大和物語姨捨156段品詞分解

「やや。」と言へど、いらへもせで逃げて、家に来て

思ひをるに、言ひ腹立てける折は、

腹立ちて、かくしつれど、年ごろ親のごと養ひつつあひ添ひ

にければ、いと悲しく覚えけり。

この山の上より、月もいと限りなく明かく出でたるを眺めて、

夜一夜、寝も寝られず、悲しうおぼえければ、かく詠みたりける。

「やや。」 感動詞
格助詞
言へ ハ行四段活用動詞「言ふ」已然形
ど、 接続助詞
いらへ 名詞
係助詞
サ行変格活用動詞「す」未然形
接続助詞
逃げ ガ行下二段活用動詞「逃ぐ」連用形
て、 接続助詞、
名詞
格助詞
カ行変格活用動詞「来」連用形
接続助詞
思ひ ハ行四段活用動詞「思ふ」連用形
をる 補助動詞ラ行変格活用動詞「をり」連体形
に、 接続助詞
言ひ腹立て タ行下二段活用動詞「言ひ腹たつ」連用形
ける 過去の助動詞「けり」連体形
名詞
は、 係助詞、
腹立ち タ行四段活用動詞「腹立つ」連用形
て、 接続助詞、
かく 副詞
サ行変格活用動詞「す」連用形
つれ 完了の助動詞「つ」已然形
ど、 接続助詞
年ごろ 名詞
名詞
格助詞
ごと 比況の助動詞「ごとし」語幹
養ひ ハ行四段活用動詞「養ふ」連用形
つつ 接続助詞
あひ添ひ ハ行四段活用動詞あひ添ふ」連用形
完了の助動詞「ぬ」連用形
けれ 過去の助動詞「けり」已然形
ば、 接続助詞、
いと 副詞
悲しく シク活用形容詞「かなし」連用形
覚え ヤ行下二段活用動詞「おぼゆ」連用形
けり。 過去の助動詞「けり」終止形。
代名詞
格助詞
名詞
格助詞
名詞
より、 格助詞、
名詞
係助詞
いと 副詞
限りなく ク活用形容詞「限りなし」連用形
明かく ク活用形容詞「明かし」連用形
出で ダ行下二段活用動詞「出づ」連用形
たる 完了の助動詞「たり」連体形
格助詞
眺め マ行下二段活用動詞「ながむ」連用形
て、 接続助詞、
夜一夜、 名詞
寝(い) 名詞
係助詞
寝(ね) ナ行下二段活用動詞「寝(ぬ)」未然形
られ 可能の助動「らる」未然形
ず、 打消の助動詞「ず」連用形
悲しう シク活用形容詞「かなし」連用形「悲しく」ウ音便
おぼえ 「ヤ行下二段活用動詞「覚ゆ」連用形
けれ 過去の助動詞「けり」已然形
ば、 接続助詞、
かく 副詞
詠み マ行四段活用動詞「詠む」連用形
たり 完了の助動詞「たり」連用形
ける。 過去の助動詞「けり」連体形。

わが心慰めかねつ更級や