松浦宮物語明けむ年品詞分解現代語訳

母宮は、ここが弱くなって、涙をさらにお流しになる。

 

(我が子氏忠が出発する)今日からは月や太陽が沈む

(=氏忠がいる唐の方角を)慕うことでしょうか。

(神の加護がある日本で一番唐に近い)松浦の宮で

我が子(の帰り)を待つというので

 

(父の)大将殿は、

(唐土ももちろん遠いが、)唐土からの我が子の帰りをあなたが待つ松浦の宮も

(私のいる都からは)遠く離れているので、

一人寂しく都で私は物思いに耽ることでしょう。

 

どれほど、このように(母宮と一緒に松浦の宮で)

お過ごしになりたかったであろうが、

(許可無く都を離れ松浦の宮にやってきた大将への帰京の)

宣旨は重要なので、大将は都にお帰りになるのであった。

品詞分解

行方 名詞
係助詞
知ら ラ行四段活用動詞「知る」未然形
打消の助動詞「ず」連体形
名詞
格助詞
名詞
格助詞
マ行上一段活用動詞「見る」連用形
給ふ ハ行四段活用動詞「給ふ」連体形 尊敬語 補助動詞 作者→母宮 ~なさる
接続助詞
かねて 副詞
思ひ ハ行四段活用動詞「思ふ」連用形
過去の助動詞「き」連体形
こと 名詞
なれ 断定の助動詞「なり」已然形
接続助詞
名詞
係助詞
心弱く ク活用形容詞「心弱し」連用形
流し サ行四段活用動詞「流す」連用形
添へ ハ行下二段活用動詞「添ふ」連用形
給ふ ハ行四段活用動詞 尊敬語 補助動詞 作者→母宮 ~なさる
けふ 名詞
より 格助詞
係助詞
月日 名詞
格助詞
いる ラ行四段活用動詞「入る」連体形
格助詞
慕ふ ハ行四段活用動詞「慕ふ」終止形
べき 推量の助動詞「べし」連体形
松浦 名詞
格助詞
名詞
格助詞
代名詞
格助詞
名詞
待つ タ行四段活用「待つ」終止形
とて 格助詞
大将殿 名詞
唐土 名詞
格助詞
松浦 名詞
格助詞
名詞
係助詞
遥かに ナリ活用形容動詞「遙かなり」連用形
接続助詞
ひとり 名詞
名詞
格助詞
代名詞
間投助詞
ながめ マ行下二段活用動詞「ながむ」未然形
推量の助動詞「む」終止形
いかばかり 副詞
係助詞
係助詞
かく 副詞
接続助詞
係助詞
おはせ サ行変格活用動詞「おはす」未然形 尊敬語 本動詞 作者→大将 いらっしゃる
まほしけれ 願望の助動詞「まほし」已然形
接続助詞
宣旨 名詞
重けれ ク活用形容詞「重し」已然形
接続助詞
帰り ラ行四段活用動詞「帰る」連用形
給ふ ハ行四段活用動詞「給ふ」連体形 尊敬語 補助動詞 作者→大将 ~なさる
なり 断定の助動詞「なり」連用形
けり。 過去の助動詞「けり」終止形

弁少将氏忠、

波路行く幾重の雲のほかにして松浦の山を思ひおこせ