須磨10「二千里外故人心」と誦じ給へ、例の涙もとどめられ

現代語訳

「二千里外故人心」と声を出して

お読みになっているのは、いつものように人々は

涙をとどめることが出来ない。

品詞分解

「二千里外故人心」 名詞
格助詞
誦じ サ行四段活用動詞「誦ず」連用形
給へ ハ行四段活用動詞「給ふ」已然形

尊敬語補助動詞

筆者⇒源氏

る、 完了の助動詞「り」連体形

接続はサ変の未然形・四段の已然形
ら/り/り/る/れ/れ

名詞
格助詞
名詞
係助詞
とどめ マ行下二段活用動詞「とどむ」未然形
られ 可能の助動詞「らる」未然形

接続は四段・ナ変・ラ変以外の未然形
られ/られ/らる/らるる/らるれ/られよ

可能はたいてい打消セット!

ず。 打消の助動詞「ず」終止形

接続は未然形
[な]ず・ざら/[に]ず・ざり/ず/ぬざる/ね・ざれ/ざれ

入道の宮の、「霧やへだつる」とのたまはせほど

いはむ方なく恋しく、

をりをりのこと思ひ出で給ふに、よよと泣か給ふ

現代語訳

入道の宮が「霧や

へだつる」とおっしやった時のことが言いようもなく恋しく、

折々の幸をお思い出しになると、

よよと思わず泣かれなさる。

品詞分解

入道の宮 名詞
の、 格助詞
「霧 名詞
係助詞(係り結び)
へだつる」 タ行下二段活用動詞「へだつ」連体形(「や」の結び)
格助詞
のたまはせ サ行下二段活用動詞「のたまはす」連用形

尊敬語本動詞

筆者⇒入道の宮

過去の助動詞「き」連体形

接続は連用形(カ変・サ変は特別)
せ/◯/き/し/しか/◯

ほど 名詞
いは ハ行四段活用動詞「いふ」未然形
推量の助動詞「む」連体形
名詞
なく ク活用形容詞「なし」連用形
恋しく、 シク活用形容詞「恋し」連用形
をりをり 名詞
格助詞
こと 名詞
思ひ出で ダ行下二段活用動詞「思ひ出づ」連用形
給ふ ハ行四段活用動詞「給ふ」連体形

尊敬語補助動詞

筆者⇒源氏

に、 接続助詞
よよと 副詞
泣か カ行四段活用動詞「泣く」未然形
自発の助動詞「る」連用形

接続は四段・ナ変・ラ変の未然形
れ/れ/る/るる/るれ/れよ

給ふ。 ハ行四段活用動詞「給ふ」終止形

尊敬語補助動詞

筆者⇒源氏

(供人)「夜ふけはべり」と聞こゆれど、なほ入り給は

現代語訳

供人「夜がふけてしまいます」と申し上げるけれど、

やはり奥にお入りにならない。

品詞分解

名詞
ふけ カ行下二段活用動詞「ふく」連用形
はべり ラ行変格活用動詞「侍り」連用形

丁寧語補助動詞

(供人)⇒源氏

ぬ」 完了の助動詞「ぬ」終止形

接続は連用形
な/に/ぬ/ぬる/ぬれ/ね

格助詞
聞こゆれ ヤ行下二段活用動詞「聞こゆ」已然形

謙譲語

筆者⇒源氏

ど、 接続助詞
なほ 副詞
入り ハ行四段活用動詞「入る」連用形
給は ハ行四段活用動詞「給ふ」未然形

尊敬語補助動詞

筆者⇒源氏

ず。 打消の助動詞「ず」終止形

接続は未然形
[な]ず・ざら/[に]ず・ざり/ず/ぬざる/ね・ざれ/ざれ

 

源氏

見るほどしばしなぐさむめぐりあは月の都ははるかなれども

現代語訳

源氏 月を見ている間しばらく心が慰むこと
だ。恋しい人にめぐり逢うかもしれない月の
都は遥か遠くであるけれども。

品詞分解

見る ラ行上一段活用動詞「見る」連体形
もど 名詞
係助詞(係り結び)
しばし 副詞
なぐさむ マ行四段活用動詞「なぐさむ」連体形(「ぞ」結び)
めぐりあは ハ行四段活用動詞「めぐりあふ」未然形
推量の助動詞「む」連体形

接続は未然形
◯/◯/む/む/め/◯

名詞
格助詞
名詞
係助詞
はるかなれ ナリ活用形容動詞「はるかなり」已然形
ども 接続助詞