源氏物語御法紫上の死秋待ちつけて品詞分解全訳敬語助動詞｜ページ 3

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源氏物語御法紫上の死秋待ちつけて品詞分解全訳敬語助動詞

の3です！

かたはらいたけれど、げに見たてまつらぬもかひなしとて、

こなたに御しつらひをことにせさせたまふ。

「こよなう痩せ細りたまへれど、かくてこそ、

あてになまめかしきことの限りなさもまさりてめでたかりけれ」と、

来し方あまり匂ひ多く、あざあざとおはせし盛りは、

なかなかこの世の花の薫りにもよそへられたまひしを、

限りもなくらうたげにをかしげなる御さまにて、

いとかりそめに世を思ひたまへるけしき、

似るものなく心苦しく、すずろにもの悲し。

現代語訳

（病気でやつれていて、身の周りも整っていないので、紫の上は）

決まりが悪いけれど、なるほど（せっかくいらした中宮のお顔を）

拝見しない（お会いしない）のも、つまらないので

（紫の上のいる西の対の部屋に中宮の）御座所を特別に

おつくりさせなさる。

（中宮の視点になります）

「紫の上はすっかりやせ細っていらっしゃるけれど、

かえってこの（痩せた状態の）方が上品で優雅なことこの上ない

ことが普段より一段と優って素晴らしい」と

これまであまりに香り立つほどの美しい色香があふれ、

はっきりとしたなはなやかさでいらっしゃった

（紫の上の）女盛りのころは、

かえってこの世にさく花のつややかな美しさにも

たとえられなさったが、

（病気でやせ細ってしまった今では何にもたとえようもなく）

この上なく愛らしく美しいご様子で、

（あとしばらくしか生きることができないと、残りのお命を考え）

本当に一時的（で永遠には続かないはかないもの）

だとこの世をお思いになっている（紫の上の）様子は、

（中宮には）たとえようもなくおいたわしく、

むやみやたらにもの悲しく感じられる。

この時代の美人は、、ふっくら美人でしたよね。

heianbijin

きっと痩せて現代的な美人になったに違いありません。

こんな感じでしょうか。全然病気な感じしませんけど。

bijin

品詞分解

かたはらいたけれ	ク活用形容詞「かたはらいたし」已然形
ど	接続助詞
げに	副詞
見	マ行上一段活用動詞「見る」連用形
たてまつら	ラ行四段活用動詞「奉る」未然形	謙譲語	補助動詞	作者⇒中宮	～申し上げる
ぬ	打消の助動詞「ず」連体形
も	係助詞
かひなし	ク活用形容詞「かひなし」終止形
とて、	格助詞
こなた	代名詞
に	格助詞
御しつらひ	接頭語+名詞			作者⇒中宮
を	格助詞
ことに	副詞
せ	サ行変格活用動詞「す」未然形
させ	使役の助動詞「さす」連用形
たまふ。	ハ行四段活用動詞「給ふ」終止形	尊敬語	補助動詞	作者⇒紫の上	～なさる
「こよなう	ク活用形容詞「こよなし」連用形「こよなく」ウ音便
やせ細り	ラ行四段活用動詞「やせ細る」連用形
たまへ	補助動詞ハ行四段活用動詞「給ふ」已然形	尊敬語	補助動詞	中宮→紫の上	～なさる
れ	完了の助動詞「り」已然形
ど、	接続助詞
かく	副詞
て	接続助詞
こそ、	係助詞（係り結び）
あてに	ナリ活用形容動詞「あてなり」連用形
なまめかしき	シク活用形容詞「なまめかし」連体形
こと	名詞
の	格助詞
限りなさ	名詞
も	係助詞
まさり	ラ行四段活用動詞「まさる」連用形
て	接続助詞
めでたかり	ク活用形容詞「めでたし」連用形
けれ。」	詠嘆の助動詞「けり」已然形（「こそ」結び）
と、	格助詞
来し方	名詞
あまり	副詞
にほひ	名詞
多く	ク活用形容詞「多し」連用形
あざあざと	副詞
おはせ	サ行変格活用動詞「おはす」未然形	尊敬語	本動詞	作者⇒紫の上	いらっしゃる
し	過去の助動詞「き」連体形
盛り	名詞
は、	係助詞
なかなか	副詞
こ	代名詞
の	格助詞
世	名詞
の	格助詞
花	名詞
の	格助詞
薫り	名詞
に	格助詞
も	係助詞
よそへ	ハ行下二段活用動詞「よそふ」未然形
られ	受身の助動詞「らる」連用形
たまひ	ハ行四段活用動詞「給ふ」連用形	尊敬語	補助動詞	作者⇒紫の上	～なさる
し	過去の助動詞「き」連体形
を、	接続助詞
限り	名詞
も	係助詞
なく	ク活用形容詞「なし」連用形
らうたげに	ナリ活用形容動詞「らうたげなり」連用形
をかしげなる	ナリ活用形容動詞「をかしげなり」連体形
御さま	接頭語+名詞			作者⇒紫の上
に	断定の助動詞「なり」連用形
て、	接続助詞
いと	副詞
かりそめに	ナリ活用形容動詞「かりそめなり」連用形
世	名詞
を	格助詞
思ひ	ハ行四段活用動詞「思ふ」連用形
たまへ	尊敬語補助動詞ハ行四段活用動詞「たまふ」已然形	尊敬語	補助動詞	作者⇒紫の上	～なさる
る	存続の助動詞「り」連体形
気色	名詞
似る	ラ行上一段活用動詞「似る」連体形
もの	名詞
なく	ク活用形容詞「なし」連用形
心苦しく	シク活用形容詞「心苦し」連用形
すずろに	ナリ活用形容動詞「すずろなり」連用形
ものがなし。	シク活用形容詞「もの悲し」終止形