止形
な。」 終助詞
格助詞
あり ラ行変格活用動詞「あり」連用形
過去の助動詞「き」連体形
こそ、 係助詞(係り結び)
あさましく、 シク活用形容詞「あさまし」連用形
むくつけく、 ク活用形容詞「むくつけし」連用形
恐ろしかり シク活用形容詞「おそろし」連用形
しか。 過去の助動詞「き」已然形(「こそ」結び)

いみじかりし人のありさまなり。