論語の書き下し文~顔淵~全訳も

顔淵はそれ=仁を行うための細かい条目についてお教えくださいと言った。
孔子は、礼に外れたことを見ない、聞かない、言わない、しない(べきである)と言った。
顔淵は「回=顔淵=自分は愚かものですが、
何とかしてこの言葉(=自分に打ち克って、社会の規範に則した行動をすること)
をライフワークにしていきたいと存じます」と答えた。

 

 

司馬牛憂えて曰わく、人皆兄弟(けいてい)有り。我独り亡(な)し、と。
子夏曰わく、商之を聞く、死生命有り、富貴天に在り。
君子は敬して失うこと無く、人と恭しくして礼あらば、
四海の内、皆兄弟なり、と。
君子何ぞ兄弟無きを患(うれ)えんや、と。


司馬牛は、憂えて「世の中の人にはみんな兄弟がいます。私一人だけ兄弟がいません」と言った。

子夏は「私は先生からこう聞いています。
死ぬことも生まれることも富むことも天命によるものだ。(人力ではどうにもならない)

もし君子が敬をもって過失なく自分の身を律し、
人と交わるのに恭をもって礼に則ったならば、
天下の人は皆自分を敬愛して、皆兄弟のようになる」と言った。
君子たるものは、どうして兄弟がいないことを憂えようか。

背景
司馬牛の兄は、悪人で宋で反乱を起こそうとしたので
弟の自分も罰を受け死ぬだろうと心配していた。
おおっぴらに罪人の弟です、とは言えないので、
兄弟はいないことにしていたが、他人と比べて寂しい思いをしていた。

苦しい胸の内を聞いた兄弟子の子夏は、
自分の力で何ともできないことなど心配してもしょうがないから、
自分でできること、すなわち、礼に則した行動をしてればいいんだよ
と慰めた。

確かに、自分にできないことを心配してもしょうがないですね。

 

 

子貢政(まつりごと)を問う。
子曰わく、食を足らし、兵を足らし、民これを信にす、と。

子貢曰わく、必ず已(や)むを得ずして去らば、
斯の三者に於て何をか先にせん、と。
曰わく、兵を去らん、と。
子貢曰わく、必ず已むこと得ずして去らば、
斯の二者に於て何をか先にせん、と。
曰わく、食を去らん。古より皆死有り。
民信なくんば、立たず、と。

 

子貢が政治の重要ポイントを質問した。
孔子は、「食を満足させ、軍備を増強させ、
人民に信義を身につけさせることだ」と言った。