宇治拾遺物語袴垂と保昌品詞分解現代語訳敬語助動詞その1

さりとてあらんやはと思ひて、

刀を抜きて走りかかりたる時に、そのたび、笛を吹きやみて、

立ち返りて、「こは何者ぞ。」と問ふに、心も失せて、

我にもあらでつい居られぬ。

さりとて 接続詞
あら ラ行変格活用動詞「あり」未然形
推量の助動詞「む」終止形
やは 係助詞
格助詞
思ひ ハ行四段活用動詞「思ふ」連用形
接続助詞
名詞
格助詞
抜き カ行四段活用動詞「抜く」連用形
接続助詞
走りかかり ラ行四段活用動詞「走りかかる」連用形
たる 完了の助動詞「たり」連体形
名詞
格助詞
代名詞
格助詞
たび 名詞
名詞
格助詞
吹きやみ マ行四段活用動詞「吹きやむ」連用形
接続助詞
立ち返り ラ行四段活用動詞「立ち返る」連用形
接続助詞
代名詞
係助詞
何者 名詞
終助詞
格助詞
問ふ ハ行四段活用動詞「問ふ」連体形
接続助詞
名詞
係助詞
失せ サ行下二段活用動詞「失す」連用形
接続助詞
代名詞
断定の助動詞「なり」連用形
係助詞
あら 補助動詞ラ行変格活用動詞「あり」未然形
接続助詞
つい居 ワ行上一段活用動詞「つい居る」未然形
られ 自発の助動詞「らる」連用形
ぬ。 完了の助動詞「ぬ」終止形

また、「いかなる者ぞ。」と問へば、今は逃ぐとも

よも逃がさじと覚えければ、「引剥ぎにさぶらふ」と言へば、

「何者ぞ。」と問へば、「字、袴垂となん言はれさぶらふ。」

と答ふれば、

また 副詞
「いかなる ナリ活用形容動詞「いかなり」連体形
名詞
ぞ。」 終助詞。」
格助詞
問へ ハ行四段活用動詞「問ふ」已然形
接続助詞
名詞
係助詞
逃ぐ ガ行下二段活用「逃ぐ」終止形
とも 接続助詞
よも 副詞
逃がさ サ行四段活用動詞「逃がす」未然形
打消推量の助動詞「じ」終止形
格助詞
覚え ヤ行下二段活用動詞「覚ゆ」連用形
けれ 過去の助動詞「けり」已然形
接続助詞
「引剥ぎ 名詞
断定の助動詞「なり」連用形
さぶらふ」 丁寧語補助動詞ハ行四段活用動詞「さぶらふ」終止形
格助詞
言へ ハ行四段活用動詞「言ふ」已然形
接続助詞
「何者 名詞
ぞ。」 終助詞。」
格助詞
問へ ハ行四段活用動詞「問ふ」已然形
接続助詞
「字 名詞
袴垂 名詞
格助詞
なん 係助詞(係り結び)
言は ハ行四段活用動詞「言ふ」未然形
受け身の助動詞「る」連用形
さぶらふ。」 丁寧語補助動詞ハ行四段活用動詞「さぶらふ」連体形(「なん」結び)
格助詞
答ふれ ハ行下二段活用動詞「答ふ」已然形
接続助詞