松浦宮物語明けむ年品詞分解現代語訳

 

現代語訳

弁の君=氏忠は、(かなしみが)並一通りでなく血の涙を流すほどだったが、

(神奈備の皇女が入内するのを引き止めるのも、遣唐使の指名を辞退することも)

どちらも自分の思い通りになることではないので、

遂に神奈備の皇女は入内なさってしまわれた。

 

(神奈備の皇女が帝に)たいそう寵愛されていらっしゃることを見聞きするにつけ、

氏忠は、一層やるせなさがまして、以下のように詠んだ

 

普通ならこんなにつらい目にあわずに、

遠い唐土=中国の更に遠くの雲の果てに入ってしまいたいものだが、

(親がいるのでそんなこともできないので、本当に辛いことだ)

 

コメント

つらすぎ。ひきこもりたい。

品詞分解

弁の君 名詞
ひとかたなら ナリ活用形容動詞「ひとかたなり」未然形
打消の助動詞「ず」連用形
血の涙 名詞
格助詞
流せ サ行四段活用動詞「流す」已然形
接続助詞
いづれ 代名詞
係助詞
名詞
格助詞
かなふ ハ行四段活用動詞「かなふ」連体形
わざ 名詞
断定の助動詞「なり」連用形
副助詞
あら ラ行変格活用動詞「あり」未然形
打消の助動詞「ず」連体形
接続助詞
皇女 名詞
つひに 副詞
参り ラ行四段活用動詞「参る」連用形 謙譲語 本動詞 作者→帝 入内する
給ひ ハ行四段活用動詞「給ふ」連用形 尊敬語 補助動詞 作者→神奈備の皇女 ~なさる
ぬ。 完了の助動詞「ぬ」終止形
ときめき カ行四段活用動詞「ときめく」連用形
給ふ ハ行四段活用動詞「給ふ」連体形 尊敬語 補助動詞 作者→皇女 ~なさる
こと 名詞
いみじき シク活用形容詞「いみじ」連体形
格助詞
見聞く カ行四段活用動詞「見聞く」連体形
接続助詞
いとど 副詞
あぢきなさ 名詞
まさり ラ行四段活用動詞「まさる」連用形
接続助詞
かく 副詞
なむ。 係助詞
おほかた 名詞
係助詞
憂き ク活用形容詞「憂し」連体形
名詞
格助詞
マ行上一段活用「見る」未然形
打消の助動詞「ず」連用形
接続助詞
唐土 名詞
格助詞
名詞
格助詞
果て 名詞
格助詞
係助詞
入ら ラ行四段活用動詞「入る」未然形
まし 反実仮想の助動詞「まし」連体形
ものを 終助詞

朝夕の宮仕へにつけて、耐へ難き心をも、

なかなかひとかたに思ひ絶ゆばかり漕ぎ離れな/むも、