補助動詞
ハ行四段活用動詞「給ふ」連用形
世継⇒粟田殿=道兼公
接続は連用形
けら/◯/けり/ける/けれ/◯
(係助詞の終助詞的用法詠嘆)
学校の先生に従おう
花山寺におはしまし着きて、御髪下ろさせ給ひてのちにぞ、
粟田殿は、「まかり出でて、大臣にも、変はらぬ姿、いま一度見え、
かくと案内申して、必ず参り/侍らむ。」と申し/給ひければ、
「我をば、はかるなり/けり。」とてこそ、泣かせ給ひけれ。
あはれに悲しきことなりな。
日ごろ、よく御弟子にて候はむと契りて、すかし申し/給ひけむが恐ろしさよ。
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(花山天皇が)花山寺にお着きになって、
御剃髪なさった後になってはじめて、
粟田殿〔=通兼公〕は、
「(私は)ここから退出いたして(邸に戻って)、(父の)大臣〔=兼家公〕にも、
出家前の今と変わらないの姿をもう一度見せ、
これこれと(出家する)事情をお話し申し上げて、
必ずかえって参りましょう。」と申しあげなさったので、
(花山天皇は)「(それでは)私をだましたのだな。」とおっしゃって、
お泣きになったことでした。
しみじみとおいたわしく
また悲しいことですなあ。
(粟田殿が)日ごろよく(花山天皇が御出家なさったら)
(花山天皇の)仏弟子としてお仕えいたしましょうと約束しておいて、
(花山天皇を)欺き申しあげなさったということは恐ろしいことですな。