源氏物語葵車争ひ車争い大殿には日たけゆきて品詞分解助動詞敬語全訳

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源氏物語葵車争ひ車争い大殿には日たけゆきて品詞分解助動詞敬語全訳

の4です!

 

車争い4

よき女房車多くて雑々に人なき隙を思ひ定めてみなさし退けさするなかに、

網代のすこしなれたるが、下簾のさまなどよしばめるに、

いたう引き入りて、ほのかなる袖口、裳の裾、汗衫など、ものの色、

いときよらにて、ことさらにやつれたるけはひしるく見ゆる車、二つあり。

現代語訳

(お供に)身分の高い女車が多く(並んでい)て、

(供人たちは)車添いの身分の低いの人のいない車を見定めて、

皆立ち退かせていると、その中に

網代車で少し使ってある車の、下簾のさまなども名門らしい様子

をしている上に、(乗り手は)たいそう控えめな様子で、

わずかに見える袖口や、裳の裾、(童女の)汗衫など、

着物の色がこざっぱりと非常に美しくて、

わざと(忍んで)粗末にして身分を隠している

雰囲気がはっきりと見える車が二両ある。

品詞分解

よき ク活用形容詞「よし」連体形
女房車 名詞
多く ク活用形容詞「多し」連用形
て、 接続助詞
雑々の人 名詞
なき ク活用形容詞「なし」連体形
名詞
格助詞
思ひ定め マ行下二段活用動詞「思ひ定む」連用形
て、 接続助詞
みな 副詞
さし退け 「カ行下二段活用動詞「さし退く」未然形
させる 使役の助動詞「さす」連体形
名詞
に、 格助詞
網代 名詞
格助詞
すこし 副詞
なれ ラ行下二段活用動詞「なる」連用形
たる 完了の助動詞「たり」連体形
が、 格助詞
下簾 名詞
格助詞
さま 名詞
など 副助詞
よしばめ マ行四段活用動詞「よしばむ」已然形
完了の助動詞「り」連体形
に、 接続助詞
いたう ク活用形容詞「いたし」連用形「いたく」ウ音便
引き入り ラ行四段活用動詞「引き入る」連用形
て、 接続助詞
ほのかなる ナリ活用形容動詞「ほのかなり」連体形
袖口、 名詞
名詞
格助詞
裾、 名詞
汗衫 名詞
など、 副助詞
名詞
格助詞
名詞
いと 副助詞
きよらに ナリ活用形容動詞「きよらなり」連用形
て、 接続助詞
ことさらに ナリ活用形容動詞「ことさらなり」連用形
やつれ ラ行下二段活用動詞「やつる」連用形
たる 完了の助動詞「たり」連体形
けはひ 名詞
しるく ク活用形容詞「しるし」連用形
見ゆる ヤ行下二段活用動詞「見ゆ」連体形
名詞
二つ 名詞
あり。 ラ行変格活用動詞「あり」終止形