源氏物語葵車争ひ車争い大殿には日たけゆきて品詞分解助動詞敬語全訳

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源氏物語葵車争ひ車争い大殿には日たけゆきて品詞分解助動詞敬語全訳

の6です!

 

 

車争い6

斎宮の御母御息所、もの思し乱るる慰めにもやと、

忍びて出でたまへるなりけり。

つれなしつくれど、おのづから見知りぬ。
(葵上方)「さばかりにては、さな言はせそ」
「大将殿をぞ、豪家には思ひきこゆらむ」
など言ふを、その御方の人も混じれれば、

いとほしと見ながら、用意せむもわづらはしければ、

知らず顔をつくる。

現代語訳

(その車は)伊勢斎宮の御母六条御息所が、

物思いに悩んでおられる気慰めにもなろうか、と、

お忍びでお出でになった車だったのである。

(御息所の方は)誰とも知られぬよう何げない振りをしているけれど、

(葵上の方では)自然にそれと分かってしまった。

そして、「それくらいの者に、かれこれ言わせるな。

源氏の大将殿の御威光を頼みに思い申しあげているのだろう。」

などと言うのを、(葵上のお供の中には)

その源氏の大将方の人も交じっているので、

御息所の方を気の毒とは思いながらも、

そのことに気を使うようなのも面倒なので、知らん振りをしている。

品詞分解

斎宮 名詞
格助詞
御母御息所 名詞
もの 名詞
思し乱るる ラ行下二段活用動詞「思し乱る」連体形
慰め 名詞
格助詞
係助詞
係助詞(係り結び)(結びはなし)
と、 格助詞
忍び 上二段活用動詞「忍ぶ」連用形
接続助詞
出で ダ行下二段活用動詞「出づ」連用形
給へ 尊敬語ハ行四段活用動詞「給ふ」已然形
完了の助動詞「り」連体形
なり 断定の助動詞「なり」連用形
けり。 過去の助動詞「けり」終止形
つれなしつくれ ラ行四段活用動詞「つれなしつくる」已然形
ど、 接続助詞
おのづから 副詞
見知り ラ行四段活用動詞「見知る」連用形。
ぬ。 完了の助動詞「ぬ」終止形
さばかり 副詞
断定の助動詞「なり」連用形
接続助詞
は、 係助詞
副詞
副詞
言は ハ行四段活用動詞「言ふ」未然形
使役の助動詞「す」連用形
そ。 終助詞
大将殿 名詞
格助詞
係助詞(係り結び)
豪家 名詞
格助詞
係助詞
思ひ ハ行四段活用動詞「思ふ」連用形
聞こゆ 謙譲語「ヤ行下二段活用動詞「聞こゆ」終止形
らむ」 推量の助動詞「らむ」連体形(「ぞ」結び)
など 副助詞
言ふ ハ行四段活用動詞「言ふ」連体形
を、 格助詞
代名詞
格助詞
御方 名詞
格助詞
名詞
係助詞
まじれ ラ行四段活用動詞「まじる」已然形
完了の助動詞「り」已然形
ば、 接続助詞
いとほし シク活用「いとほし」終止形
格助詞
マ行上一段活用動詞「見る」連用形
ながら 接続助詞
用意せ サ行変格活用動詞「用意す」未然形
仮定婉曲の助動詞「む」連体形
係助詞
わづらはしけれ シク活用形容詞「わづらはし」已然形
接続助詞
知らず顔 名詞
格助詞
つくる。 ラ行四段活用動詞「つくる」終止形