源氏物語御法紫上の死秋待ちつけて品詞分解全訳敬語助動詞

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先ざきも、かくて生き出でたまふ折にならひたまひて、

御もののけと疑ひたまひて、夜一夜さまざまのことを

し尽 くさせたまへど、かひもなく、

明け果つるほどに消え果てたまひぬ。

 

現代語訳

 

以前にも、このようにして(一度息を引き取ってから)

息を吹き返しなさる例(があったので、その例)に

(源氏は)お倣いになって、

(呪い殺したり、出家させたり病気にさせたりした故六条の御息所の)

御物の怪の仕業かとお疑いになり、

一晩中(延命や物の怪を調伏する)加持祈祷などのさまざまな手段をお尽くしになったけれど、その甲斐もなく、

紫の上は夜が明けきるころに

露のようにお亡くなりになってしまった。

 

コメント

物の怪でももともと偉い人なら「御」をつけるのは面白いですね。

品詞分解

先ざき 名詞
係助詞
かくて 副詞
生き出で ダ行下二段活用動詞「生き出づ」連用形
たまふ ハ行四段活用動詞「たまふ」連体形 尊敬語 補助動詞 作者⇒紫の上 ~なさる
名詞
格助詞
ならひ ハ行四段活用動詞「ならふ」連用形
たまひ ハ行四段活用動詞「たまふ」連用形 尊敬語 補助動詞 作者⇒源氏 ~なさる
接続助詞
御物の怪 接頭語+名詞 作者⇒六条の御息所の物の怪
格助詞
疑ひ ハ行四段活用動詞「疑ふ」連用形
たまひ ハ行四段活用動詞「たまふ」連用形 尊敬語 補助動詞 作者⇒源氏 ~なさる
て、 接続助詞
夜一夜 副詞
さまざま 名詞
格助詞
こと 名詞
格助詞
し尽くさ サ行四段活用動詞「し尽くす」未然形
尊敬の助動詞「す」連用形 尊敬語 助動詞 作者⇒源氏 ~なさる
たまへ ハ行四段活用動詞「たまふ」已然形 尊敬語 補助動詞 作者⇒源氏 ~なさる
ど、 接続助詞
かひ 名詞
係助詞
なく ク活用形容詞「なし」連用形
明け果つる タ行下二段活用動詞「明け果つ」連体形
ほど 名詞
格助詞
消え果て タ行下二段活用動詞「消え果つ」連用形
たまひ ハ行四段活用動詞「たまふ」連用形 尊敬語 補助動詞 作者⇒紫の上 ~なさる
ぬ。 完了の助動詞「ぬ」終止形

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主要参考文献

阿部秋生他校注・訳 『源氏物語4』<新編日本古典文学全集23>

小学館1996年。

石田譲二他校注 『源氏物語六』<新潮日本古典集成>

新潮社1982年

柳井滋他校注 『源氏物語四』<新日本古典文学大系22>

岩波書店1996年。

秋山虔ほか編著 『三省堂 詳説古語辞典』

三省堂2001年。

webの古語辞典http://kobun.weblio.jp/

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