出でたまふ儀式の、いとことによそほしく、

御輦車など許されたまひて、

女御の御ありさまに異ならぬを、

思ひ 比ぶるに、さすがなる身のほどなり。

「 かう 副詞
まで 副助詞
立ち並び バ行四段活用動詞「立ち並ぶ」連用形
きこゆる ヤ行下二段活用動詞「聞こゆ」連体形 謙譲語 補助動詞 作者→紫の上 ~申し上げる
契り 名詞
おろかなり ナリ活用形容動詞「おろかなり」終止形
やは」 係助詞(反語)
格助詞
思ふ ハ行四段活用動詞「思ふ」連体形
ものから 接続助詞
出で ダ行下二段活用動詞「出づ」連用形
たまふ ハ行四段活用動詞「給ふ」連体形 尊敬語 補助動詞 作者→紫の上 ~ なさる
儀式 名詞
格助詞
いと 副詞
ことに 副詞
よそほしく シク活用形容詞「よそほし」連用形
御輦車 接頭語+名詞
など 副助詞
許さ サ行四段活用動詞「許す」未然形
受け身の助動詞「る」連用形
たまひ ハ行四段活用動詞「給ふ」連用形 尊敬語 補助動詞 作者→紫の上 ~なさる
接続助詞
女御 名詞
格助詞
御ありさま 接頭語+名詞
格助詞
異なら ナリ活用形容動詞「異なり」未然形
打消の助動詞「ず」連体形
格助詞
思ひ比ぶる バ行下二段活用「思ひ比ぶ」連体形
接続助詞
さすがなる ナリ活用形容動詞「さすがなり」連体形
名詞
格助詞
ほど 名詞
なり。 断定の助動詞「なり」終止形

 

いとうつくしげに、雛のやうなる御ありさまを、

夢の心地して見たてま つるにも、

涙のみとどまらぬは、一つものとぞ見えざりける。

年ごろよろづに嘆き沈み、

さまざま憂き身と思ひ屈しつる命も延べまほしう、

はればれしきにつけて、まことに住吉の神もおろかならず思ひ知らる。

いと 副詞
うつくしげに ナリ活用形容動詞「美しげなり」連用形
名詞
格助詞
やうなる 比況の助動詞「やうなり」連体形
御ありさま 接頭語+名詞
格助詞
名詞
格助詞
心地 名詞
サ行変格活用動詞「す」連用形
接続助詞
マ行上一段活用動詞「見る」連用形
たてまつる ラ行四段活用動詞「奉る」連体形 謙譲語 補助動詞 作者→明石の姫君 ~申し上げる
格助詞
係助詞
名詞
のみ 副助詞
とどまら ラ行四段活用動詞「とどまる」未然形
打消の助動詞「ず」連体形
係助詞
一つもの 名詞
格助詞
係助詞(係り結び)
見え ヤ行下二段活用動詞「見ゆ」未然形
ざり 打消の助動詞「ず」連用形
ける。 詠嘆の助動詞「けり」連体形(「ぞ」結び)
年ごろ 名詞
よろづに 副詞
嘆き沈み マ行四段活用動詞「嘆き沈む」連用形
さまざま 副詞
憂き ク活用形容詞「憂し」連体形
名詞
格助詞
思ひ屈し サ行変格活用動詞「思ひ屈す」連用形
つる 完了の助動詞「つ」連体形
名詞
係助詞
延べ バ行下二段活用「延ぶ」未然形
まほしう 願望の助動詞「まほし連用形「まほしく」ウ音便
はればれしき シク活用形容詞「はればれし」連体形
格助詞
つけ カ行下二段活用動詞「つく」連用形
接続助詞
まことに 副詞
住吉の神 名詞
係助詞
おろかなら ナリ活用形容動詞「おろかなり」未然形
打消の助動詞「ず」連用形
思ひ知ら ラ行四段活用動詞「思ひ知る」未然形
る。 自発の助動詞「る」終止形

思ふさまにかしづききこえて、心およばぬことはた、

をさをさなき人のらうらうじさなれば、おほかたの寄せ、