助動詞:薄緑のマーカーです
敬語:緑のマーカーです
係り結び:オレンジのマーカーです。
音便:水色マーカーです
上達部、上人なども、あいなく目をそばめつつ、いとまばゆき人の御おぼえなり。
現代語訳
上達部、殿上人などまでも、不愛想に、目をそむけそむけしていて、
まことに正視に絶えないほどの(帝の桐壷の更衣への)ご寵愛ぶりである。
コメント
電車の中で、キスをしたり、抱き合っているカップルを見ていると、
なんとなくいたたまれない気持ちになりますが、
それと似たようなもんですね。
品詞分解
上達部、 | 名詞 |
上人 | 名詞 |
など | 副助詞 |
も、 | 係助詞 |
あいなく | ク活用形容詞「あいなし」連用形 |
目 | 名詞 |
を | 格助詞 |
そばめ | マ行下二段活用動詞「そばむ」連用形 |
つつ、 | 接続助詞 |
いと | 副詞 |
まばゆき | ク活用形容詞「まばゆし」連体形 |
人 | 名詞 |
の | 格助詞 |
御おぼえ | 名詞 |
なり。 | 断定の助動詞「なり」終止形 接続は体言連体形など なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ |
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唐土にも、かかる事の起こりにこそ、
世も乱れ、悪しかりけれと、
やうやう天の下にもあぢきなう、
人のもて悩みぐさになりて、
楊貴妃の例も引き出でつ/べくなりゆくに、
いとはしたなきこと多かれど、
かたじけなき御心ばへのたぐひなきを頼みにてまじらひ給ふ。
現代語訳
唐土(=中国)でも、
こうしたこと(=帝がひとりの女性に夢中になること)が
もとになって世の中が乱れ、
ひどいことになったのだと、
しだいに世間一般でも、つまらないこと、
人々の取扱いに困ることになって、
はては、(唐の玄宗の寵愛を受けたことで、
安史の乱がおきたと伝えられれ、
傾国の美女と言われた)楊貴妃の例までも
引合いに出しかねないほどになっていく事態なので、
更衣はまことにいたたまれない思いのすることが多いけれど、
もったいない帝のご愛情が比類ないことに
おすがりして(桐壷の更衣は)宮仕えなさる。
コメント
ヤバいっすよー隣の中国でも、帝が女性に夢中になって
国滅んじゃったじゃないですかー
その辺にしときましょうよー
と言いたいけどみんな言えませんね。
全校集会で校長先生がPTA役員といちゃついている
感じでしょうか。
唐土 | 名詞 |
に | 格助詞 |
も | 係助詞 |
かかる | ラ行変格活用動詞「かかり」連体形副詞かく+動詞あり=かくありの変化形 |
事 | 名詞 |
の | 格助詞 |
起こり | 名詞 |
に | 格助詞 |
こそ、 | 係助詞 |
世 | 名詞 |
も | 係助詞 |
乱れ、 | ラ行下二段活用動詞「みだる」連用形 |
悪しかり | シク活用形容詞「あし」連用形 |
けれ | 過去の助動詞「けり」の已然形(「こそ」結び) 接続は連用形 けら/◯/けり/ける/けれ/◯ |
と、 | 格助詞 |
やうやう | 副詞 |
天の下 | 名詞 |
に | 格助詞 |
も | 名詞 |
あぢきなう、 | ク活用形容詞「あぢきなし」連用形 |
人 | 名詞 |
の | 格助詞 |
もて悩みぐさ | 名詞 |
に | 格助詞 |
なり | ラ行四段動詞「なる」連用形 |
て、 | 接続助詞 |
楊貴妃 | 名詞 |
の | 格助詞 |
例 | 名詞 |
も | 係助詞 |
引き出で | ダ行下二段活用動詞「引き出づ」連用形 |
つ | 強意の助動詞「つ」終止形 接続は連用形 て/て/つ/つる/つれ/てよ |
べく | 推量の助動「べし」連用形 接続は終止形、ラ変型は連体形 べく・べから/べく・べかり/べし/べき・べかる/べけれ/◯ |
なりゆく | カ行四段活用動詞「なりゆく」連体形 |
に、 | 接続助詞 |
いと | 副詞 |
はしたなき | ク活用形容詞「はしたなし」連体形 |
こと | 名詞 |
多かれ | ク活用形容詞「多し」已然形 |
ど、 | 接続助詞 |
かたじけなき | ク活用形容詞「かたじけなし」連体形 |
御心ばえ | 接頭語+名詞 |
の | 格助詞 |
たぐひなき | ク活用形容詞「たぐひなし」連体形 |
を | 格助詞 |
頼み | 名詞 |
にて | 格助詞 |
まじらひ | ハ行四段動詞「まじらふ」連用形 |
給ふ | 尊敬語
補助動詞 ハ行四段動詞「給ふ」終止形 作者⇒桐壷の更衣 ~なさる |
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坊にもようせずは、この皇子のゐ給ふべきなめりと…
の「給ふ」が、作者から帝に対する敬意になっていますが
作者から男皇子に対する敬意ではないでしょうか
皇太子の座に就く(と考えられている)のは男皇子なので
しおさん!
コメントありがとうございます!
その通りですね!僕のミスです!
教えてくださってありがとうございます!
修正しました!!
しおさんのおかげで、より良い記事になりました!
他にもおかしな点あったら、
ぜひぜひご指摘いただけたら嬉しいです!
感謝いたします!
コシャリ
「坊にもようせずは、
この皇子のゐ給うべきなめり」の、”給う”の敬意の方向なんですが、この言葉は一の皇子の女御がしゃべっているので、
一の皇子の女御→光源氏(皇子)
じゃないですか?
確認お願いします(^^)♪
てぃむちゃんさん!
コメントありがとうございます!
そうですね!
修正しました!
感謝いたします!
コシャリ
御覧ずるに、の「に」は接続助詞のような気がしますが、いかがでしょうか?
よしえさん!
コメントありがとうございます!
修正しました!
感謝いたします!
コシャリ
それと、「まつはさせ給ふあまりに、」の「に」は断定ではなく接続助詞なのかなぁと悩んでいます。どうでしょう?
よしえさん!
コメントありがとうございます!
修正しました!
ただ、
「あまり」が名詞なので、断定の助動詞「なり」連用形ではなく、格助詞に修正しました。
接続助詞の場合は、上が連体形ですよね。
すみません、上記2つのコメントのメールアドレスを待ちげていましたので、訂正します。
よしえさん
メールをおくっておきました!
「人の心をのみ動かし」の「のみ」は、副詞ではなく副助詞だと思います。
みはなさん
コメントありがとうございます!
修正しました!
思ひ上がり給へるの る は完了の助動詞 り の連体形ではないですか?
らむねさん、コメントありがとうございます!!
その通りですね!
修正しました!
ありがとうございます!
また何か見つけたら、ご指摘いただけたら嬉しいです!
PS
その題名のコミック(アニメ?)がお好きなんですね。
「ゐ給ふべきなめり」の「ゐる」がラ行上一段とありますが、ワ行上一段の間違いではないでしょうか?
イチロー牧場さん
コメントありがとうございます。
修正しました!!
「おきてたれば」はタ行下二段活用動詞の連用形「おきて」+「たれ」+「ば」ではないでしょうか。
コメントありがとうございます!!
「思ほしおきて」+「たれ」+「ば」
ですね。タン塩さんご指摘ありがとうございます!
修正いたしました!
父が亡くなっているのに、両親がそろっている、とはどういうことですか、、?
稚拙な質問でごめんなさい、教えて頂きたいです!
ご質問ありがとうございます。
両親が揃っている「他の」女性たちにひけを取らないように桐壺の更衣のお母さんは桐壺の更衣を育てたということです。
次の行までつながっています。
(他の)を追加しました!!
なるほど!
そういう事だったんですね、ありがとうございます!